「ジン マーレ(Gin Mare)」はスペイン北東部の地中海岸に位置するカタルーニャ州のコスタ・ドラダ(Costa Daurada)の小さな漁村で造られているクラフトジンです。
カタルーニャ料理はラード中心のスペイン田舎料理と、オリーブオイル中心の地中海料理の両方の要素を併せ持っています。
また、カタルーニャ州のうちタラゴナ県、バルセロナ県、ジローナ県の沿岸部は地中海性気候、 リェイダ県やバルセロナ県などの内陸部は大陸性地中海性気候、ピレネー山脈の山々は山岳気候や高山気候と環境は抜群。
食材が豊かでありながら、地中海に面した港湾都市が物流の要所であったため、交易も盛んで料理法も豊富なのが特徴です。
コスタ・ドラダ(Costa Dorada)とはスペイン語で「黄金海岸」の意味。カタルーニャ州の地中海に沿う海岸線のうち、タラゴナを中心にバルセロナまでがコスタ・ドラダと呼ばれていて、その多くが海浜保養地です。
ちなみに、タラゴナは古代ローマ時代にはタラコ(Tarraco)と呼ばれて、最盛期には100万人の人口があり、今でも世界遺産に登録されている水道橋や円形劇場などの遺跡が残っています。
「ジン マーレ(Gin Mare)」の特徴は、そんな環境に恵まれた地中海地域産のボタニカルなんですね。
ジュニパー、オレンジピール、レモンピール、カルダモン、コリアンダーなどの他に、地中海地域産のローズマリー、さらにオリーブ、バジル、タイムというハーブがボタニカル。
ちなみに、バジルは日本でもパスタやピザでお馴染みですね。イタリア語由来のバジリコ (Basilico) とも呼ばれますが、「王」を意味するギリシャ語の「Basileus(バジレウス)」が語源です。
ボタニカルはそれぞれ別々にベーススピリッツに24~36時間浸漬されます。柑橘類のボタニカルだけはいっしょにされて、300日間もの浸漬期間漬けられます。
そのあとでボタニカルは別々に銅製のポッットスティルで蒸留され、原酒同士をブレンド。これはジャパニーズクラフトジンの多くでも目立ってきた製造法ですが、とても手間がかかるんですね。
ネーミングに関する情報は見つかりませんでしたが、イタリア語で「海」を意味する「マーレ(Mare)」に由来しているのではないかと思われます。
フレーバーの主役ジュニパーにローズマリーの香りが融合して、ほんのり塩味も香る味わいのなかに、風味の良いオリーブとバジル、シトラスの軽やかさが感じられます。