ボルスバレルエイジドジュネヴァ・定番との違いは樽熟成
ボルスバレルエイジド ジュネヴァ(Bols Barrel Aged Genever)」はオランダ・アムステルダムに蒸溜所をかまえるボルス(BOLS)社が製造しているジンです。
同社のスタンダード「ボルスジュネヴァ」との違いは、原酒そのものはボルスジュネヴァを使っているので同じですが、樽熟成された限定品であることです。
使われているのは、フランス・リムーザン(Limousin)地方のリムーザンオーク(コモンオーク)の若木を使ったオーク樽。
プレミアムワインやブランデーに使われる高級樽で熟成
古くからプレミアムワインやブランデーに使われてきた高級品で、約200~260年のものを加工し、主にコニャックの樽として使用されています。
タンニン、ポリフェノール類に富み、バニリン(バニラの香りの主要な成分)やオークラクトン(甘い香気の一種)が少ないのが特徴です。
このリムーザンオークの樽に18ヶ月以上熟成させるため、これらの成分が溶け出して淡い琥珀色をしています。リムーザンオーク独特の風味が楽しめるわけですね。
ボルスバレルエイジドジュネヴァはアルコール度数42度・1000mlで、今日現在の最安値は5,000円前後。
定番と1,000円以上の差がありますが、高級樽熟成のコストでしょうか。なかなか飲めるものではないだけに貴重です。
本場オランダ・アムステルダム蒸溜のお酒
ボルス社では2007年にコニャック同様、AOC(原産地呼称)を獲得しています。
AOCとはAppellation d'Origine Controlee (アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ)の略称で、日本語では原産地呼称(げんさんちこしょう)。
原料の種類・品種や産地、栽培・飼育に関わる条件、製法等の要件も法で規定され、特定地域の地理的環境や風土に由来する、すぐれた特質の製品であることを国が保証するものです。
フランスでは原産地呼称委員会INAO(Institut National des Appellations d'Origine)が管理していて、AOCの基準を満たさないものは法律で製品を製造・販売できないことになっているんですね。
1905年の「原料の偽装を取り締まる法律」、1919年の「原産地保護に関する法律」などから始まり、改訂されてきたものです。
オランダジンは2008年にAOCに認定され、オランダとその一部周辺地区で生産されるスピリッツしか、「ジュネヴァ」を称することができなくなっています。
「ボルスジュネヴァ」は法律でも認められた、正真正銘のメイド・イン・アムステルダムということなんですね。