ブッシュミルズオリジナル・アイリッシュおすすめウイスキー
「ブッシュミルズ(Bushmills)」は北アイルランド東北部のアントリム州にあるブッシュミルズ蒸溜所が造っているアイリッシュウイスキーです。
ブッシュミルズとは蒸留所のある街の名前が由来で、その意味はこの地を流れるブッシュ川(Bush River)と、17世紀初めにここに建てられた大きな水車場=ウォーターミル(Water mill)からきています。
同蒸留所ではシングルモルトも販売していますが、初めて飲む方におすすめといえば、一番価格が手頃なスタンダードの「ブッシュミルズオリジナル・トリプルディスティルド」。
白ラベルが目印のブレンデッドウイスキーです。
蒸留所の製造法・原料選びとポットスチルに特徴
オールドブッシュミルズ蒸溜所では、原料である穀物処理からボトリングまでの全工程を蒸溜所で一貫して行っています。
ウイスキーを軽く仕上げるためにはいくつかの手段がありますが、そのひとつがネックの長いポットスチルを使うこと。そのこだわりからここでは細長い小型のものが使われているんですね。
アイリッシュウイスキーといえば、未発芽の大麦と麦芽の両方を原料に使用し、3回蒸溜をおこなうのが特徴です。
しかし、ブッシュミルズでは伝統の3回蒸溜を守りつつ、未発芽の麦を使わないため、軽快で繊細な甘みを出すノンピート麦芽100%のモルト原酒をつくっています。
この原酒と軽やかなグレーン原酒をブレンドすることで、やさしい甘さも感じられる味わいになっています。
ブッシュミルズオリジナルの価格とレビューの評価
一般的な評価からまずはマイナスを指摘する感想。「個人的にはジェムソン・タラモア・デューの方が飲みやすくて好き」「フレッシュな果実という紹介文はありますが、特段フルーティな風味でもなくウィスキーとしてオーソドックスな香りと味」「シングルモルトに近い感じなので、ハイボールで薄めてしまうと少々表情が乏しくなります」など。
支持するレビューでは「少量ずつ舌で味わい、鼻に抜ける香りを楽しむウイスキー」「女性でも飲みやすいウィスキー」「香りが良いのでロールケーキのクリームに使用しています」「バニラアイスにかけて食べると最高」「飲みやすさを重視なさる方に特にオススメ」などの感想が見られます。
おいしい飲み方としては、喉が乾いているときのハイボールもいいですが、口当たりがマイルドだけに、みなさんのようにストレートや濃い目のロックをゆっくり味わうというのもいいと思います。
ブッシュミルズの赤こと、レッドブッシュとは?
ブッシュミルズのブレンデッドにはオリジナルのほかに、別記事でも取り上げているブラックブッシュ、そして赤こと「レッドブッシュ(40度・700ml)」があります。
ブラックブッシュもレッドブッシュもオリジナルの上位版ですが、数百円の差で見つかることも多いのでお買い得です。
ブラックブッシュはオロロソシェリー樽とバーボン樽で最長7年熟成させたモルト原酒を使っているのに対して、レッドブッシュはバーボン樽だけで熟成させた原酒のみを使用というのが特徴なんですね。
日本にはあまり入っていない貴重な種類なので価格は高めですが、タイミングがいいと並行輸入品で1,700円くらいの激安価格で購入できることもあるのでチェックしてみてください。
ブッシュミルズ蒸溜所の歴史
ブッシュミルズ蒸溜所は世界で最も古く、1608年に製造免許を受けたと言われていますが、当時からこの地に蒸留所があったわけではありません。
1608年は当時、この地方を治めていた総督のトーマス・フィリップスが、アイルランド王のジェームズ1世から蒸溜酒の製造ライセンスを与えられて、その権利を統治下の住民に再交付した年。
オールドブッシュミルズ蒸溜所が公式に登録されたのは、この土地を開発していたヒュー・アンダーソンによるもので、1784年なんですね。
つまり、1608年というのは蒸溜所でなく、町全体における蒸溜酒づくりが始まったという歴史的背景を表した年なんですね。
蒸留所の近くを流れるブッシュ川はブッシュミルズを通って、隣町のポートボールリントレから大西洋に流れ込んでいます。
かつては、この地で川の水量を活かして複数の製粉所が水車を使っていました。
この町の北2kmに位置する海岸線には、火山活動で生まれた4万もの玄武岩の柱状奇岩が連なる地域「ジャイアンツ・コーズウェイ」があることでも知られています。