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グレンマレイクラシック シェリー・ポートカスク・ピーテッド等の特徴

グレンマレイクラシック 蒸留所の特徴

「グレンマレイクラシック(Glen Moray Classic)」はスペイサイド・エルギン地区の郊外、ロッシー川のほとりに建つグレンマレイ蒸留所が造っているシングルモルトウイスキーです。グレンモレイとも訳されます。

 

仕込み水にはロッシー川の水を使い、ストレートヘッド型の背が低い玉ねぎ状のポットスチルで蒸留。熟成にはおもにバーボン樽を使っています。

 

ちなみに、近年では年間生産量を大幅に増やすため、新型のポットスチルを増やしているので(本記事で後述)、原酒の風味は微妙に変わってきているでしょう。

 

とはいえ、マスターディスラーは蒸留所敷地内に居住しながら、1世紀以上続く伝統を代々受け継いでいるという古風な面もある蒸留所なんですね。

 

グレンマレイ蒸留所の画像
グレンマレイ蒸留所

グレンマレイクラシックコレクションは数種類ある

グレンマレイのシングルモルトはおもにブレンデッドウィスキー用に作られていて、蒸留所を所有するラ・マルティニクィーズ社の「ラベルファイブ」や「ウィンチェスター」のほか、他社の「ハイランドクイーン」や「ウィルトンハウス」のキーモルトとしても利用されています。

 

今回紹介するクラシックは同蒸留所でのNAS(ノンエイジ)のスタンダード銘柄。この銘柄には「クラシックコレクション」と呼ばれる風味の違う数種類があります。

 

タイプは2つで「カスクフィニッシュ」で樽の種類を変えたタイプ、さらにピーテッドタイプです。

カスクフィニッシュとはいったん熟成させた樽から、他の樽へウイスキーを詰め替えて熟成させる「詰め替え熟成」のこと。

 

ウイスキーの香味をより複雑で味わい深くするために行われます。日本では「追熟」とも言われます。

シェリーカスク・ポートカスク・シャルドネフィニッシュの特徴

クラシックコレクションにはシェリーカスク、ポートカスク、シャルドネカスクフィニッシュの3種類があります。

 

ちなみに、バーボン樽熟成だけのクラシックのスタンダードがいちばん安く、アルコール度数40度・700mlで、あくまでも記事アップ日の時点での最安値(税込)ですが2,200円ほど。

 

シェリーカスクはバーボン樽で熟成させたクラシックをシェリー樽で追熟。シェリー由来の甘い果実風味がプラスされたなかに、スパイシーさが味わえるのが特徴です。アルコール度数40度・700mlで、記事アップ日の時点での最安値(税込)は2,700円ほど。

ポートカスクフィニッシュは、クラシックをさらに8ヶ月間ボートワイン樽で追熟。これによって、本来の軽いバニラ風味にトロリとしたドライフルーツの味わいが楽しめます。

 

アルコール度数40度・700mlで、記事アップ日の時点での最安値(税込)は2,700円ほど。

銘柄

通販販売店の最安値価格(税込)

 グレンマレイクラシック

(40度・700ml)

2,200円ほど

シェリーカスク

(40度・700ml)

2,700円ほど

 ポートカスク

(40度・700ml)

2,700円ほど

シャルドネカスク

(40度・700ml)

3,200円ほど

ピーテッド

(40度・700ml)

2,700円ほど

シャルドネカスクフィニッシュはクラシックにシャルドネ樽でフィニッシュをかけたもの。シャルドネ風味の特徴をもたせた珍しいスペイサイドモルトということで、ギフト用の箱入りとして2016年に発売が開始されました。 

 

従来の甘いバニラとほのかなオーク風味に、シャルドネ由来のコク、甘み、スパイスが加わった新しい風味が特徴です。

 

アルコール度数40度・700mlで、記事アップ日の時点での最安値(税込)は3,200円ほど。

スモーキーフレーバーの好きな人ならピーテッド

ピーテッドはクラシックにピートを利かせたスモーキーフレーバー。口に含むとピートの煙たさに甘いバニラの風味が追いかけてきます。 

 

開けたては少し尖った印象ですが、開栓後、少し期間を置くとまろやかになります。アルコール度数40度・700mlで記事アップ日の時点での最安値(税込)は2,700円ほど。

蒸留所はフランス資本で生産量を大幅に増大

グレンマレイ蒸留所は1897年、ウェスト・ブリュワリーというビール工場だった場所を改装して建てられました。

 

経営はグレンモーレンジィ蒸留所を所有するマクドナルド&ミュアー社で、グレンモーレンジィの姉妹蒸留所だったんですね。

 

しかし、同社がグレンモーレンジィ社と名称を変えたあと、別れる運命となってしまいます。グレンモーレンジィ蒸留所がルイヴィトン・モエ・ヘネシー社に買収され、グレンマレイ蒸留所は2008年にフランスのラ・マルティニクィーズ社の傘下に。

その後、ラ・マルティニクィーズ社は資本を投入して、この蒸留所のパワーアップをはかりました。2016年には発酵槽を追加、ロイター式のマッシュタンの導入、さらにポットスチルが追加されます。

 

もともと蒸溜棟にあった計6基のスチルをスピリットスチル(再溜釜)として再改修、イタリアのフリッリ社製の3基の新しいウォッシュスチル(初溜釜)を追加して、年間生産量を大幅に増大させています。今後の熟成表記ボトルも含めた展開が楽しみですね。

 

ちなみに、日本では酒販店「やまや」での取り扱いが多いことで知られます。私も先日、「やまや」池袋店で白人男性がウイスキーを購入しているのを発見。

 

銘柄を見たらグレンマレイだったので、この記事を書くことにしました。