ベイカーズは4代目ビーム氏のレシピを継承したバーボン
「ベイカーズ7年(Baker's 7 Year Old)バーボンウイスキー」はジムビーム社で発売されている、ビーム家6代目のブッカー・ノウ氏が生み出したクラフトバーボンシリーズのひとつです。
このほかに「ノブ クリーク」「ブッカーズ」「ベイゼルヘイデン8年」があります。
「ベイカーズ」の名前の由来は以前の製造責任者、4代目マスターディスティラーの通称「ジム・ビーム」こと、ジェイムズ・ベイカー・ビーム氏。彼が考案したレシピをもとにつくられたことにちなんでいます。
先祖伝来の秘伝酵母と上段の棚が生み出す特徴
「ベイカーズ7年」の特徴のひとつはビーム一族に代々受け継がれる秘伝の酵母を用いている点。秘伝の酵母はスタンダードのジムビームにも使われています。
ベイカー・ビーム氏が大切にしていた高品質の酵母で、禁酒法時代につくったのと同じものと言われています。
もうひとつの特徴はビーム社の9段積みの貯蔵庫のうち、上段の8~9段で7年以上の熟成をさせていること。
上段にいくほど庫内の温度は高くなり、湿度は低くなります。すると、樽を通した原酒の呼吸が活発になり、熟成は早まり、アルコール度数も高まります。
同じクラフトバーボンシリーズでも違う熟成場所
ベイカーズ7年は53.5度と高い度数なので、それなりにパンチのあるフルボディタイプですが、レーズンやカラメルなどの甘い香りと、バーボン特有の新樽の香りの効いた風味が特徴です。
ちなみに、同社のクラフト・バーボン「ベイゼルヘイデン8年」は、ベイカーズとは逆に「貯蔵庫最下段」で8年以上熟成されていることでなめらかさを出しているのが興味深いところです。
1920年から1933年までの禁酒法時代はベイカー・ビーム氏がバーボンをつくれなかった辛い時代でした。
とはいえ、その時期の1927年には彼の娘の1人、マーガレットさんが名匠、フレデリック・ブッカー・ノー氏と結婚したことで、ノー一族によってビーム一族のバーボンの伝統は守られる運命となるんですね。
1933年に禁酒法が終了すると、自らの手で蒸溜所の再開に奮闘したベイカー・ビーム氏。1943年には彼に敬意を表して「オールド・タブ」から「ジムビーム」と名称が変更され、そのわずか5年後に亡くなりますが、いまもその名が消えることはありません。
テイスティングレビューと価格
ベイカーズはアルコール度数53.5度・750mlで、価格は送料入れずに4,500円(税込)前後。
一般的な評価は「フルボディタイプのコクがありながらも、柔らかさ、軽やかさがある」「濃厚な味わい」「50度を超えるアルコール度数を感じさせない」「甘さと樽の香りが芳醇」「喉の奥に残る香りが癖になる」「全体的にやわらかで飲みやすい」など、高評価のテイスティングレビューが見られます。
シガーとの相性もいいそうなので、愛好家の方はお試しくださいね。