バルヴェニー12年ダブルウッドの価格とレビュー評価
「バルヴェニー12年ダブルウッド(Balveneie 12year double wood)」はスコットランドのスペイサイド、ダフタウンにあるバルヴェニー蒸溜所(ウィリアム・グラント&サンズ社)が造っているシングルモルトウイスキーです。
バルヴェニー12年ダブルウッドはアルコール度数40度・700mlで、あくまでも記事アップ日の価格ですが、最安値は5,500円ほど。
定価の目安となる、日本での販売元サントリーの希望小売価格は税込6,050円。
ショップによっては定価並みのところもありますが、今日現在なら定価よりもやや安く購入できるようですね。
一般的な評価からまずはマイナス評価の感想をあげてみます。
「まあまあおいしいが、ウイスキーが好きな人としては香り、味ともに物足りなく感じるかも」
「アルコールの強さほとんど感じられず、苦さや硬さは弱い」
「以前の味わいがない。ボトルによって味に差がある」
支持するレビューは以下の通りです。
「フルーティな面がありながらも奥深いスコッチ」
「日本の山崎に近いかも。上質でいい」
「甘さと樽感がしっかりしているが、くどくなくゆっくり落ち着いて愉しめる」
「スコッチの中でも、山崎に近いのが一番気に入っている」
「バーボン樽由来の力強さと、シェリー樽由来の香しさが見事にマッチ」
山崎のファンが評価する味とは
濃厚な甘みの中に果実の酸味が感じられる風味で、度数ほどアルコール感が強く感じられないので、飲みやすいウイスキーです。
そのぶん、口にしたときのアタック感や辛口感、ピートのクセなどを好む人には向かないかもしれません。
レビューにもありますが、ジャパニーズウイスキー「山崎」に近い味なので、山崎が好きな人ならお気に入りとなる傾向もあります。
バルヴェニー12年は終売ではなく休売、現在は限定販売中
バルヴェニー12年ダブルウッドは2018年12月に国内在庫がなくなり、14年カリビアンカスク、17年ダブルウッドとともに一時休売となりました。
21年ポートウッドは終売となり、2019年下期以降に限定品として再発売を予定という情報でした。
その後、2019年12月3日から全国で数量限定販売。サントリーのホームページでも12年・14年・17年が無事に販売されています。
いずれにしても限定品となり、バルヴェニーの一般的な知名度が高まると価格が高騰してしまうため、安く購入できるうちに早めにキープしておきたいところですね。
バルヴェニー蒸溜所・フロアモルティングでライト麦芽を製造
バルヴェニー蒸溜所はグレンフィディック蒸溜所の創始者、ウィリアム・グラントにより1892年に創業された蒸留所です。
グレンフィディック創業の5年後、第2蒸溜所として同じ敷地内に建てられたんですね。
バルヴェニーの名は近隣に建つバルヴェニー城が由来で、ゲール語では「山の麓の集落」を意味します。
バルヴェニー蒸溜所の大きな特徴のひとつは、いまだに自社蒸留所で昔ながらのフロアーモルティングを行っていること。
フロアーモルティングは重労働なうえにコスト面の負担も大きく、自社でおこなう蒸留所が激減。
モルトスターと呼ばれる専門業者に製麦を依頼するのが一般的になりつつあります。
しかし、バルヴェニー蒸溜所では麦芽の乾燥を自社で行うことにより、ピートの香りづけを微妙に調整しながら、ライトな麦芽を製造しています。
ポットスチルのネックに特徴・バルヴェニーボール型
バルヴェニーは蒸溜につかう蒸溜釜も特徴的です。
初溜器5基、再溜器6基のポットスチルはやや大きめで、「バルヴェニーボール型」と呼ばれる独特な形をしているんですね。
長いネックの下部に球根状に膨らんだコブがあり、これによって初溜・再溜ともに蒸気の間接加熱で香りの成分をじっくり抽出できます。
そのため、豊かで重厚な原酒ができあがると言われています。
また、バーボン樽・シェリー樽・ポートワイン樽・ラム樽などの多彩な熟成樽を使ってシングルモルトを作り分けてるだけでなく、これらの組み合わせにより多彩なブレンデッドウイスキーを作れるわけですね。
バルヴェニー12年ダブルウッドはその名の通り、「熟成に2種類の樽を使っている」という意味。
最初は原酒をバーボン樽に詰めて熟成。その後、ヨーロピアンオークのシェリー樽で後熟させます。
ちなみに、隣接するグレンフィディックとバルヴェニーは原料となる大麦や酵母は同じものを使っているとか。
なのに、両者の風味違う理由のひとつは、先ほどのポットスチルの形状。
さらに、グレンフィディックが直火蒸溜に対して、こちらは間接蒸溜。
そのほかに仕込み水の違いもあります。グレンフィディックはロビーデューの泉、バルヴェニーはコンバル丘陵の数十の泉から湧き出る水を引き込んでいます。
同じ軟水でもロビーデューの水質に比べると若干硬度が高いそうです。
これらの違いにより、同じ敷地内でもまったく異なる性質のモルトウイスキーが生み出されるわけですね。