バスタブジン・禁酒法時代に流通したコンパウンド・ジン
「バスタブジン(Ableforth's Buthtub Gin)」は「マスター オブ モルト社」の「Professor Cornelius Ampleforth」のオリジナルブランドから生まれたクラフトジンです。
同社は1985年にロンドン南東部のロイヤル・タンブリッジウェルスに創業して以来、世界中の愛好家から注目されているウイスキーショップ。
商品名にもなっている「バスタブジン」の由来は、19世紀イギリスの禁酒法時代に密造酒で流通したジンの作り方からきています。
作り方は蒸留せずに原料を漬け込むだけとシンプル
ジンの製造法には浸漬法とバスケット法という蒸留法がありますが、アメリカの禁酒法時代はベーススピリッツにボタニカルを加えて蒸留しない果実酒をつくる方式が流行しました。
正式名はコンパウンド・ジンと呼ばれますが、当時、この製法で大量にジンをつくるのに浴槽が使われたことから、いまでも名前が残っています。
当時は粗悪品が横行して健康被害や死者まで出ましたが、現在はもちろん製造管理をしっかりしたうえで、あえて蒸留せずに原料を漬け込んだだけの良質なコンパウンド・ジンをつくるメーカーがあります。
価格とレビューの評価
バスタブジンはそんなレトロな時代の風味と雰囲気を残したクラフトジン。ボタニカルのレシピはジュニパー、オレンジピール、コリアンダー、シナモン、クローブ、カルダモンという王道の材料を使っています。
アルコール度数43.3度・700ml、記事作成時点での最安値価格(税込)は4,000円ほど。
レビューは少ないですが、フィーバーツリーのトニックウォーターを合わせるなど、それなりのプレミアムジンとして楽しむ方が主流のようですね。
日本での知名度はまだ低いですが、2014年に「ワールド・ジン・アワード」でコンパウンド・ジン部門世界一、2015年の「インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)2015」ジン・コンテンポラリースタイル部門で最高金賞を受賞している実力派です。
バスタブジン |
通販販売店の 最安値価格(税込) |
スタンダード (43.3度・700ml) |
4,000円ほど |
ネイビーストレングス (57度・700ml ) |
4,900円ほど |
バスタブジン オールドトム (42.4度・500ml) |
4,800円ほど |
バスタブスロージン (33.8度・500ml) |
4,000円ほど |
バスタブジンの種類 ネイビーストレングス、スロージンなど
バスタブジンの種類にはスタンダードのほかにいくつかあります。まずは、「マスターオブモルト カスクエイジド ジン(Master of Malt Cask Aged Gin)」。
こちらは原酒と樽の内側が触れる比率の高い「オクタブ」サイズ(50L程度)のオーク樽で、定番のバスタブジンを3ヶ月間から6ヶ月間熟成したもの。
「ネイビーストレングス(Ableforth's Bath tub gin Navy Strength)」は18世紀ごろのイギリス海軍が飲んでいた100プルーフ(アルコール度数57度)でボトリングしたもの。
製造工程においても、ボタニカルの浸漬の際に強く混ぜ合わせる「バッシング・アップ」を行い、より力強いボタニカルフレーバーを引き出す工夫がされています。
「バスタブジン オールドトム(Ableforth's Bathtub Gin Old Tom)」はボタニカルを浸漬したあとに、砂糖を加えてつくられた甘みのあるジン。
「バスタブスロージン(Ableforth's Bathtub Sloe Gin)」は高品質で知られるドイツ産スローベリーをスタンダードに漬け込んでつくられています。
いずれも限定品なので、今日現在、スタンダードのほかには日本での流通はほとんどが終売の様子。再販を期待しましょう。