ボウモア12年の350ml・700ml、アイラモルトの定価と価格
「ボウモア12年(Bowmore 12Years)」はスコットランドのアイラ島にあるボウモア蒸溜所が造っているシングルモルトウイスキーです。
1994年にサントリーが完全子会社化してオーナーとなっています。ボウモア12年はアルコール度数40度で700mlと350mlハーフボトルがあります。
販売しているサントリーのホームページを見ると、定価の目安となる希望小売価格は700mlで税込4,840円、350mlで税込2,860円。
通販の相場価格では700mlの価格(記事をアップした2021年4月29日の時点)で税込3,200円ほど、350mlが税込2,300円ほど。定価よりも安く購入できる銘柄ですね。
ボウモア12年 40度 |
希望小売価格(税込) (2021年4月29日の時点) |
通販販売店の価格(税込) (2021年4月29日の時点) |
350ml |
2,860円 |
2,300円ほど |
700ml |
4,840円 | 3,200円ほど |
とはいえ、このサイトで初めてボウモア12年を紹介したのが、2019年1月下旬。その時の700mlの価格は2,600円ほどだったので、価格推移としては値上がり傾向にあります。
ボウモア12年ウイスキー・風味や樽感のテイスティングノート
あくまでも私流ですが、ボウモア12年のテイスティングノートを紹介します。
私もボウモアよりスモーキーなアイラモルトを飲むために、全体的な評価はやはりアイラモルトにしてはとてもマイルドと言えます。
開栓すると、アイラモルト特有のピート香がしますが、アードベックやラフロイグよりもやわらかいですね。
ストレートでは最初のピート香に続いて、甘味と辛味のバランスの良さを感じますが、アルコールの辛味の印象は強めです。複雑な後味はあまり感じません。
強めのアルコール感は繊細であり、バーボン樽由来のキレの良さがありますが、ラフロイグのような男性的なものではありません。
よく言われるように女性的で、ピート香・果実感の甘味・樽の辛味のバランスはマイルドなので飲みやすくなっています。
ハイボールにしてもピート感は残り、味わいも飛ばずに保っています。味わいは持続するので飲み続けられます。
ボウモア12年・おいしい飲み方やおつまみは?
とはいえ、個人的には体調によって物足りないと感じる日もあります。今日はスモーキー強めで飲みたいなという日にはタリスカー、ラフロイグ。
お手頃価格で済ませるならジョニーウォーカーダブルブラックあたりに手が伸びてしまいますね。
これはボウモア12年の上品さゆえに起きてしまうこと。このあたりがアイラモルト好きには個性が弱いと感じられてしまうのでしょう。
いずれにしても、常備しておいても間違いのないお酒であることは言うまでもありません。
おいしい飲み方の基本はストレートやロックのほうが持ち味を楽しめます。ハイボールなら濃いめがおすすめです。
おつまみは食事中なら牡蠣やスモークサーモンのような海鮮系。食後ならナッツ、甘いものが好きな方はチョコレートでしょうか。個人的にはビターチョコにしますね。
ボウモア12年シングルモルト・風味のレビュー評価
一般的な評価からまずはマイナス評価を指摘する感想をあげてみます。
「アードベッグ、カリラを購入、比較しながら飲んだので、前者は強烈な個性、後者は上品さ。ボウモアの特徴は技のないことかも。印象が薄い」
「香りも味もいいが、ラフロイグと一緒に飲むと大人しく感じる」
「まとまった味わいで美味い。ただし、記憶に残り難い。シングルモルトであれば、良くも悪くも少し個性が強いほうが記憶に残る」
「煙たいのが好きな人には良いが、ノンピート派にはお勧めしない」
「アイラウィスキーとそれに伴うピートフレーバーが好き。しかし、ボウモア12年のフィニッシュは非常に短く、わずかに工業的な味わいを感じる。柑橘と蜂蜜も感じない(英国)」
「アイラモルトの特徴に準拠しながら、攻撃的ではない。人工的な甘さが私は少し不快(英国)」
支持するレビューは以下の通りです。
「正露丸臭、ピート香は飲んでいれば慣れる。そのうち、最初の一撃に惑わされず、アイラの優しい味にハマる」
「スモーキーに染まった体は、アイラからは逃れられない。このクセに慣れた妻も率先して晩酌に付き合うようのなった。私はロック、妻は炭酸割り」
「落ち着いて深みがあり、美味しい。グラスについだ香り、口に含んだ時の香り、飲み込んだ時の香りを楽しめる」
「最初に感じる蜂蜜と果実が、煙の複雑な暖かさに服従しはじめる。仕上がりは長持ちする(英国)」
「アイラモルトらしく煙が支配的だが、中程度のレベル。チョコレートとリコリスの香りがする甘さ。フルーティーなアロマ。仕上げはすっきりしたオーク。非常に丸いウイスキーで初心者には間違いなく適している(ドイツ)」
「スモーキーでスムーズなスタート。ソフトなフルーツフィニッシュ。価格もかなり良い(ドイツ)」
アイラモルト通の方からは「パンチ力の低さ」が指摘されがちで、アイラの個性にこだわるならこれを選ばないとされがちですね。
とはいえ、ボウモア12年は初心者から飲み慣れた方まで、まさにアイラモルトの中間的な存在として、飲む人を選ばないシングルモルト。
ファンが多いために、売れているシングルモルトウイスキーなんですね。
ボウモア12年は2017年にリニューアル・旧ボトルは?
ボウモア12年の現行品は2017年にリニューアルしてラベルが変わりました。
旧ボトルはリニューアル直前のものと同じボトルですが、もっと前のオールドボトルになるとなで型のボトルになっています。
旧ボトルは現行品よりも辛味が少なく、熟成感を高く感じる傾向があると人気です。2017年直前のものなら酒屋さんによっては現行品と同じ価格帯で見つかる可能性もあります。
ちなみに、通販販売店によっては旧ボトルの画像を表示したまま「お届けは新ボトルで」と書いてあったりするので、画像や表示はしっかり確認するようにしてくださいね。
風味の特徴・伝統のフロアモルティングと海に面した貯蔵庫
ボウモア蒸溜所は1779年にデビッド・シンプソンによってアイラ島で最初に作られた蒸留所で、スコットランドでも一、二とされる古い歴史を誇っています。
ボウモア蒸溜所といえば、スコットランドで古くから行われてきたフロアモルティングの伝統を守り続ける蒸溜所として有名ですね。
フロアモルティングで手間をかけてじっくりと発芽させた麦芽を、潮の風味が効いたピート(泥炭)で炊いて乾燥させることで、上品でスモーキーなフレーバーが造られます。
ボウモア(Bowmore)とは「大きな岩礁」の意味があり、その名のとおり、蒸留所は海にうかぶ岩礁のように海沿いに位置しているんですね。
貯蔵庫も海に面しているため、長い年月をかけて貯蔵される原酒の樽が潮の香りを呼吸することで、ボウモア固有の香味が育まれます。
ボウモア12年で主体となる樽はホワイトオークのバーボン樽とスパニッシュオークのシェリー樽の2種。バーボン樽70%、シェリー樽30%の比率です。
潮の香りの個性を持ちながら、すっきりとした飲みやすさも併せ持つため、アイラモルトの女王と呼ばれてきました。
銘柄の種類には「15年ダーケスト」「18年」「25年」やバーボン樽熟成100%の「ナンバーワン」などがあります。