Barの意味には酒場のほかに、カウンターも含まれる
日本ではバー(Bar)というと、カウンターでカクテル、水割りなどのお酒を中心に出す店が一般的ですね。また、日本酒バーのように扱うお酒の種類で分けられることもあります。
Barの意味は西部開拓時代のアメリカに由来すると言われています。当時の酒場では樽から酒を注いで売っていましたが、お客が勝手に注いで飲まないように酒樽とお客の間にバー(棒)を置いたからとする説がひとつ。
また、乗ってきた馬を繋ぐために店の外に設置してあったバー(棒)からきているとか、横木をカウンターの下に置いたことで足がかけやすくなったことに由来するなど、諸説あります。
ちなみに、イギリスではバーはパブと呼ばれますね。英語のbarには「酒場」のほかに飲食店の「カウンター」という意味があります。
そのため、複数で店に入ると「カウンター席とテーブル席、どちらがよろしいですか?」という意味で「Would you like a seat at the bar, or at the table?」と聞かれることに。
Bar=カウンターという意味を理解していないと、ちょっととまどいそうですね。そのような場合の返答は「We'd like to sit at the bar.(カウンター席がいいです)」となります。
バーテンダーの由来と意味
バーテンダー(Bartender)という言葉は、1830年代のアメリカで生まれた「Bar」と「Tender」の合成語と言われます。
Barが客席とカウンターを隔てる手すりであり、Tenderが番人、見張り人という意味なので、当時は酒場の番人、見張り人というコワモテの意味もあったのかもしれません。
時代が進むにつれてなニュアンスが排除されたのか、「酒場の優しい管理人(または相談者)」という意味合いになってきたようです。
また、Barには止まり木の意味もあるので、人気の漫画「バーテンダー」では「優しい止まり木」と繊細に形容されています。
バーテンダーに失礼のないマナーとは
ちなみに、バーテンというように略すのはネガティブな意味を持ちます。バーとフーテンをかけた言葉になり、定職を持たぬ者という意味に。
ですから、「バーテンさん」という呼び方も失礼にあたるんですね。昭和時代の店で働いていた私も何度かそう呼ばれましたが、当時は気にしませんでした。
でも、現代で使ってしまうと失礼になりますし、まわりのお客さんの目もきびしくなるのではないでしょうか。
ちなみに、飲酒文化がアメリカより古いヨーロッパではバーマン(Barman)で呼ぶのが一般的。バーキーパー(Barkeeper)という言葉も目にします。
女性バーテンダーはなんと呼ぶ?
女性のバーテンダーの場合はバーメイド(Barmaid)とも呼ばれます。メイドの語源は「maiden(乙女、未婚の女性)」。
この言葉、実はボウリングの専門用語にも使われています。正面からは1ピンしか見えていないけれど、実はそのピンの後方にもう1ピン隠れているピンのことを言うのだとか。
由来はバーメイドはその昔、バーカウンターの後ろにいることが多かったから。なかなかおもしろいネーミングですね。
私が昭和時代にバーテンダーをやっていた頃、バーメイドはまわりにいませんでした。現代は多くのバーメイドがBarのメインで活躍されています。