バランタインファイネスト・味の口コミ評価や容量別価格、うまい飲み方
「バランタインファイネスト(Ballantine's Finest)」はペルノ・リカール傘下のジョージ・バランタイン&サン社が製造・販売している、ブレンデッドスコッチウイスキーです。
バランタインファイネストはスコットランドの4つの地域(ハイランド・ローランド・スペイサイド・アイラ島)でつくられたシングルモルト40種類以上がブレンドされています。
発売は1910年で、日本ではサントリーが輸入、販売しています。
バランタインのなかでも最も安い銘柄で、日本では1,000円ほどの価格ながらこのクラスのウイスキーにはなかなかない「甘味、苦味、塩味、酸味、辛味」が特徴です。
その複雑さと口当たりのやわらかさから価格以上のコスパ、というのが支持する人たちの感想の主流となっています。
とはいえ、繊細なスペイサイドモルトやすっきり爽やか系のデュワーズのようなタイプとはまったく別の方向性を持つので、辛味や塩味に抵抗を感じてまずいと感じてしまう人もいるようですね。
バランタインファイネスト50ml・200ml・700ml・1000ml・1750mlの価格
バランタインファイネストはアルコール度数40度で50ml・200ml・700ml・1000ml・1750mlがあります。今日現在の容量別の安い価格帯は以下の通り。
バランタインファイネスト・40度 |
通販販売店の安い価格帯(税込) |
50ml |
440円ほど |
200ml |
620円ほど |
700ml |
1,000円ほど |
1000ml |
1,800円ほど |
1750ml |
2,500円ほど |
レギュラーサイズの700mlは2年ほど前、初めて紹介したときとほぼ価格も変わらず安定しています。
ちなみに、サントリーのホームページで確認すると、700mlの定価の目安となる希望小売価格は1,390円(税別)。まだ安く購入できている状況ですね。
容量に比例して価格も推移しているので、大容量だからお得という銘柄でもなさそうです。
今日現在、人気のオールドボトルもまだわずかに流通していて、日本の酒税法が変わる以前の「特級」表示の正規品43度・750mlを5,000円ほどで販売しているところもありました。
バランタインファイネストのレビュー評価
バランタインファイネストの一般的なレビュー評価から、まずはマイナスを指摘する感想をあげてみます。
「クセや自己主張がない」
「どうも自分には合わない」
「のめり込むような個性がない」
「アルコール臭も強く、辛味も強い。割り材が必要」
「変な臭いがきつ過ぎて2口目を飲めない」
「塩味が突出して感じられる」
支持するレビューはまったく反対の感想となっています。
「スコッチには高級品でも苦手なものがあるが、これはクセがなくて飲みやすい」
「値段はサントリー角瓶と同じだが、雰囲気はこちらの方が上」
「バランタイン12年も美味しいですが、コスパは圧倒的にファイネスト」
「ウイスキーが苦手という方はカナダドライで割ってみてください。美味いです」
「ゴッドファーザー(カクテル)を作るときのウイスキー」
「毎晩、濃いめのオンザロックで楽しんでます」
「価格が手ごろで満足」
「ストレートで少量でも喉をさすようなことがないのでいい」
近年は原酒不足でスコッチウィスキーやジャパニーズウィスキーが値上がりしたこともあって、若いころに飲んだことのあるこの銘柄に帰ってきたという人も多いようです。
バランタイン12年や17年とは味わいは違いますが、齢を重ねてバランタインの原点を久しぶりに味わっていろんな感慨にふけるのもいいですね。
レビュー評価に出てきた「ゴッドファーザー」の作り方はこちらで解説していますので参考にしてください。
飲み方はストレート・ロック・ハイボール・ジンジャーエールやコーラ割り
低価格のウイスキーの楽しみ方はハイボールが基本ですが、バランタインファイネストは個性を楽しむためにストレートやロックで楽しむ方も多いですね。
このほかにもジンジャーエール割りで楽しむ人がいますが、たしかに日本での販売元サントリーもジンジャーエールを使ったカクテルを推奨しています。
それが「マミーテイラー(Mamie Taylor)」。19世紀末にブロードウェイで活躍していたオペラ歌手に捧げられたと言われるロングカクテル。
バランタインファイネスト45ml・フレッシュレモンジュース20ml・ジンジャーエール適量がレシピです。
このほかにスペインではコーラで割って飲むのがうまいと流行っているそうです。スペインはコーラ発祥伝説がありますね。
ジョージ・バランタイン&サン社の歴史
バランタインの歴史は1827年、19歳だったジョージ・バランタインがスコットランド・エディンバラに小さな食料品店を開いたのが始まりでした。
当時はウイスキーの密造時代が終わり、正式な認可をうけた蒸溜所が次々とオープンしている頃で、彼もワイン、ウイスキーの扱いを増やしていきます。
ブレンデッドウイスキーの手法はすでに開発されていたものの、お金儲けしか頭になかったウイスキー商や宿屋の主人たちはウイスキーに安酒を混ぜて販売しているような時代だったようです。
ジョージ・バランタインにはエディンバラでウイスキー商を営むアンドリュー・アッシャーという友人がいました。
アッシャーが熟成期間の異なるさまざまなモルトウイスキーを混ぜ合わせたヴァッテド・モルトウイスキーを製造したというのを聞いたバランタインは、自分もグレーンウイスキーとモルトウイスキーを混ぜ合わせるブレンドの技術を磨き始めます。
やがて、彼は各種のウイスキーをブレンドして、バランタイン17年の基礎となる独自のブレンデットスコッチを完成させます。
70代にさしかかる頃には優れたウイスキー・ブレンダーとしてその名を知られるようになり、取引先もイングランドから世界へと広がっていきました。
バランタインのラベルの意味とは
バランタインのボトルデザインにはいろんな意味が隠されています。V字にデザインされたラベルは「シェブロンシェイプ ラベル」と呼ばれるもの。
これは中世のシールド(盾)に由来する紋章学上、高貴とされるデザインで「保護」と「信頼できる働きを成した建築家」を意味します。
プリントされているクレスト(紋章)の中央は4分割された盾で、そこにはウイスキーづくりの4大要素が描かれているんですね。
盾の左上にはモルトウイスキーの原材料である大麦。右上は粉砕された大麦と混ぜるための清流。
左下はポットスチル(蒸溜釜)。右下は原酒を熟成させるオーク樽です。