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クラウンローヤル 世界評価のカナディアンウイスキー、日本の口コミは

クラウンローヤルは世界で愛飲されるカナディアンウイスキー

「クラウンローヤル(Crown Royal)」はカナダのマニトバ州のギニリ蒸留所で製造されているカナディアンウイスキーです。

 

日本でカナディアンウイスキーと言えば「カナディアンクラブ」が知られていますが、実は世界各国で愛飲されているプレミアムカナディアンといえば「クラウンローヤル」なんですね。

 

ローヤルの名の通り、このブランドは歴史的な出来事に関連しています。そこでちょっとだけカナダの歴史を解説します。

 

カナダは17世紀初めにフランス人がセントローレンス川流域に入植したのが始まりですが、1763年にイギリス領となり、国家元首はイギリス国王となりました。

 

Ontario オンタリオ州
Ontario オンタリオ州

 

ラ・サール蒸溜所の創業はイギリス領になる少し前の1857年。その10年後、1867年にカナダは自治領となり、その後もイギリス連邦の一員にとどまります。

 

同蒸溜所は1928年にカナダの酒造メーカーのシーグラム社に買収されますが、それから少しあとの1939年のこと。ちょうど第2次世界大戦(1939年から1945年)が始まった年です。

 

当時、イギリス兼カナダの国王だったジョージ6世夫妻がカナダを初めて公式に訪問する機会があり、シーグラム社が献上酒として作ったのが「クラウンローヤル」の原型。

 

クラウンローヤルのラベルは大きな王冠のマークが特徴ですが、これはシーグラム社が社の叡智を傾けて、ラ・サール蒸溜所で600種ものブレンドを試作させて完成させたことに由来するのだとか。

以降、シーグラム社の来賓用ウイスキーとなりましたが、あまりに評判がよかったため、市販化が実現します。そして、カナダは第2次世界大戦後に実質的な独立を果たします。

 

ちなみに、シーグラム社は酒類部門をペルノ・リカールに売却、その後はギネスやジョニーウォーカーなどで知られるディアジオに買収されています。

 

特徴のひとつは1割弱ブレンドされた、あるバーボン

製造法はカナディアンウイスキーの王道である、トウモロコシを主原料としたベースウイスキーにライ麦を主原料としたフレーバリングウイスキーのブレンド。

そこに隠し味として約1割程度、バーボンがブレンドされているというのも知る人ぞ知るお話。それは4つの薔薇で有名な「フォアローゼス」

 

もともと、親会社が一緒だったという理由があるようです。でも、バーボンを混ぜてもちゃんとカナディアンウイスキーを名乗れるの?という疑問を持った方、大丈夫です。

 

カナディアンウイスキーでは「熟成年数やほかの条件を満たしていれば、内容の9.09%まではどんな原酒をブレンドしてもいい」という条件があります。

カナディアンはトウモロコシを主原料としたベースウイスキーの量が多いので、スコッチに慣れていると味の薄さを感じるかもしれませんが、大麦麦芽が甘く、鋭い刺激がなくて飲みやすい仕上がりです。

 

Canada-day 7月1日はカナダの建国記念日
Canada-day 7月1日はカナダの建国記念日

テイスティングレビューと価格

クラウンローヤルはアルコール度数40度・750mlで、価格は送料入れずに1,800円(税込)前後。2000円以下でオシャレといえばオシャレですが、ちょっとおじさんテイストなボトルデザイン(笑)でもあります。

 

とはいえ、箱入りで金色の刺繍の入った巾着袋にボトルが入っているので、値段以上の高級感が演出できる銘柄として、ちょっとした贈答用にも人気があります。

 

一般的な評価は「チョコレートのような香りがうっすらしておいしかった」「価格が安価の割には良い」「非常にコストパーフォーマンスの高い、コクのある上品なウイスキー」「どちらか言うと軽め。特にストレート、ロックがおすすめ」「イングランドにも日本にもない、不思議な美味しさ」「まろやかですがボディは1本筋が通った味わい」など、テイスティングレビューはなかなかの高評価。

 

飲みやすさと価格の購入しやすさから、初心者の方がトライしやすいスタンダードです。隠れているフォアローゼスがどんな味わいを醸し出しているか、試してみるのもおもしろいですよ。