サントリー知多の定価と価格推移は?評価や美味しいハイボールの飲み方
「サントリーウイスキー知多(Suntory Whisky Chita)」の評価、350ml終売前からの価格推移、700mlはどうなるのか、そのほかに定価や美味しい知多ハイボールの飲み方について紹介します。
「サントリーウイスキー知多」はサントリー知多蒸溜所のグレーンウイスキーをブレンドしてつくられているノンエイジ(NAS)のシングルグレーンウイスキーです。
2019年3月31日から「知多350ml・アルコール度数43度」が終売(正確には休売)となりました。
人気の「山崎」や「白州」が出荷調整となり、飲食店用のハイボールに代替ウイスキーとして採用された知多でしたが、とうとう知多700ml・43度も出荷調整に入ることに。
主力商品である700mlに重点が置かれた結果、350mlが休売となったわけですね。
今後、700mlも入手困難になるのではないか、値上がりするのではないかという心配もありますが、実際に価格推移がどのようになっているのか、紹介しましょう。
定価と2018年12月上旬からの価格推移
通販販売店の
相場価格(税込) |
定価 (希望小売価格) |
2018年 12月上旬の価格 |
2020年8月19日 時点の価格 |
ウイスキー知多 (43度・700ml) |
税別3,800円 | 税込3,500円ほど | 税込3,600円ほど |
(350ml) |
税別1,900円 | 税込2,000円ほど | 在庫なし |
(180ml) |
税別1,030円 | 税込1,600円ほど | 税込1,600円ほど |
このサイトで初めて「サントリーウイスキー知多」を取り上げたのが、350ml休売前の2018年12月上旬。そこからの価格推移です。
発売されたばかりの2015年9月の時点での知多700mlの定価の目安となる希望小売価格は、サントリーのホームページによれば税別3,800円。
また、350mlは税別1,900円、180mlは税別1,030円でした。
2018年12月上旬には700mlが税込3,500円前後で購入できましたが、現在はちょっと値上がりして安い販売店で税込3,600円ほど。実はそれほど高騰しているわけではないんですね。
通販では350mlはすでに見当たりませんが、ミニボトル180ml・43度は在庫があります。こちらは税込1,600円前後と、ここ数年の価格推移に変化はありません。
ミニボトル180mlは山崎や白州とセットで購入しやすく、プレゼントやギフトにも人気があります。
ウイスキーの原酒不足から価格が高騰するブランドが多いなか、「サントリーウイスキー知多」はまだ価格が落ち着いています。
ただし、現在は販売店によって価格に開きが出始めているので、高騰前の現象と言えなくもなく要注意といったところでしょう。心配な方はストックをおすすめします。
ウイスキー知多・風味の特徴は原料と樽の個性
ウイスキー知多はもともと愛知県内やサントリーオンラインショップで「知多蒸溜所特製グレーン」として限定販売されていたのが好評で、全国発売され人気になりました。
ちなみに、サントリーウイスキー知多のラベル表記には「原材料・成分 グレーン、モルト」となっています。
グレーンウイスキーのブレンドのはずなのに、なぜモルトの表示なのか。これはモルトウイスキーがブレンドされているわけではないんですね。
素材となるトウモロコシやライ麦、小麦などの穀物(グレーン)に大麦麦芽(モルト)を少量添加して糖化・発酵させているという製造法のために、このような表記になっているようです。
原酒のつくり分けと貯蔵樽の豊富さ
知多蒸溜所はサントリー響、オールド、角などのブレンド用グレーンを40年以上造りつづけてきました。
近年ではシングルグレーンウイスキー単独での販売も視野に入れて、蒸留塔を使い分けるようになり、世界にも類を見ないクリーン、ミディアム、ヘビーの3タイプのグレーン原酒のつくり分けをしています。
これらの原酒をホワイトオーク樽・スパニッシュオーク樽・ワイン樽などで熟成させ、約10種類のグレーン原酒がブレンドされているとか。
