バーテンダーのエプロンの名前は?
近年はオーセンティックバーがいろんな街にできて、バーテンダーもBarの個性を活かしたおしゃれをして接客していますね。
かつては、バーといえばだいたい定番ファッションに身を包むのが主流でしたが、今はヘアスタイルも含めてファッションの自由度が高いなと感じます。
ところで、最近、ある方から「バーテンダーがつけている、あの長いエプロンの名前はなんて言うの?」という質問を受けました。
私のいた店では「サロン(エプロン)」と呼んでいましたが、ほかには「ソムリエエプロン」「ギャルソンエプロン」などの呼び方があります。
エプロンとベストだけが支給されてあとは自前
私が勤めていた店はワンフロアーのパブのセンターに位置していたバーだったので、服装はバーテンダーもホールスタッフも同じでした。
店から支給されるのはサロンとベストのみ。白いワイシャツ、蝶ネクタイ、スラックス、黒靴などは自分で用意して、クリーニングは店の経費でやってくれました。
ワイシャツ、蝶ネクタイは辞めた人が置いていったり、先輩が辞めていくときにもらったりできるのですぐに調達できました。
私はおしゃれなワイシャツやスラックスを先輩からもらえたので、自分で用意したのは靴だけだったように記憶しています。
サロンは調理場のコックさんと同じ白いものを使っていました。洗い物はほとんどコックさん任せですが、グラスやシェーカーなどはバーテンダーが洗わなければなりませんから、水はね防止のために使っていました。
結び方は簡単です。カウンターに入ってサロンを腰に巻いたら、後手にして蝶々結びをするだけ。キュッと巻くと気持ちが引き締まったものです。
バーテンダーのメンズベストの由来とは?
バーテンダーがよく着ているベストは、またの名をウエストコート、あるいはカマーベスト、バックレスベストと呼ばれたりします。
もともとは英国紳士の盛夏の正装だったものをアメリカの旅行社が持ち帰り、ダンスの衣装として着こなしたことから注目されました。
バーにおいてもお客様を迎えるための最低限のフォーマルという理由から、メンズのための袖なし上着として定着したと言われます。
20才そこそこだった私は初めてベストを着たとき、機能的にできているものだなと思ったものです。胸ポケットとおなかのところにポケットがひとつ。
それだけですが、胸ポケットは伝票(いかにも昭和!)に書き込むボールペンがかけられます。また、おなかポケットにはライター。
接客中にタバコを吸う方に火をつけるのに、さっと取り出せるんですね。喫煙するすべてのお客様にやっていたわけではありませんが、向かい合って話をしているときだけはつけていました。
そして、このポケットにはいちばん大切なあるモノが隠せたんですね。それがカクテルレシピをこっそりメモした小さな手帳。滅多に出しませんでしたが、緊急時にこっそり開いていました。そのエピソードについてはまた後日書くことにします。