フェイマスグラウスファイネスト・雷鳥スコッチが酒屋に売ってない?終売の噂は
「ザ・フェイマスグラウスファイネスト(The Famous Grouse Finest)」はレミーコアントロー社のブレンデッドスコッチウイスキーです。
1,000円台ながら、3,000種類以上の銘柄があると言われるスコッチの本場で、高い評価を受けるキーモルトを使ったトップシェアクラスの人気ボトルです。
日本ではこのフェイマスグラウスファイネストが終売になるのではという噂があります。
ネット通販では並行輸入品が多くて正規輸入品が少ないですが、正規品がまったくないという状況でもなさそうです。
店舗で購入するとなると、地域によっては酒屋さんに売ってない状況で、入荷が止まっているところもあります。
輸入元のレミーコアントロージャパンによると、「ハイランドパークダークオリジンズ」とともに「フェイマスグラウス・メロウゴールド」の販売終了が発表されましたが、ファイネストに関してはとくに発表はありませんね。
フェイマスグラウスファイネストの価格・安く買うなら
フェイマスグラウスファイネストはアルコール度数40度・700mlで、記事アップ日(2020年11月29日)現在の販売店での安い価格帯は1,500円ほど。
このブログで初めて紹介した2018年には最安値で1,000円程度だったので、かなりの品薄状態になっているようです。
私も日本では一般的な知名度がまだ浸透していないので安心していたのですが、後述するように価格がジリジリと上昇しつつあるので、買いだめしておくなら早いうちがいいようです。
世界的なキーモルトの原酒不足、コロナウイルスの影響に加えて、大手酒量販店や大手スーパーでも販売されるようになった影響があるのかもしれません。
大手酒量販店や大手スーパーでは1,300円ほど、運が良ければ1,000円近い価格で購入が可能な場合もありますから、見かけたら買いだめしておくのがおすすめです。
フェイマスグラウスファイネストの風味評価
一般的な評価からまずはマイナス評価を指摘する感想をあげてみます。
「舌触り、香り、好みではない」
「口に含むと一瞬、甘みが訪れた後に強烈なアルコール臭。喉越しは悪い。まろやかさを期待してはいけない」
支持するレビューは以下の通りです。
「廉価ながら、凄く美味しい」
「1000円台にしては味も香りも強い。しかし、個性やクセの強さが独特なので飲みたい時は連日で飲みたくなる」
「香り、口あたり、喉ごしは確かにマッカランに近く、この値段であれば十分美味しい」
「この価格でこの味。バーテンダーに好まれるのがわかる」
「ファイネストやティーチャ―ズでは少し物足りない、樽由来の風味が好きな方におすすめ」
「安定感のあるブレンデッド。バランスが良く、甘めな香りと味わいが好き」
「口一杯にハチミツのような甘さが広がり、安価には思えない出来映え。香りも十分」
「口に含んだ瞬間、シェリーの香りとバニラの甘味。安価に思えないハイレベルな造り」
「美味しい。ハイランドパークっぽさはあまり感じないが、ブナハーヴンっぽさはあると思う」
マイナス評価はわずかで、強烈なアルコール臭をあげる人がいますね。やはり、1,000円台のブレンデッドウイスキーなので若い原酒も含まれていますから、ストレートで飲むにはアルコールの刺激が強めかと思います。
支持するレビューでは「甘い口当たり・クセがない・飲みやすい・安い」とコストパフォーマンスの高さをあげる評価が多いですね。
フェイマスグラウスファイネストのおいしい飲み方
あくまでも個人的な感想ですが、ストレートやロックで飲むと、シェリー樽由来の香りとカンロ飴を思わせるような甘みがトロンしながらも、やや樽の渋みも感じます。
とはいえ、1,000円台のブレンデッドならありがちですが、「フェイマスグラウスファイネスト」はロットによって風味に差があるようにも感じます。
味わいが豊かに感じられるボトルもあれば、これらの味わいが弱めで辛味(アルコールの刺激)だけが強く印象に残るボトルもあるように思います。
飲み方は「フェイマス・ソーダ」と呼ばれるハイボールが人気ですが、薄めすぎると香りも甘みもとんでしまうので、私が飲むなら濃いめか、ロックです。
今回はハズレかなというときにはハイボールで飲んであげてください。そして、気が向いたらまた飲んであげてください。そんな風に言ってあげたくなるような銘柄です(笑)。
フェイマスグラウスはオールドボトルも人気があるのはよくわかります。
ブレンデッドのバランタインファイネスト、ティーチャ―ズ、ホワイトホースとは方向性が違いますが、似た傾向のボトルにVAT69があるので試してみてくださいね。
フェイマスグラウスファイネストの人気の秘密
フェイマスグラウスファイネストはスコッチの本場でトップシェアクラスの人気ですが、人気が上位に上がってきたのは実はここ30年ほど前からのようです。
発売されたのは1897年。本格的な人気になるまで年月がかかっているわけですが、その理由は1970年になって家族経営のマシュー・グローグ&サン社による経営権が売却されます。
その結果、現在のレミーコアントロー社傘下の「ハイランドパーク」がブレンドされることになり、そこから売り上げが急激に伸びたという事情があるようですね。
このほかにもマッカランやグレンロセスなどの名だたるキーモルトを中心に、40種類以上のモルトウイスキーが使われ、グレーンウイスキーとブレンドされています。
さらに特徴となっているのが「ダブルマリッジ製法」。
バーボン樽とシェリー樽で熟成させたモルトとグレンウイスキーをブレンドしたあと、もう一度、シェリー樽に入れて後熟させています。
スコッチの雷鳥と呼ばれる歴史
マシュー・グローグ&サン社はスコットランドのパースの街が発祥。パースはテイ川右岸に位置していて、古くからハイランドとローランドをつなぐ拠点であり、ヨーロッパとの交易でも重要な都市でした。
現在でも英国人の住みたい街コンテストで毎回第1位を争うほどの人気のある街です。
同社の創業は1800年。創業者であるマシュー氏がパースにあるワイン食料雑貨店の娘と結婚後、事業を継いだことにさかのぼります。
その後、息子が店を継ぐようになってからブレンドのウイスキーも手がけるように。
さらに孫の三代目マシュー氏がフランスのボルドーにあるワイン商のもとで修行を重ね、帰国したのちに1897年に「ザ・グラウス・ブランド」と名付けたウイスキーを販売します。
当時、富裕層で流行していた「雷鳥狩り(グラウスシューティング)」にちなんで発案されたそうですが、ラベルに描かれている雷鳥の絵は、彼の娘さんがデザインしたもの。
これまでに何回かラベルはリニューアルされていて、草むらバージョン、小道バージョンがあったり、フェイマスグラウスの種類によっても違うのでいろんな雷鳥が楽しめます。
1905年から現在の名前に変わったのは、人気ウィスキーとなり、パブで「あの雷鳥の酒をくれ」と大勢の人が頼むようになったことから、「The Famous Grouse(あの有名な雷鳥)」になったそうです。
日本でも有名になったのはいいことですが、以前の安い価格で楽しめたらもっといいですね。