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グレンキース・10年や1970年以降のボトルが人気、蒸留所の特徴は

グレンキースの種類・キーモルト需要でオフィシャル10年は近年

「グレンキース(Glen Keith)」はスコットランドスペイサイド地域・キース地区にあるグレンキース蒸留所が造っているシングルモルトウイスキーです。

 

もともとシーバスリーガルのキーモルトのひとつに使われていたので、シングルモルトはオフィシャルよりもボトラーズからたくさんの種類が販売されています。

 

同蒸留所は1957年にストラスアイラの第2蒸留所として創設され、オフィシャルのシングルモルトの発売が開始されたのは1994年。それがグレンキース10年で、ラベルには「1983」というヴィンテージ(蒸留年)が表記されていました。

 

洋梨の画像
Pear 洋梨

生産休止以前の1970年以降のボトルが人気、ゴルゴ13版も

グレンキース蒸留所は1999年に生産を休止してしまいます。2001年にペルノ・リカール社の傘下となってからも閉鎖が続きましたが、その後のウイスキー需要の拡大から設備投資が行われて2013年に再始動しています。

 

蒸留していなかった十数年の原酒がないこともあり、通販では10年や1970年代のボトルが人気ですが、ほぼ在庫切れ。

 

それでも、1999年の生産休止以前に造られた原酒を熟成させた20年前後のお酒を探し求める方は多いようですね。

 

ちなみに、連載50周年を迎えるゴルゴ13の記念ボトルで、小学館の運営する『大人の逸品』というネットショップ限定で販売されたボトルもあります。

 

それが「金ラベル・グレンキース1993」、白ラベルの「スペイサイドリージョン1998(蒸留所名非公開)」の2本。17,000円以上と高価でしたがすぐに完売しました。

グレンキースの風味の特徴と価格

第2蒸留所を建てる場合、同じ環境と同じ設備が導入されていても、ウイスキーの味が違うという場合も数多くあります。

 

しかし、ストラスアイラとグレンキースの風味は似ていると評価されていて、この地区独特の熟れたリンゴや洋梨を思わせる風味が特徴となっています。

 

仕込み水は町の東側、バロックヒルのニューミールスプリングの水を利用。蒸留所の再開にあたっては新しいマッシュタン、新しいステンレスのウォッシュバック6基、オリジナルのスチル6基の部品が交換されました。

そのほかにエネルギー効率の高い設備を導入するなど、設備はいろいろ変わったようですが、限りなく閉鎖前に近い性質のスピリッツを目指すというのが同蒸留所の方針のようです。

 

ボトラー物はカスクストレングスが多く、アルコール度数は45度から57度くらいまであります。700mlで価格は8,000円から3万円台ですが、まだ20年物で8,000円くらいもあるので狙い目だと思います。

閉鎖と再開の歴史を経た蒸留所に貴重な歴史が

グレンキース蒸留所には興味深い歴史があります。スペイサイドも含むハイランド地域にありながら、ローランド地域の蒸溜所で一般的な3回蒸溜を1980年代初期まで続けていたこと。

 

創設のときに採用されたスタッフがブッシュミルズ蒸留所で働いた経験があったため、彼がブッシュミルズ流を紹介して採用されたのだとか。その後、2回蒸留となったのは時代の流れだったのでしょうか。

 

花の香りのイメージ画像

 

スペイサイドのキース地区は18世紀に計画的に造られた町。かつてリネン産業で栄えた町としても知られますが、交通の要所であったため、蒸留施設が多い地区でもあります。

 

ちなみに、グレンキースの意味は「森の中の谷」。キースの語源はスコットランドの蒸留所によくあるゲール語ではなく、ケルト語の一種ブリトン語の「coed(森)」に由来するとか。

 

現在、シングルモルトの発売予定はないそうですが、「カスクストレングス・エディション」シリーズからの17年モノのボトルがシーバス社のビジターセンターでは入手できるそうです。

 

生産体制も向上したようなので、今後のシングルモルトの発売に期待したいですね。