エヴァンウィリアムス12年 赤ラベルの終売は噂だけ?
「エヴァンウィリアムス12年(Evan Williams Aged 12 years)」はアメリカ・ケンタッキー州のルイヴィルにあるヘブンヒル・バーンハイム蒸留所(ヘブンヒル社)が造っているバーボンウイスキーです。
スタンダードのブラックラベルと分けて「赤」や「レッドラベル」とも呼ばれています。1990年代に終売との噂もありましたが、とくに問題なく入手できていますね。
12年には現行品と旧ラベルがあります。その違いは現行品が渋みのある赤色で12年表記のみ、旧ラベルは明るい赤色で「Since1783」「Kentcky 1st distiller」の表記があります。
1783年は会社の創業年ではなく、銘柄名にもなっている創業者のエヴァンウィリアムスが初めてとうもろこしからウイスキーを蒸留した年。
ちなみに、英国からアメリカが独立を承認された年でもあります。
「バーボンの父」と言われたエライジャクレイグ牧師より、実は早くバーボンを作っていたというケンタッキー州最初の蒸留酒製造業者なんですね。
高い度数でも甘くてまろやかな風味が特徴
スコッチに比べて温暖な地域で熟成されるバーボンは熟成が早く、一般的には3、4年熟成でスタンダードなウイスキーとして販売されます。
その意味で12年熟成のバーボンというだけでも貴重で、下で紹介するように価格も手頃で、このクラスではお値打ち銘柄としてこっそり愛されています。
アルコール度数は50.5度と他のバーボンと比べて高いですが、12年熟成ということもあり、それを感じさせないハチミツやバナナのような甘くてまろやかな口当たりが特徴です。
酒質も重すぎず、後味にはホワイトオーク樽の焦がした風味がほんのり残ります。
ちょっと値上げの価格、レビューの評価、おいしい飲み方は
エヴァンウィリアムス12年はアルコール度数50.5度・750mlで、あくまでも記事アップ日の時点での最安値(税込)ですが2,700円ほど。
以前は2,000円ほどで購入できましたが、ちょっと値上げ。それでも12年熟成のバーボンとしては度数も高く、コスパ抜群です。
一般的な評価では「とにかく甘い。個人的に甘いのは苦手」というように甘みにたいする好みはあるようですね。支持するレビューは「通常品よりもメロウでスゥイート」「バーボンの癖と独特の香りがない、非常にまろやかなウイスキー」「甘く滑らかでかつ頼りがいのある味」など。
多くの方がハイプルーフを感じさせない飲みやすさという点では一致していて、高評価となっています。
おいしい飲み方としては、甘さと香りが前に出てくるロックがおすすめですが、炭酸で割っても甘さが残るので、初心者の方は飲みやすいと思います。
ちなみに、「渋柿を甘くしたり、梅酒をつけてもGoodでした」というレビューもありましたので興味のある方は試してみてくださいね。
ヘブンヒル・バーンハイム蒸留所は
ヘブンヒル(ヘヴンヒル)・バーンハイム蒸留所はアメリカでも1位、2位の生産量を争うほど巨大な蒸留所で、扱うブランドは200種類以上もあります。
1996年、落雷による大規模な火災に見舞われたヘヴンヒル社は、バーンハイム蒸溜所を買収。バーンハイムに拠点を移して製造しています。
ですから、エヴァンウィリアムス12年でも現行品はルイヴィルのヘブンヒル・バーンハイム蒸留所ですが、旧ボトルにはバーズタウンの旧ヘヴンヒル蒸留所製造のボトルもあるわけです。
原酒で味の違いがあり、旧ボトルがお好みの方もいます。ちなみに、同蒸留所銘柄では日本でよく知られているのは「I.W.ハーパー」などがあります。