アルバータプレミアム ライ麦100%のカナディアンウイスキー
「アルバータプレミアム(Alberta Premium)」はカナダの西部アルバータ州にあるアルバータ蒸溜所で造っているカナディアンのライウイスキーです。
アルバータ州は雄大なカナディアンロッキー、神秘的な湖、大氷河が点在する風光明美な地域で、ハチミツの産地としても知られています。
同蒸溜所は1946年に創業した北米最大のライウイスキー蒸溜所。カナディアンロッキー山麓の東側、標高1,048メートルの高原にあります。
きびしい自然環境の中にある蒸留所
この地域は乾燥した気候で温度差が大きいためにライ麦づくりに適していて、アルバータ蒸溜所では地元の生産者から「世界最高峰」と言われるライ麦を直接仕入れています。
とはいえ、乾燥地帯だけに2016年にはアルバータ州フォートマクマレー市周辺、2018年8月にはブリティッシュ・コロンビア州と大規模な山火事に見舞われる機会の多い環境にも位置しています。
ライ麦100%がプレミアムと呼ばれる理由
カナディアンウイスキーの一般的な製造法ではベースウイスキーとフレーバリングウイスキーの二種類がブレンドされます。これはモルトとグレーンを混ぜて造るスコッチのブレンデッドウイスキーと似ています。
しかし、「アルバータプレミアム」の大きな特徴は、ベースウイスキーにもフレーバリングウイスキーにも100%ライ麦だけが使われているという点。
フレーバーは豊かでもコストがかかるという現実
カナディアンウィスキーの定義のひとつに「穀類のみを原料とする」という条件がありますが、ライ麦100%というのはなかなかありません。
現代では供給量の減ったライ麦は高値。また、糖化の工程で大麦のデンプンをアルコールに変えるわけですが、ライ麦はフレーバーが豊かな反面、デンプン量が少ないため、生産コストがかかります。
ちなみに、ライウイスキーはアメリカの法律ではマッシュ(原料となる麦芽液)の51パーセント以上がライ麦というのが条件。
そこで、アメリカやカナダでは法定ぎりぎりのライ比率51%でつくられることが多いわけです。
蒸留所の原酒は3種類の樽に入り、熟成庫へ
熟成でもプレミアムな点があります。アルバータではフレーバリングウイスキーとベースウイスキーの熟成が計3種類で行われます。
フレーバリングウイスキーは2通り。
1.バーボン樽(ジムビームとメーカーズマークのファーストフィル)で最低6年以上の熟成。
2.オークの新樽で最低3年以上熟成。
3.ベースウイスキーはバーボンの古樽で通常3年間熟成。
この3種の造り分けをブレンドすることで、バーボン樽由来のバニラの甘みとスパイシー感、さらに新樽の強い木香をつけるわけですね。
一般的なライウイスキーは強いスパイシー風味が特徴ですが、アルバータプレミアムでは、最初にアルコール臭がツンときますが、飲み口そのものはまろやかで甘みがあります。
価格とレビューの評価・おいしい飲み方
1958年の発売以来、地元アルバータ州でも売り上げトップクラスのアルバータプレミアム。
アルコール度数40度・750mlで、あくまでも記事アップ日の最安値価格ですが、税込1,700円ほど。
一般的な評価からまずはマイナスポイント。「アルコール臭がキツく口に合いませんでした」という、際立ったアルコール感が気になる感想がチラホラ。さらに、味わいがライトで上品なので「思ったより味がおとなしくて残念」という強い個性を期待するレビューもあります。
支持するレビューでは「ライトで飲みやすい」「甘いバニラの香りのどこかに、梅酒のような果実の香りがする」「ストレートで口に含むうちに甘い味に変わっていきます。口の中に残らない上品な甘さ」「切れも良いし、ふくよかさもある」など。
おいしい飲み方としては、アルコール感が気になるならハイボール。また、輸入販売しているサントリーではカクテルの「アルバータ・ハニービー」を推奨しています。
アルバータ3/4、レモンジュース1/4、アルバータ産カナディアンハニー1スプーンのシェークです。
レビューでは、ロックに生のオレンジをしぼって飲んでいた方も見かけました。クセを感じるようなら、柑橘系のアレンジでお試しください。