グレンスコシアキャンベルタウン(カンベルタウン)ハーバー・風味の特徴
「グレンスコシアキャンベルタウンハーバー(Glen Scotia Campbeltown Harbour)」はキンタイア半島の先端にあるキャンベルタウンのグレンスコシア蒸留所が造っているシングルモルトウイスキーです。
カンベルタウンハーバーとも紹介されますね。味の特徴はボトルの箱に記載された「Sea Splay & Gentle Smoke」の文字がまさにそれを表現しています。
「海水から上がるしぶきとやさしい煙」といった意味でしょうか。ノンエイジではありますが、ややクセのある磯を連想させるヨードとスモーキーさが原酒の魅力です。
贅沢にファーストフィルのバーボン樽だけで熟成されていることも大きな特徴で、バニラや花を思わせる香りと蜂蜜のような甘い味わいが長く続きます。
口コミ評価・価格ともうひとつのキャンベルタウン「ロッホ」
「グレンスコシアキャンベルタウンハーバー」はアルコール度数40度・700mlで、相場価格は3,700円(税込)前後。
一般的なテイスティングの評価は「青リンゴとスパイスの香りに塩の風味。酸味、渋味のバランスが良い」「スプリングバンクに近い風味」「とてもマイルドで甘みもあってすいすい飲めます」など、高い評価のレビューが見られます。
ちなみに、グレンスコシアキャンベルタウンの種類として「キャンベルタウンロッホ&信濃屋」という銘柄も過去には販売されています。
日本の会員制愛好家クラブ「ザ・ウイスキー・フープ」の主幹事をつとめる有楽町のbar、キャンベルタウンロッホさんと、信濃屋さんのコラボで紹介されたボトル。
56.9度と高いアルコール度数ながらすっきりとした飲みやすさも人気で、通販でもすぐに売り切れてしまった210本限定ボトルです。
スプリングバンクとともに地元のウイスキーを守る蒸留所
キャンベルタウンは人口約5,000人ほどの町で、グレンスコシア蒸留所は町の中心から少しはずれた住宅街にあります。
1832年にスチュアート・ガルブレイス社が設立した同蒸溜所はオーナーがたびたび変わり、閉鎖と再開を繰り返しながらも稼働しています。
スプリングバンク蒸留所とともに根強いファンをもつ蒸溜所として、キャンベルタウンモルトを守り通してきたものの、生産体制は不安定でオフィシャルボトルも日本には入りづらい状況が続いていました。
それが、2014年にロッホローモンドグループの所有となったことで、蒸留所の設備の修理・更新が進められ、ボトルデザインが一新されています。
コールテン銅と呼ばれる特殊な金属でできたウォッシュバック(発酵槽)を使っていて、これが風味の特徴に関連していると言われてきましたが、いまはステンレスに替わっています。
グレンスコシアの意味とは
「グレンスコシア(Glen Scotia)」の意味に関して、はっきりした解説は見当たりませんが、ScotiaはNova Scotiaというカナダの半島が「新しいスコットランド」と呼ばれるところからすると、スコットランドという国名か、アイルランドからスコットランドにやってきたスコット族にちなんでいると思われます。
ですから、「スコットランドの谷」とか、「スコット族の谷」といったところなのかもしれませんね。
ボトル名にもなっている「ハーバー(Harbour)」の語源は、古代英語の「軍隊(here)」と「かくまう(beorg)」がつながったのが由来。
つまり、外海から遮蔽されていて、船が安全に停泊できる場所という意味なんですね。
キャンベルタウンハーバーのボトルに描かれた美しい港町には、肩を寄せ合うようにして船が停泊しています。
歴史の荒波からこの地のウイスキーを守り抜いてきた、気概と愛着をこめたのでしょうか。