オーヘントッシャンスリーウッドと12年との違い、特徴は
「オーヘントッシャンスリーウッド(Auchentoshan Three Wood)」の風味の特徴、12年との違い、蒸留所の歴史などをご紹介します。
「オーヘントッシャンスリーウッド」と12年との違いは年数表示のないノンエイジであること、さらに使われている樽に違いがあることです。
スリーウッド、あるいはトリプルウッドとも呼ばれる通り、計3種類の樽が使われます。バーボン樽で熟成した後にオロロソシェリー樽、さらにペドロヒメネスシェリー樽で追加熟成。
熟成期間はバーボン樽が一番長いものの、2回にわたるシェリー樽でシェリー感をしっかり出している点が大きな特徴です。
風味としてはオーヘントッシャン自体がどっしりした風味ではなく、ライトでクリアな風味なのでこのボトルではさらにシェリーが際立って感じます。
スペイサイドのウイスキーが好きな人には歓迎されますが、「ボディがやや弱めで樽負けしている」感じを受ける人もいるかもしれません。
とはいえ、重くならず、完成度の高いバランスがあるので、ブランデーやコニャックが好きな方にもいいかもしれません。
オーヘントッシャンスリーウッドの価格
オーヘントッシャンスリーウッドはアルコール度数43度・700mlで、あくまでも記事アップ日の最安値価格ですが、通販販売店では税込5,000円ほど。
定価の目安となるサントリーの希望小売価格が8,000円なので、安く購入できる銘柄です。
ちなみに、この記事を初めて紹介したのが2018年11月下旬でしたが、そのときと価格推移はなく、安定している銘柄です。
オーヘントッシャンスリーウッドのレビュー評価
一般的な評価からまずはマイナス評価を指摘する感想をあげてみます。
「欲を言えばもう少し粘度と旨味が欲しい」
「ファークラスと比べるとクリアーさに引き換えてのボディが弱すぎる」
「シェリー感が強くて甘めなので好みが分かれる」
「私には別のウイスキーを見つけるのは難しい。なぜなら、かなりの費用がかかり、他のものを買うことができないから(英国)」
支持するレビューは以下の通りです。
「シングルモルトだが、ブレンデッドのようにアロマな香りが大変素敵で私好み(女性)」
「色も濃厚で味、香り共にとても良い仕上がり」
「とても滑らかで飲みやすいウイスキー。果実味あふれる素晴らしい香り。ほとんどのスペイサイドファンにアピールするだろう(英国)」
「バーボンフレーバーがベースだが、オロロッソ樽とペドロ・ヒメネス樽によりフルーツフレーバーと美しいバラ色が移されている。明るい柑橘系のノートではなく、濃厚なダークフルーツ。甘くシロップのような粘着性のある後味(英国)」
「クリスマスケーキの焦げた縁や斑点のあるディックプディングを思い出させる。その点で私にとって他を上回っていることを意味する(英国)」
日本の愛飲家ではバーで勧められて飲んで気に入ったので購入、というパターンが多いようですね。
オーヘントッシャンの旧ボトルをお探しの方も多いので、ヤフオクも入っているオークションサイト情報を載せておきます。
オーヘントッシャン蒸留所180年の歴史
グラスゴーのクライド川沿いにある、ローランドを代表するオーヘントッシャン蒸溜所。設立は1823年とも1817年とも伝えられる、180年以上の歴史ある老舗蒸溜所です。
第二次世界大戦中の1941年3月、ドイツ空軍がクライドバンクの造船所を含むクライド川沿いの産業を目標にした「クライドバンク大空襲」を行い、蒸溜所の倉庫は被災。
オーナー交替を経て、現在はサントリーが所有
大量のウイスキーがクライド川に流れ、川は琥珀色に染まったと伝えられています。ちなみに、蒸留所の門を入ってすぐの場所に冷却水をためておく池があります。
この池も空爆によってできた穴だという言い伝えもあるようですが、池は戦前から存在しているというのが本当のようですね。
その後、無事に建物は再建され、幾度かのオーナー交替があり、1987年にモリソン・ボウモア・ディスティラーズ、さらに1994年にモリソン・ボウモアがサントリーにより買収されたことで、現在はサントリー所有となっています。
ちなみに、仕込み水として使っているのは蒸留所の北、ココノ湖の水。水源はハイランド側にあるんですね。
1回目の蒸留は1時間、2回目は5時間、3回目は9時間と手間をかけて造られます。