タークィンズ・ハンドクラフティド・コーニッシュ・ドライジンとは
「タークィンズ・ハンドクラフティド・コーニッシュ・ドライジン(Tarquin handcrafted Cornish Dry Gin)」はイギリス・コーンウォール(Cornwall)のサウス・ウエスタン蒸留所でつくられているクラフトジンです。
コーニッシュとはコーンウォール産という意味。コーンウォールはグレートブリテン島の南西部にあり、丘陵と山地で構成され、肉牛(デボン種)の粗放的放牧や酪農、温和な気候を利用した市場園芸が盛んです。
また、古代からケルトの聖地として多くの巡礼者を集め、イギリス版モンサンミッシェルとも言われる海に浮かぶ修道院「セント・マイケルズ・マウント」や岸壁の劇場「ミナック・シアター」が有名です。
アーサー王伝説ゆかりの地もあり、イングランド最西の地「ランズ・エンド(地の果て)」の海の彼方には、戦で致命傷を負ったアーサー王が最期に向かった土地があるとも言われています。
蒸留所は経済アナリストと公認会計士の姉妹が創業
タークィンとは創業者の名前を意味しています。ロンドンのシティーで経済アナリストをしていた、当時26歳のタークィン・リードベターさんと元公認会計士のお姉さんが2013年に創業した蒸留所なんですね。
翌2014年には早々に「インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)2014」で金賞を受賞しているので、かなりの実力派。こだわりの詰まったハンドクラフトジンとして注目されています。
超スモールバッチとボタニカルのデヴォン・スミレが特徴
ポットスチル(単式蒸溜器)による、ワン・ショット・ディスティレーション(1回蒸溜)にこだわり、蒸留液は最初と最後の部分を取り除いたミドルカットのみを使用するため、1回の生産量は300本以下というスモールバッチです。
原酒の度数調整には地元コーンウォール地方の湧水が使われ、独自の風味を主張しています。
ボタニカルは世界中から厳選したジュニパー(コソボ)、コリアンダー(ブルガリア)、オレンジピール、レモンピール、グレープフルーツピール、アンジェリカの根(ポーランド)、オーリスの根(モロッコ)、シナモン(マダガスカル)、カルダモンの種子(グァテマラ)、リコリスの根(ウズベキスタン)に加えて、デヴォン・スミレの12種類。
近年のハンドクラフト感満載のジンではよく聞きますが、こちらでもデヴォン・スミレは蒸留所の庭で栽培したものが手摘みされて使われています。
キャップ部分には印象的な明るいブルーの封蝋。ジュニパーと柑橘系の香りのスパイシーな味わいや華やかさをイメージしています。
度数・容量・価格は?
タークィンズ・ハンドクラフティド・コーニッシュ・ドライジンは42度・700mlで、最安値(税込)は5,300円ほど。
デヴォン・スミレの甘い香りを感じながら、ドライジンの本格的なスパイシーさが味わえます。レモンやライムなしで味わえるため、ジントニックのほかにジンリッキーもいいですね。
マスター・ディスティラーのリードベターさんによるテースティングノートも1本ずつ手書きされていて、女性的なきめ細やかさがおしゃれなクラフトジンです。
タークィンズの種類・パスティスとは?
タークィンズのそのほかの種類には「パスティス」があります。日本ではあまり馴染みがありませんが、パスティスとはスターアニスと各種ハーブにより風味付けされている香草・薬草系リキュール。
もともとアブサンが禁止された時代に、フランスでアブサンの代替品として製法を改良して生み出されたものなんですね。
スターアニスは豚の角煮などの四川料理でも知られるスパイスで、一般的なパスティスはこのスターアニスの風味が強めの甘口のお酒です。
タークィンズのパスティスは42度・700mlで、最安値(税込)は5,100円ほど。アニスとかすかな柑橘の風味に、コーンウォールの断崖に生息する木から手摘みしたというマメ科の植物「ハリエニシダ」の花の甘みが特徴となっています。
イギリス初にして、唯一のパスティスだそうです。香草・薬草系リキュールのお好きな方は試してみてくださいね。