このシングルグレーンを完成させるまでに数十年という年月が費やされたという、まさに知多蒸留所オリジナルのシングルグレーンなんですね。
知多の美味しい飲み方・知多ハイボールとは
知多と白州との違いは、白州がシングルモルトウイスキーならではのミント感、果実の甘味や酸味、微妙なスモーキーさが感じられるのにたいして、知多は樽の香りとほのかな甘みが特徴です。
そのため、知多を白州と同じ感覚で飲むと「あれ?」ということになります。
あくまでもシングルグレーンウイスキーであるという前提を踏まえて飲んだほうが納得できるでしょう。
知多の個性を活かすために、サントリーが推奨しているのが「風香るハイボール」。
レシピではグラスに氷を入れたら「知多1・ソーダ3.5」の割合で注ぎ、炭酸ガスが逃げないようにマドラーでタテに一回まぜる方法が紹介されています。
実際に知多ハイボールはできるだけ炭酸が強いまま飲んだほうがおいしく感じるので、自宅で飲むなら強炭酸のソーダがいいですね。
キレが良くなって、甘みが余韻として残りやすくなります。
サントリーウイスキー知多の口コミ評価
サントリーウイスキー知多の一般的な評価からまずはマイナス評価を指摘する感想をあげてみます。
「ストレートではかなり刺激が強く、匂いがきつい。ロックでもあまり変わらず。ハイボール以外ではおすすめはしない」
「軽飲み、または初心者向け」
「余市・宮城峡とほぼ同じ値段なら、余市・宮城峡のほうが旨い」
「価格からいえば及第点」
支持するレビューは以下の通りです。
「ハイボールの主張がうるさくない。バーボンのような癖はなく、穏やかな乙類焼酎のよう」
「口当たりもよく香りも抑えめで、とても飲みやすい。食事に合わせるにはちょうど良い感じのウィスキー」
「甘すぎず辛すぎず、口当たりがよく飲みやすかった」
「ストレートで飲んでも美味い」
「オーク樽の新樽の香りが好きな私はとてもはまりました」
「一般的なシングルモルトにはない軽やかな口当たりと後味に甘みを感じる」
「マイルドな風味で大変飲みやすいウイスキー」
知多の個性は、モルト感の強いウイスキー、ピートのきいたウイスキーが好みの人からは物足りなく感じてしまうという面があるのも事実です。
好みが違うかもという方はミニボトル180mlで試してみることをおすすめします。
愛知県知多半島の知多蒸溜所、工場見学はできる?
知多蒸留所はサントリーが国内に所有する3つの蒸溜所のひとつで、とうもろこしを主原料にしたグレーンウイスキーを製造しています。
知多蒸溜所のある場所は愛知県知多半島の知多市北浜町。工場見学を希望する方も多いんですが、残念ながらサングレイン知多蒸留所は一般公開はしていないんですね。
基本的にサントリーに深い関りのある方からの応募だけとなっているので、そのような方に頼んで工場見学を予約する、同伴するという方法があるようです。
グレーンウイスキーの原料、ブレンデッドとの関係とは
ご存じの方も多いですが、ウイスキーの原酒にはモルトウイスキーとグレーンウイスキーの2種類があります。
モルトウイスキーは大麦の麦芽を発酵させ、単式蒸溜器で2回、あるいは3回蒸溜してつくられます。
このときの麦芽や設備の種類、仕込み水、貯蔵場所などによって蒸留所ごとの個性が強く出ます。
グレーンウイスキーはトウモロコシ、小麦などの穀類と麦芽を原料として発酵させ、連続式蒸溜機で蒸溜したもの。
モルトと同じく樽で熟成されますが、風味が軽く、あまり個性がないのが特徴です。
ウイスキーの主流であるブレンデッドウイスキーは、この両者を組み合わせることでおだやかな特性をもつグレーンでモルトの長所を引き出し、香味豊かに仕上げていく狙いがあるんですね。
グレーンウイスキーはもともとあまり単体で飲まれませんでしたが、ニッカのカフェグレーン、サントリー知多など、長期熟成を行った個性的な銘柄が登場するようになりました。
ちなみに、サントリーでは「山崎 焙煎樽熟成梅酒」を販売していますが、梅酒を熟成させた樽で後熟させたグレーンウイスキーを梅酒に追加して味に厚みをつけ、甘みを抑えた個性となっています。