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アベラワーアブーナ スペイサイドの甘い風味が強い度数でもなめらかに

アベラワーアブーナ スペイサイドの湧き水を使った甘いシングルモルト

「アベラワーアブーナ(Aberlour A'bundh)」はスペイサイドの中心、ベンリネス山(ベン・ネビス山)の湧き水を水源とするラワー川沿いにあるアベラワー蒸留所(ペルノ・リカール社所有)が造っているシングルモルトウイスキーです。

 

アベラワーにはシングルモルト10年、12年、18年という熟成表記ボトルもありますが、すべてに共通する特徴はなめらかな舌触り。

 

その理由はベンリネス山に降る雨と雪が、地下の花崗岩とピートで濾過された清らかな軟水を使った 仕込み水にあると言われています。

 

アベラワー蒸留所
アベラワー蒸留所
photo credit: martyn jenkins 2017-04-30 026 Aberlour Distillery via photopin (license)

ボトル名は創業当時と同じ製法というコンセプトを意味

日本では「アベラワーアブーナ」の銘柄は別名で「アベラワーアブナック」とも呼ばれます。

 

蒸留所の名前は地元のアベラワー村が由来で、アベラワーとはゲール語で「せせらぐ小川の川口」の意味。また、アブナとは同じくゲール語で「起源」を意味しています。

 

起源と名付けられた理由は「19世紀の創業当時と同じ製法で造られた」というコンセプトからきています。

 

同じ製法とは「オロロソのシェリー樽で寝かされた原酒を、チルフィルター(低温濾過)をかけずに樽出しのままの度数でボトリング」という工程なんですね。

熟成銘柄とひと味違う、上品で強いシェリー感の風味

アベラワーの銘柄はまろやか、ほんのり系のスペイサイドとして知られていますが、この工程によってアブーナはそれらとは一線を画する仕上がりになっています。

 

およそ60度前後のカスクストレングスですが、それを感じさせないシェリーカスク由来の上品な香りが効いていて、ダークチョコレートなどの甘い風味が特徴です。

テイスティングレビューと価格

銘柄

ペルノ・リカール社の

参考小売価格(税込)

通販販売店の

最安値価格(税込)

 アベラワーアブーナ

(約60度700ml)

1万円 7,100円ほど

アベラワーアブーナは700ml、カスクストレングスなのでバッチごとにアルコール度数は違って、60度から61.2度くらい。

 

最安値で7,100円(税込)くらいと熟成表記のないノンエイジにしては高級ですが、定価の目安となるペルノ・リカール社の希望小売価格は10,000円なので、今のところ価格高騰はないようですね。

 

一般的な評価は「その辺の市販より遥かに旨い」「味わいは甘さが強い」「アルコール度が高いのにストレートでも飲みやすい」「とても深くていい香り」「ストレート良しロックも良し」など、高評価のレビューが並びます。

 

飲み方としては、加水すると上品なシェリーの香りが消えてしまうので、なるべくストレートかロックで楽しみたいところです。

 

Aberlour A'bundh アベラワーアブーナのボトル
Aberlour A'bundh アベラワーアブーナのボトル

アベラワー蒸留所の歴史と設備

アベラワー蒸留所は1826年にジェームズ・ゴードンとピーター・ウェアによって建てられ、何度かオーナーが変わっています。

 

1879年に大規模火災が起き、当時ダルユーイン蒸留所を運営していたジェームズ・フレミングが美しいヴィクトリア朝の建物を再建。

 

その後、1898年の火災からも再建されています。1974年にはペルノ・リカールが買収し、その際に設備が付け加えられました。

 

発酵漕はステンレス製が6基。ポットスチルはストレートヘッド型で、初溜釜2基、再溜釜2基の合わせて4基など近代的設備での再スタートとなりました。

 

記事最初で紹介した画像がそのストレートヘッド型。玉ねぎ型とも呼ばれますが、このポットスチルで蒸留するとフルーティーなミディアムボディの特徴が生まれると言われています。