タンカレーNo.10ジンと定番の違い1・生のボタニカルを使用
「タンカレーNo.10ジン(Tanqueray No.10)」はイギリスに本拠地を置くタンカレー・ゴードン社によるプレミアムジンです。
スタンダードの「タンカレーロンドンドライジン」との違いは「ボタニカルの質」と「使用する蒸留器」の2点です。
まず、主要ボタニカルが乾燥ではなく、手積みした生のフレッシュな素材が使われていること。
18ヶ月間、麻袋で熟成させたトスカーナ産ジュニパーベリーを生で使っているほか、フロリダ産オレンジ、フロリダ産グレープフルーツ、メキシコ産ライムなども新鮮素材なんですね。
ナンバーテンの違い2・由来となったタイニーテンによる蒸留
蒸留器は蒸留所でも「オールド・トム」の名で愛される「タイニーテン(Tiny Ten)」が使われています。
タイニーテンが作られたのは1960年代にさかのぼります。わずか400Lしか入らないスワンネックの小型単式タイプのオリジナル蒸留器なんですね。
「10」は蒸留所の誕生から10番目に製造されたという由来にもとづいて、銘柄名にも意味づけられています。
タンカレーの蒸留所は第二次世界大戦でドイツ空軍によって爆撃され、このタイニーテン一基を除いて破壊されるという大きな被害を受けました。
つまり、第二次世界大戦で生き残ったたった一基の蒸留器でつくられる、生のボタニカルが活かされたプレミアムジンというわけですね。
タンカレー独自の手法である4段階の蒸留は変わりません。タンカレーNo.10ジンでは3度の蒸留でスピリッツの純度を上げ、最後の蒸留でボタニカルの香り付けがされています。
詳細なボタニカルをお伝えしたいところですが、基本となるのはジュニパーベリー(生)、コリアンダー、アンゼリカの3つを中心に、オレンジ(生)、グレープフルーツ(生)、ライム(生)を含む20種類以上の素材が使われているということしか、公開されていません。
製法や配合のレシピは世界で6人しか知らないとされていますから、すべてを知るのはむずかしそうです。
最近のジンではレシピを公開している銘柄も多いですが、伝統的なジンはレシピ非公開というのも珍しくなく、それが想像をかきたてる魅力にもなっています。
No.10とふつうのタンカレーでの風味の違い・飲み方は
ふつうのタンカレーにくらべると、タンカレーナンバーテンは柑橘系のフレーバーが強く、全体的になめらかで豊かに感じると思います。
度数が47.3度ありますが、そのわりにはすっきり飲めるので、お酒が強い人のおいしい飲み方はやはり、香りを楽しめるストレートやロック。
私はお腹が弱いので、冷凍庫でキンキンに冷やして飲んでいる方がうらやましいです(笑)。
あまり強くない人はジントニックやソーダ割りとなると思いますが、最初はちょっと濃い目で本来の風味を味わってみてくださいね。
「タンカレーといえばNo.10」と目覚めてしまうかもしれません。
タンカレーNo.10ジンの価格とレビューの風味評価
タンカレーNo.10はアルコール度数47.3度で700ml・750ml・1000mlがあります。
あくまでも記事アップ日の最安値価格ですが、700ml・750mlで3,100円前後、1000mlで3,300円前後とあまり変わらないので1000mlの購入がお買い得です。
一般的な評価では星5つ中、限りなく5に近いポイントがついています。マイナスを指摘する感想は「高いのでたまにしか買いません」という価格面くらいでしょうか。
支持するレビューには「そんなに苦くないので気に入ってます」「華やかな香りや度数の割には爽やかな口当たりが非常に魅力的」「クラフトを含め20種類を超えるジンを味わいましたが、最後に行き着いたのはナンバーテン」「味は本当に奥深く最高です。普通のタンカレーがすかすかに感じます」などのレビューが見られます。
高評価なのでバレンタインやジンの好きな人のへプレゼントに購入する方も多いようですね。
ブルームズバリーロンドンドライジンとの違い
タンカレーには伝説の蒸留器「タイニーテン」を使った限定プレミアムジンがもうひとつあります。
それが「ブルームズバリーロンドンドライジン」。No.10との違いはレシピが違うことなんですね。
イギリスが繁栄を誇ったビクトリア女王の時代、1880年代のレシピに基づいて作られています。
アメリカ禁酒法時代の約40年ほど前になります。140年前くらいの往年のレシピを楽しみたい方はどうぞ。限定なので希少です。