ブードルスブリティッシュジンの特徴1・減圧蒸溜方式
「ブードルスブリティッシュジン(Boodles British London Dry Gin)」の価格・味評価や終売と復活の歴史、マティーニの神様がつくるマティーニなどを紹介します。
ブードルスジンはスコットランドのグリーナル蒸留所で造られているロンドンドライジンです。
特徴のひとつは減圧蒸溜方式。蒸留器内の気圧を下げてグレーンスピリッツを蒸留しているわけですね。
標高が高い山のように気圧が低い状態でお湯を沸か場合、100℃より低い温度で沸騰しますが、この原理を利用しています。
グレーンスピリッツを40℃~50℃くらいで沸騰させると、高沸点成分の気化を抑えられ、焦げ臭さなどの二次生成物を少なくする効果があります。
その結果、口当たりも軽やかなお酒となるわけですが、この減圧蒸溜は日本でも焼酎の製造によく使われます。
特徴2・ボタニカルに柑橘系が入っていない
特徴の2つめは使われている7種類のボタニカルに柑橘系が含まれていないため、甘みのある清らかな味わいながら、どっしりした存在感を感じさせてくれるところ。
ジュニパーベリーのほかにはコリアンダーシード、キャラウェイシード、カシア、ナツメグなどのスパイシーな味わいですが、ローズマリーを思わせるフローラルな香りも含まれます。
終売から復活のブードルスジンの度数・価格
ブードルスブリティッシュジンは2012年に一度終売となり、愛飲家が騒然となりましたが、2013年にオーナーが変わって装いを新たに再リリースされています。
終売以前の旧ボトルはライオンのラベルがついたもので、オークションでは今でも人気です。
ブードルスジンはアルコール度数40度・700mlと43度と45度で750ml、45.2度で750ml・1000mlというように、日本では度数と容量が微妙に違うものが多く流通しています。
記事アップ日での販売店の安い価格帯は以下の通りです。
ブードルスブリティッシュジン |
安い価格帯(税込) |
40度・700ml |
2,500円ほど |
43度・750ml |
2,200円ほど |
45度・750ml |
2,000円ほど |
45.2度・750ml |
2,000円ほど |
45.2度・1000ml |
2,700円ほど |
1000ml以外ではあまり価格が変わらないので、度数をしっかり確認したうえで45.2度・750mlあたりでの購入がおすすめです。
BARでもアルコール度数の高い45.2度が好まれているようです。
ちなみに、日本では銀座の超有名店「MORI BAR」のオーナーで、マティーニの神様と呼ばれる毛利隆雄さんが使っていることで有名です。
「毛利マティーニ」はブードルスジンをベースにした絶品マティーニ。100回転ステアという独自のレシピでつくられています。
ブードルスジンでマティーニをつくるときには、標準的な数十回のステアと100回ステアをぜひ飲み比べてみてくださいね。
ブードルスブリティッシュジンのレビュー評価
一般的な評価からまずはマイナス評価を指摘する感想ですが、こちらはわずか。
「近所の酒屋さんに無いので残念」
支持するレビューは以下の通りです。
「美味しいです。通販で購入」
「ほとんどのジンに入っている柑橘類はなく、希少で極上の味(イタリア)」
「風味のないジンフレーバーセットと合わせて購入。ボトルもキレイ(イタリア)」
「優れたドライジン。カクテルに最適」
「いくつかのジンを試したが、これまでのところ私のお気に入り(ドイツ)」
マイナス評価といえば、日本では酒屋やスーパーにないために通販購入しかできないことですね。
派手さはありませんが、堅実な味に固定ファンもしっかりついています。
ブードルスの名前の由来
ロンドン・ドライジンは、もともとロンドン周辺が主産地ですが、ロンドンで生産しなくてはいけないという決まりがあるわけではないんですね。
定義は「穀物などを原料として、ジュニパーベリーの香りがついたスピリッツ」なので、イギリスのほかの地方や日本をはじめとした各国でつくられています。
「ブードルスブリティッシュジン」は1762年にロンドンのセント・ジェームズ・エリアで設立された、世界で2番目に古い「ブードルス・ジェントルマンズ・クラブ(紳士クラブ)」に由来します。
セント・ジェームズ・エリアは現在でも多くのジェントルマンズ・クラブが立ち並ぶ通りとして知られ、ジェントルマンの聖地(クラブランド)と呼ばれています。
ブードルスは「仲間」の意味ですが、ヘッド ウェイターを務めたエドワード・ブードルの名を冠してブードルズクラブと呼ばれたという逸話もあります。