ビーフィーターロンドンドライジン・40度と47度の味の違いや飲み方を解説
「サントリービーフィーターロンドンドライジン(Beefeater London Dry Gin)」はイギリス・ロンドンのケニントン地区モントフォード・プレイスにあるビーフィーター社の蒸溜所で造られています。
使われているボタニカルはジュニバーベリー、セビルオレンジピール、アーモンド、オリスの根(アイリスの種類の根茎)、コリアンダーの種、アンジェリカの根、リコリス(甘草)、アンジェリカの種、レモンピール。
グレーンスピリッツをアルコール度数60%に調整したあと、ボタニカルを加えてポットスティルで24時間浸漬します。
それから7時間かけて蒸溜して、ヘッド(流出液の最初の部分)とテイル(最後の部分)はリサイクルせずにハート(中間部分)だけが瓶詰めされているんですね。
ビーフィーター40度と47度の違いとは
ビーフィーター ロンドンドライジン |
通販販売店の最安値価格(税込) |
40度・700ml |
950円前後 |
47度・750ml | 1,100円前後 |
40度・200ml | 550円前後 |
ビーフィーターロンドンドライジンのスタンダートタイプはアルコール度数40度・700mlと47度・750mlのものがあります。
40度と47度の違いは度数の違いと容量、さらに味にあるんですね。
一般的にジンやウイスキーは、原酒に水が加えられて度数調整されるため、アルコール度数の高いほうが加水が少ない分、本来のボタニカルの味わいがしっかり感じられます。
ジントニックにした場合にもトニックウォーターの風味に負けないだけの強さをもつため、ビーフィータージンを使うバーでは47度のほうが使われています。
サイズは200mlから、価格は?
アルコール度数40度・700mlと47度・750mlのほかには、40度のポケットサイズ200mlもあります。
あくまでも記事アップ日の最安値ですが、40度・700mlが950円前後、47度・750mlが1,100円前後、40度・ポケットサイズ200mlが550円前後。
価格差はあまりないので、長く飲めるメリットからも47度がお得ですが、初めてビーフィータージンを飲む人には、47度はちょっとハードルが高いかもしれません。
それはレビュー評価を見てみるとわかるんですね。
ビーフィーターロンドンドライジンのレビュー評価
ビーフィーターロンドンドライジンの一般的な評価では、40度と47度のファンがはっきり分かれているのが特徴です。
まずは、47度を強く推奨する人や40度に否定的な人のレビューです。
「アルコール度数のコストパフォーマンスもあるが、味は47度瓶の方がはるかに本物」
「特徴が薄い」
「特に可もなし不可もなし。割る素材が物を言うといった邪魔しない味」
「クセがなくて物足りない」
いっぽうで40度を支持する人にはこのようなレビューの評価が多いですね。
「ジン特有の風味が弱く、初心者にはうってつけ」
「風味が弱いというのはメリットにもなる。風味が強すぎるジンは嫌いという人も沢山います」
「本格的なジンとは言いたがたいが、クセも臭みもなく大変飲みやすい」
「飲みやすいし、カクテルにも合う」
クセのある風味を望むなら47度、家庭でアレンジして気軽に飲みたいなら40度といったところでしょうか。
40度でもちょっとクセを出したい場合には、冷蔵庫でしっかり冷やすと風味に凝縮感が出ます。
カクテルの飲み方・サントリー推奨ジントニックの作り方
廉価版のジンなので、カクテルの飲み方としては一般的にはギムレットやマティーニといったクラシックなカクテル向きではありませんね。
炭酸系から柑橘系ジュース、お茶など自分好みの割材で自由に飲むのが人気となっています。
ライムを入れたソーダ割りから、コーラ、サイダー、グレープフルーツ、オレンジジュース、オランジーナ、ハーブティー、お茶などが割材として人気なので試してみてください。
ちなみに、販売元のサントリーがおいしい飲み方として推奨しているのが、ジントニックをアレンジした肉専用サワー「ジントニ」。
47度のボトルを使って、ビーフィーター30ml、トニックウォーター150ml、レモン1/2個、コショウ8から10挽というもの。
コショウのピリッと感が肉料理にはいいですね。
ビーフィーター社の歴史
近年のクラフトジンの蒸留所ではロンドンに拠点を置いてロンドンドライジンを造る蒸留所も出てきましたが、ビーフィーターは創業以来、ロンドン市内で蒸留を続けています。
蒸留所の歴史はチェルシーにはじまり、ランべスへ移転、1958年に現在のケニントンに移っています。
ちなみに、007のジェームズ・ボンドはチェルシーに住居を構えている設定だとか。
ビーフィーター社の創業は1820年。英国南西部のデヴォン州出身の若き薬剤師、ジェームズ・バロー氏がカナダのトロントで薬局を経営して成功したことに始まります。
トロントからロンドンへ戻った彼は、古い蒸溜所「チェルシー蒸溜所(Chelsea Distillery)」を買い取り、ジン、キュラソー、チェリー・ブランデーなどのリキュールを製造しはじめたんですね。
その後、ボタニカルの配合に研究を重ね、1879年にジンで初めてセビルオレンジ(Seville Orange)のピールを使うというレシピで、柑橘系を強めにしたビーフィーター・スタイルを完成させます。
セビルオレンジはスペイン・アンダルシア州セビリアで栽培されてるので、セビリアオレンジとも言われます。
産地のスペインではエッセンシャルオイルや医薬品の材料に使われるくらいであまり消費されず、ほとんどイギリスに輸出されるそうです。
このセビルオレンジは硬い皮と苦味が特徴で、生ではとても食べられません。
でも、イギリスの朝食に欠かすことの出来ないマーマレードの素材として、イギリス文化に定着しているんですね。
ちなみに、マーマレードの由来は、スペインからセビルオレンジを積んだ船がスコットランド北東部の港ダンディで難破しかけたことが由来となりました。
貨物船の船長は積み荷にあった大量のセビルオレンジを、町で小さな食料品を営むジェームス・キーラー氏に二束三文で売ってしまいます。
買い取ったセビルオレンジをなんとかしようと、ジェームスの妻ジャネットさんはオレンジの砂糖煮を作ろうと考え、大量のオレンジを荷馬車で運ぶために一人息子のメアーさんを手伝わせようと呼びました。
そのときの「Mair,Ma lad!(メアー、私の息子よ!)」が、マーマレードの語源になったのだとか。
のちにマーマレードはイギリスの食文化として定着、輸出されて世界に知られることになりました。
ジェームズ・バロー氏はこの身近な素材である、セビルオレンジに着眼したんですね。
自分の造り出したジンをロンドンの象徴にするため、ロンドン塔のガードを務める国王衛士のニックネーム「ビーフィーター」から命名したのが語源となっています。
ビーフィーター社は現在、フランスに本社を置く世界的酒造メーカー・ペルノ・リカールの傘下。
日本ではサントリーが輸入及び国内販売権を取得して、販売しています。