MGCメルボルンジンカンパニー 豪州産ボタニカルと自然の雨水
「MGCメルボルンジンカンパニードライジン(Melbourne Gin Company Dry Gin)」はワイナリー出身の経営者が造る、オーストラリア・メルボルン産のクラフトジンです。
特徴は徹底的なこだわりにあります。仕込み水にメルボルン郊外のワイン畑に降った雨水を使い、その仕込み水を使ってブドウを原料としたスピリッツを造り、さらに地元産の特徴的なボタニカルが加えられていること。
しかも、ジンに使われる蒸留器ではなく、精油や芳香蒸留水の製造に使われる蒸留器を使うことで独自の味わいを追求しています。
オーストラリア産のワインの名産地、ヤラ・ヴァレー
蒸留所のある場所は、メルボルンから東に60km離れたヤラ・バレーのジェムブルック・ヒル。ヤラ・ヴァレーは80以上ものワイナリーがあるワインの名産地で知られます。
言うまでもなく、ここで生産されるピノ・ノワールやシャルドネは世界的に高い評価を得ています。現地はメルボルンから日帰りで行けるため、ワイナリー巡りのツアーを楽しむ方も多いですね。
「MGCメルボルンジンカンパニードライジン」を誕生させたのは、ワイナリーの一家に生まれ、自らも大学でワイン醸造を専攻したアンドリュー・マークスさん。
家業のワインメイキングを手伝いながら、2009年よりアパートの自室でジンの研究・開発に取り組み、4年の歳月をかけてドライジンを完成させました。
使っている水は地元ジェムブルック・ヒルのワイン畑に降った雨水。それを仕込み水として、ワイナリーの特徴を活かしてブドウのベーススピリッツが造られます。
徹底的なこだわり・精油や芳香蒸留水用の蒸留器を使用
MGCメルボルンジンカンパニーでは、ボタニカルの繊細な香り、味わいを抽出する目的から一般的なジンの蒸留器は使われません。
使うのは精油や芳香蒸留水を蒸留するための「コッパ―ポット・ペインマリエ・アランビック蒸留器」なんですね。
ボタニカルはジュニパーベリーとコリアンダーシードのほか、地元でとれたマカダミアナッツ、サンダルウッド、ハニーレモンマートル、ローズマリー、グレープフルーツピール、オレンジ、アンジェリカの根、オリスルーツ、シナモンスティックのカシアバーグ。
マカダミアナッツ、レモンマートルなどボタニカルにも特徴
なかでも、ジンにマカダミアナッツは珍しいですね。マカダミアナッツはハワイ産も有名ですが、もともと1892年にハワイに持ち込まれて栽培の歴史が始まったのだとか。
しかも、ナッツをチョコレートで包んだものを製品化してハワイで大ヒットさせたのは日系アメリカ人のマモル・タキタニ氏。現在もハワイアンホースト社製のチョコレートとしてお土産にも人気なんですね。
サンダルウッド(sandalwood)はインド原産で半寄生の熱帯性常緑樹。日本では白檀の名前でもおなじみです。爽やかな甘い芳香が特徴で、仏具や扇子の骨、身近な香料、アロマなど多種多様に使われています。
レモンマートル(lemon myrtle)はオーストラリアのクイーンズランド州の亜熱帯多雨林に自生する植物で、「レモンハーブの女王」とも呼ばれます。
先住民のアボリジニは料理や薬草として生活に活用してきました。破砕した葉に強いレモンの香りがするため、現在でも香味料や精油用としてオーストラリアで栽培されています。
割っても個性は残るので、カクテルでもおいしい飲み方が可能
MGCメルボルンジンカンパニーの風味の特徴は、オレンジのアロマが印象に残ること。また、「雨水を使っている」という先入観からか、なんとなく雨水の味がするような気もしてきます(笑)。
いろんなもので割っても個性が失われない強さもあるので、おいしい飲み方としては、ここぞというときのバーモンジートニックウォーターでジントニックを飲んでみたいところですね。
シンプルなジンフィズ、マティーニ、ホワイトレディなどのスタンダードカクテルにも合いそうです。
ちなみに、ワインの名産地の特徴を活かしたジンはこのほかに、「フェルディナンズ ザールドライジン」や「ジーヴァインジンフロレゾン」があります。興味のある方はチェックしてみてください。