ジェラニウムジン 特徴は柑橘系と調和した花の風味
「ジェラニウム(ゼラニウム)ジンGeranium Gin」はデンマークのコペンハーゲンに拠点を構えているハマーアンドサン社(Hammer&Son)が、イギリスで委託生産して販売しているクラフトジンです。
特徴は地元に自生する「ジェラニウムの花」がボタニカルに使われていること。そのほかにジュニパーベリー、レモン、オレンジ、コリアンダー、カシア、オリス、アンジェリカ、リコリス。
すべてのボタニカルはイギリス産小麦100%のスピリッツに48時間漬け込まれてからコパーポットスチルで蒸留されます。
コパーポットスチルとはコッパー・ポットスチルとも呼ばれる、くびれのないずんぐりした小型の銅製単式蒸留器。100年以上前のものだそうです。
ジェラニウムジンはアルコール度数44度・700mlで、最安値(税込)は3,300円ほど。風味の基本となるジュニパーべリーときりっと辛口ボタニカルに、柑橘系と調和したゼラニウムの香りと甘みがなめらかに響いてきます。
女性には美容にもうれしい成分
ゼラニウムが使われたのは同社のオーナーで、ジンへの造詣が深いヘンリック・ハマー氏の発案によるものでした。
ゼラニウムには自律神経やホルモン分泌のバランスを回復させて、精神的なストレスや女性特有の症状を和らげてくれる働きがあるといわれています。
また、精油としてシワやしみ、お肌のアンチエイジング、皮脂分泌のバランスをとる作用があり、スキンケアにも使われますね。
ジェラニウムの意味・色で違う花言葉
ジェラニウムは日本でもおなじみの多年生園芸植物で、バラに似た香りをもつことから、ローズゼラニウム、ニオイゼラニウムとも呼ばれます。
ゼラニウムの意味はギリシア語のゼラノス(鶴)から来ていて、果実の形が鶴のくちばしに似ていることからつけられたと言われています。
多年草のペラルゴニウムもこのパターンで、果実の形がギリシア語のペラルゴス(コウノトリ)のくちばしに似ているためと言われます。いずれも鳥の美しさにたとえられているんですね。
ゼラニウムの花言葉も話題になりますが、赤のゼラニウムの花言葉は「君がいて幸せ」、ピンクのゼラニウムは「決意」、深紅のゼラニウムは「憂鬱」、黄のゼラニウムの花言葉は「予期せぬ出会い」。
贈り物ならば気を使いますが、花の色によって変わるのもおもしろいですね。
世界が注目した日本人
「ジェラニウムジン」が一躍注目されたのは、2016年に東京で開催された、国際バーテンダー協会(IBA)主催の世界大会、「ワールドカクテルチャンピオンシップ2016(WCC Classic Competition Super Final)」。
日本代表の坪倉健児さん(京都・Bar Rocking Chair)が総合優勝して、「ワールド・バーテンダー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのですが、このとき坪倉さんのつくった世界一に輝いたカクテル「THE BEST SCENE」のベースに使用されたのがこのジェラニウムジン。
ジンをベースにミドリメロンリキュール、エルダーフラワーリキュール、レモンジュース、柚子ピューレで和のエッセンスを加えたオリジナルカクテル「THE BEST SCENE」が披露されました。
ミドリやエルダーフラワーと微妙に合わせるのはさすがプロ。おいしい飲み方の参考にしてくださいね~。