「ボウモア15年ダーケスト(Bowmore 15 Years Old Darkest)」はスコットランドのアイラ島にあるビームサントリー傘下のボウモア蒸溜所(Bowmore Distillery)が造っているシングルモルトウイスキーです。
ダーケストの名前通り、濃い色調が特徴。バーボン樽で12年間熟成させた原酒をオロロソシェリー樽で3年間熟成させています。
ここでオロロソシェリー樽について解説します。シェリー酒はスペイン・アンダルシア州カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラとその周辺地域で生産されます。
別名、酒精強化(しゅせいきょうか)ワインと呼ばれるのは、醸造過程でアルコール(酒精)を添加して度数を高めているからなんですね。
栽培品種はフィノ、オロロソ、アモンティリャード、ペドロヒメネス、マンサニージャがあります。
かって大量のシェリーが英国へ樽で輸出されていた時代は、ウイスキーのブレンダーはこの使用済みの樽をウイスキーの熟成に使用していました。
しかし、現在は良質のシェリー樽の安定確保が困難になったため、ウイスキーの蒸溜所や製造会社が樽会社から新樽を購入しています。
スペイン・ヘレスのボデガ(ワインの醸造・熟成をおこなう企業)に委託して、シーズニングのあとに引き取ってウイスキーを詰めるケースが多いんですね。熟成ではなくシーズニングと呼ぶところにちょっと事情があります(笑)。
細かなことはともかく、シェリー樽にも種類によってフィノシェリー樽・オロロソシェリー樽・ペドロヒメネスシェリー樽などいろいろあり、原酒に及ぼす熟成の影響も大きく異なります。
「オロロソ」は酸化熟成した辛口ワインで、規定アルコール度数が17から22%。白葡萄から作られる白ワインですが、琥珀色からマホガニー色をしています。
スペイン語で「匂い」を意味する「オロール」に由来していて、クルミ、ナッツを思わせる華やかな香り高さが特徴。スペインで愛されるフルボディのワインです。
そのオロロソシェリー樽で3年間熟成させている「ボウモア15年ダーケスト」。アイラモルトならでは正露丸に似たピートの香りがありますが、オロロソシェリーの甘い香りと調和して、ボウモア12年よりクセのないバランスに仕上がっています。
今日現在の最安値価格で6,000円くらい。一般的な評価では「香りが上品・余韻が素晴らしい」「18年と比べても引けをとらない」といったレビューが並びます。
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