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シーバスリーガルミズナラ12年 定番との違いや風味の一般評価とは

シーバスリーガルミズナラ12年とスタンダードの違い

「シーバスリーガル12年ミズナラスペシャルエディション(Chivas Regal Mizunara 12 Years Old)」はシーバス・ブラザーズ社(ペルノ・リカール社傘下)が造っているブレンデッドウイスキーです。

 

スタンダード「シーバスリーガル12年」とミズナラ12年の違いのひとつは、12年以上熟成したシングルモルトとグレーンウイスキーが日本人の味覚に合ったレシピでブレンドされていること。

 

さらに、最終段階でブレンドの一部を日本原産のオーク材であるミズナラの樽で一定期間樽で寝かせていることです。

 

mizunara ミズナラ
mizunara ミズナラ

ミズナラ樽で熟成されたウイスキーでは、国産のサントリー「山崎」「響」が知られていますが、近年はスコッチの一部でも使用されるようになってきていますね。

両者は別物だけにシーバスファンでは評価も分かれがち

風味の違いでは、定番の12年が蜂蜜、紅茶、花の香り、ミントなどの風味のバランスが評価されるのにたいして、ミズナラ12年はまろやかさと濃厚な甘みが特徴です。

 

ミズナラ樽からのウッディな香りはそれほど強く主張せず、やわらかい香りといった程度にとどまっています。

 

実際に欧州市場には出回らない、日本限定スコッチなので支持率は高いいっぽうで、通の方からの「つい、ひと言」もチラホラというウイスキー。

価格に関する一般の感想

銘柄

2020年9月15日現在の

通販最安値価格(税込)

 シーバスリーガル12年

(40度・700ml)

2,200円ほど

12年ミズナラエディション

(40度・350ml)

2,200円ほど

 12年ミズナラエディション

(40度・700ml)

3,300円ほど

シーバスリーガルミズナラ12年はアルコール度数40度で350mlのミニボトルと700mlがあり、記事をアップした2020年9月15日の時点での最安値(税込)は350mlが2,200円ほど、700mlが3,300円ほど。

 

スタンダードのシーバスリーガル12年は40度・700mlで2,200円ほどなので、約1,000円の価格差。両者をどう評価するかは個人差があるようです。

 

また、ブレンデッドウイスキーで3,000円台となると通常、評価はきびしめになりがちです。

 

このクラスでは名のあるシングルモルトもあり、これらのブランドと肩を並べて比較されるからなんですね。

 

ちなみに、最初にこの記事を紹介したのが2019年の4月でしたが、シーバスリーガルのレギュラーボトル、ミズナラともに価格推移で大きな変動はなく、現在もほぼ変わらない価格を維持しています。

 

Strathisla Distillery ストラスアイラ蒸溜所
Strathisla Distillery ストラスアイラ蒸溜所

「芳醇でさわやか」風味はスコッチ好きには「軽い」?

一般的な評価からまずはマイナスポイント。さすがに、このクラスではまずいという批判はありませんが、シーバスファンでは賛否が分かれがちに。

 

シーバスリーガル12年の尖った味わいやインパクトが好きな方からすれば、ミズナラ12年は香りはいいのですが、主張が弱い、インパクトに欠ける、リーガルらしくない味といった印象を受けるようです。

 

それが「余韻が少し甘すぎる」「ワイルドターキーフロムザバレルなど、度数が高く、芯の強い銘柄を好む方には物足りないのでは」「荒削り感がなく少々物足りない」「従来のシーバスよりも軽い感じ。スコッチ好きには物足りない感じ」といった感想になるわけですね。

とはいえ、支持するレビューではまさにそれが飲みやすさにつながっているわけで、「飲みやすくて甘いウイスキー」「普通のシーバスと比較すると、味の深みがある」「香りとアルコールの強さのバランスが取れていてお勧めできるウィスキー」「口当たりが非常に良く、ミズナラの香りが素晴らしい」といった高評価につながっています。初心者受けがいいのも特徴です。

 

おいしい飲み方では、ストレートやロックが多いようですが、濃いめのハイボールも香りが立って楽しめると思います。

 

この爽やかな風味なら、サラダにアボカドと茹でたエビを載せたおつまみでさっぱりいただくのもいいですよ。

 

ちなみに、同じミズナラ樽を使った銘柄に、ジャパニーズウイスキーの「イチローズモルトミズナラウッドリザーブMWRリーフラベル(Ichiro's Malt Mizunara Wood Reserve Leaf Label)」があります。

Aberdeen シーバスリーガル発祥の地、スコットランド・アバディーン
Aberdeen シーバスリーガル発祥の地、スコットランド・アバディーン

シーバスリーガルの歴史

シーバス・ブラザーズ社は1801年、シーバス兄弟がスコットランドのアバディーンにコーヒーやブランデーなどの高価な食品を販売する商店を開いたのが発祥です。

 

1850年代に入ると品質の高いウイスキーへの需要に応え、ブレンデッドウイスキーの製造を開始。1900年代初頭からはアメリカに輸出をはじめて、有名ブランドに成長します。

 

1950年にはハイランド地域最古の歴史を持つ、シングルモルト「ストラスアイラ」を造っているストラスアイラ蒸溜所(Strathisla Distillery)を購入。

 

現在でもストラスアイラはシーバスリーガルのキーモルトの中核として使われているため、「Home of Chivas」とも称されます。

 

そのほかのキーモルトとしては「ザ・グレンリベット」グレングラント「ロングモーン」などがブレンドされています。

 

最高級クラスのスコッチウイスキー「ロイヤルサルート」のブレンド用にも使われているストラスアイラですが、ペルノ・リカール・ジャパンのシングルモルト「ストラスアイラ12年」が終売と発表されました。

 

メーカー在庫はすでに完売(泣)。かろうじてボトラー系の在庫はまだあります。