ベルズスコッチオリジナルウイスキーのキーモルト
「ベルズスコッチオリジナル(Bell's)」はイギリスのアーサー・ベル&サンズ社が造っているブレンデッドウイスキーです。
イギリスでもっとも売れているスコッチのひとつで、日本ではベルズとベルの両方で紹介されています。
キーモルトの中心になっているのは、ハイランド地域のブレアソールやインチガワー、スペイサイド地域のダフタウンといった自社のウイスキー。
これらをメインとして、数十種類のウイスキーがブレンドされているんですね。
ベルズスコッチオリジナルにはユニオンジャックラベル版も
ベルズスコッチオリジナルには中身は同じの「ユニオンジャックラベル版」もあります。
以前はユニオンジャック版は価格がちょっと高かったようですが、今日現在は販売店によっては変わらない値段もありますね。
アーサー・ベルさんが真ん中に立っているのは同じデザインですが、ユニオンジャックのデザインが派手でとても目立ちます。
私も何度か購入していますが、写真で見るよりかなり派手な印象で、ちょっと目がチカチカするくらい(笑)。
ベルズの価格とレビューの評価
「ベルズスコッチオリジナル」は40度・700mlで、価格は記事アップ日の最安値で1,000円前後。
「ユニオンジャックラベル」の価格は幅がありますが、同価格帯の販売店もありますのでチェックしてみてください。
風味に関する一般的な評価からまずはマイナスを指摘する感想。「この系統の甘さが余り好みではない」「デュワーズの方がよりスッキリしてます」など。
支持するレビューには「値段の割にバランスが良い。甘さの中にも若干のスモーキーさを感じる」「甘さ控えめでちょいビターな味わい」「安価格帯でこの香りを味わえるのはうれしい」など、高評価のレビューが見られます。
記事アップ日の価格ですが、ベルズスコッチオリジナルは1,000円前後の低価格ながら、ウイスキー通の人でも比較的高い評価をする銘柄です。
個人的にもこの価格帯のブレンデッドでは好きなウイスキーですね。
少し甘いウイスキーが好みなので、私の感覚ではティーチャーズよりもスモーキーさは抑えめ、VAT69(バット69)よりも甘さが控えめで、ちょうどいい感じです。
アーサー・ベル&サンズ社の歴史
アーサー・ベル&サンズ社の前身はスコットランドのハイランドとローランドのほぼ境界線上にある街、バースで1825年に創業したトーマス・サンデマンという酒商でした。
1840年にアーサー・ベルはこの会社に紅茶とウィスキーの営業マンとして入社。1845年には共同経営者となります。
その後、それまで禁止されていたウイスキーのブレンドが可能になるとブレンディングを始め、名ブレンダーとして才能を発揮するようになります。
スコットランド各地を回り、1850年代には数種類のウィスキーをブレンドし、オリジナルブレンドが誕生します。
熟成された品質の高い原酒によるブレンドにこだわりながら、長い間ブランド名もつけず、宣伝も行わなかったとか。「品質をして語らしめる」というポリシーゆえだったんですね。
その後、彼の二人の息子が加わり、現在のアーサー・ベル&サンズ社(Arthur Bell & Sons)となります。
ベルズの名で初めて売り出したのは息子のアーサー・キンモンド(通称A.K.)の時代で、1904年に同社のスタンダード商品となる「ベル・エクストラ・スペシャル」が発売されました。
現在の赤いネック・ラベルのところにある文字「Afore ye go」のついたボトルが初めてリリースされたのが1925年。
「Afore ye go」とは聖書の「汝ら、いざ進め」という意味で、アーサー・ベルが乾杯の際によく使った言葉とされます。
ベルのウイスキーは世界大戦の際、戦地に赴く兵士たちにも届けられました。また、ウエディングベルを連想させることから、イギリスでは結婚式などの門出を祝うお酒としても知られています。
同社のキャッチフレーズでは「旅立ちの前に」という現代的な解釈で使われます。
その後、アメリカの禁酒法が終わった1933年。同社はハイランド地方のブレアソール蒸溜所、スペイサイドのダフタウン蒸溜所、1936年にはスペイサイドのインチガワー蒸溜所を買収します。
1985年にはスコッチ業界最大手のモンスター企業と呼ばれるディアジオ社(当時のユナイテッドディスティラーズ&ヴィントナーズ社)に買収されますが、変更もなく、伝統のレシピは守られているんですね。
ベルズの種類には8年・12年・20年の陶器ボトルも
ベルズの種類には8年・12年・20年やダイアナ妃結婚記念ボトルなど、ベル型の陶器ボトルがいくつか販売されています。
カラーもデザインも違い、インテリアにも映えるので贈り物やプレゼントにもおすすめです。
ちなみに、古酒の陶器ボトルを空けたらほかのウイスキーを詰めてしばらくおいておくと、風味が移ってちょっとおいしくなります。