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カナダドライジンジャーエール・原点はドライで華やかなシャンパン

「カナダドライジンジャーエール(Canada Dry Ginger Ale)」は米国テキサス州に本社を置く、ドクターペッパー・スナップル・グループが保有するソフトドリンクのブランドです。

 

日本で販売権を取得している日本コカ・コーラ社によると、カナダドライの創業者は19世紀末のカナダでソーダ水工場を経営していたジョン・J・マクローリン。

 

彼はカナダ・オンタリオ州エニスキレン(Enniskillen)出身の薬剤師で化学者。ちなみに、お父さんはのちにゼネラルモーターズ傘下に入る、マクローリン自動車の創業者で彼はその長男。理系の家系なんですね。

 

Champagne シャンパン
Champagne シャンパン

ニューヨーク・ブルックリンのソーダ工場で働いた経験を活かして、1890年にカナダ・トロントで工場を設立しています。

 

ジョン・J・マクローリンが当時、ソーダファウンテンで販売していたジンジャーを原材料にしたソーダ水がその始まりだったそうですが、最初はまだ色が濃く、味も甘いものだったとか。

 

ちなみに、ソーダファウンテン(Soda fountain)とは、レストラン、ファストフード店、コンビニエンスストアなどで利用される、清涼飲料水用のディスペンサーやその設備のある店舗をさします。

現代ではファミリーレストランで好きな飲み物をセルフサービスで注ぐディスペンサーがありますが、この設備が登場する以前の19世紀から20世紀中頃までは、軽食堂形式でお店の人が注ぐために人々の社交場になっていました。

 

その後、彼が休暇で訪れたフランスで転機がやってきます。買い込んだシャンパンのドライな味わいと、洗練された華やかな色にすっかり魅了されます。

 

帰国後、トロントの工場で研究と改良を重ねた結果、1904年に「アルコールの入っていないシャンパン」として、ジンジャーエールを完成させました。

 

 

「カナダドライジンジャーエール(Canada Dry Ginger Ale)」はその後、ニューヨークへ出荷されて人気となり、1921年にはマンハッタンに米国初の工場を開設。

 

その後、マクローリン家から経営はCanada Dry Ginger Ale Inc.へ、さらにドクターペッパー・スナップル・グループ傘下のキャドバリー・シュウェップス社に移ります。

 

禁酒法時代には、当時の雑味の多いお酒の味をカバーするためのミキサーとして人気が高まり、時を経て世界に拡大。日本では1957年に販売が開始され、1990年以後は日本コカ・コーラが販売権を取得しています。

 

 

「カナダドライジンジャーエール」は2017年2月13日からリニューアル販売されています。ジンジャーエキスをブレンドしてよりドライになり、パッケージデザインも新しくなりました。

 

リニューアル以降の原材料・成分は果糖ぶどう糖液糖、ジンジャーエキス/炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)。100ml当りのカロリーは36kcalとなっています。

 

207mlのリターナブル瓶もあります。瓶はレトロな雰囲気を味わいながら楽しめます。