カティサーク オリジナル 名前の由来
「カティサーク オリジナル(Cutty Sark)」はイギリスのバカルディジャパン社が製造・販売しているブレンデッドスコッチウイスキーです。日本ではサッポロビールが販売しています。
カティサークの名称の由来は、大英帝国時代を象徴する1869年に進水した帆船、「カティサーク号」。
この時代、紅茶輸送のための快速船「ティークリッパー」が多数建造されましたが、同船もそのひとつ。外洋で高速が出せるよう、通常の帆船に比べて前後に細長い形状をしていたんですね。
カティサークとはスコットランド語で「短いシュミーズ」を意味します。名前の由来はスコットランドの国民的詩人であるロバート・バーンズ(Robert Burns)が作った詩「タモシャンター」に登場する魔女なのだとか。
詩の内容は以下の通り。ある農夫が馬で家路を急いでいると、魔法使いの集会に出くわします。そこで、カティサークを身にまとった妖艶な魔女に魅了されて思わず手を出そうとすると、反対に魔女たちに捕まりそうに。
命からがら馬にまたがって逃げ出す農夫を魔女が追いかけ、馬の尾をつかまえたものの、尾が抜けてしまったため、逃げのびることができたというお話です。
2007年の火災から復元され、現在、一般公開されているカティサーク号の船首像は、たしかにカティサークを身にまとった魔女で、その手には馬の尾が握りしめられています。
話を過去にもどします。1922年のこと、ポルトガル船籍となって第一線から退いていた快速船「カティサーク号」が、イギリス人船長ウィルフレッド・ドウマンに買い上げられてロンドンに戻ってきます。
ちょうどその頃、ロンドンのセント・ジェームズ通りでワイン商をしていた「ベリー・ブラザーズ&ラッド社」の経営者の一人であるフランシス・ベリーは、米国に向けたスコッチウイスキーを開発しました。
キーモルトとブレンドの特徴
当時のスコッチウイスキーは、スモーキーフレーバーが強く、濃いカラメル着色が主流でしたが、彼は過度のカラメル着色をせず、淡い自然な色あいをもつライトタイプのウイスキーを生み出します。
帆船にちなんで名付けられたカティサークは1923年に誕生。イギリス発売とともに、バハマのエージェントを経由して禁酒法下の米国に大量に持ち込まれ、以来、全世界で知られるブランドとなりました。
「カティサーク オリジナル」の特徴はスペイサイド産のモルト「グレンロセス」「マッカラン」、他に蒸留所の地域別分布ではアイランズに含まれる「ハイランドパーク」をキーモルトの中心にブレンドされた、やわらかい味わいであることです。
評価では味の好みが分かれやすい銘柄
40度で700mlと1000mlがあります。700mlの価格は送料入れずに1,000円前後。一般的な評価では個人差があり、賛否が分かれる銘柄です。
おすすめ派の方は「ウィスキーでありながら飲みやすい」「アルコールのカドがなくていい」「ライトな飲み口でハイボールに合う」「甘くてアルコールの刺々しさもなく、若い女性でもいける」というもの。
飲みやすいという言葉が多いのはうなづけます。ストレートで口にしてもピリピリ感がなく、40度という度数を感じさせないほど軽く感じますよね。
ネガティブなレビューには「深みがなく特徴がない」といったものがあります。私も昔ときどき飲んだカティサークとは違うなあ、といった印象はありました。
開栓したときの香りの青臭さをどう感じるかというのもあるような気がします。あくまでも個人的な感想ですが、1000円前後のウイスキーとしては、同クラスに強いライバルもいます。
「フェイマスグラウスファイネスト」の甘み、「デュワーズホワイトラベル」のハイボールにしたときのすっきり感に比べると、どうでしょうか。もちろん、「カティサーク」が売れていることは事実です。反対の感想をお持ちの方もたくさんいらっしゃると思います。
日本限定ラベル「浮世絵エディション」
なお、日本の伝統でもある浮世絵をモチーフにした、日本限定ラベル「カティサークオリジナル 浮世絵エディション」もあります。
このシリーズには複数のデザインがあり、葛飾北斎「富嶽三十六景」神奈川沖、「千絵の海」銚子、歌川広重「東海道五十三次」桑名、「六十余州名所図会」鳴門などがあります。
限定品ということで品薄ですが、通販でもまだ在庫は若干残っているようです。