ゴッドファーザー・ウイスキーベースのカクテルレシピ
カクテル「ゴッドファーザー(Godfather)」は1972年に同名映画が公開後に生まれたカクテルで、通称「シネマカクテル」と呼ばれる種類のお酒です。
レシピはウイスキー3/4(45ml)、アマレット1/4(15ml)を氷を入れたオールド・ファッションド・グラスに入れてステアするだけというシンプルなもの。
アマレットとはイタリア語で「すこし苦いもの」という意味になります。杏(アプリコット)の種の中にある核と呼ばれる部分をブランデーに漬け込んで作ったお酒です。
最も有名なブランドは日本でサントリーが輸入販売している「ディサローノ」。アーモンドに似た香りと苦味のあるコクが特徴で、それをかなり甘口に仕上げています。
アンズの核は杏仁豆腐にも使われているので、牛乳で割ると杏仁豆腐風味のカクテルになります。
作りかたは由来からアメリカンウイスキーを使うのがおすすめ
原作・脚本のマリオ・プーゾはイタリア人。映画ではイタリア系アメリカ人社会が描かれているため、イタリア産リキュールのアマレットが使われているんですね。
ベースとなるウイスキーの種類は「カウボーイ」のように限定されていませんが、映画由来を意識するならスコッチよりもアメリカンウイスキーを使ったほうが本格的でおすすめです。
ゴッドファーザーの風味・度数が高いので飲み方に注意
ゴッドファーザーの風味はウイスキーにアーモンドの香りと少量の苦味、甘みが加わるため、もともとスパイシーなウイスキーがまろやかになります。
ただし、アルコールだけで作るカクテルですから、要注意。全体の3/4が40度ほどのウイスキーで、アマレットも28度ありますから、アルコール度数も34~36%と非常に高めです。
お酒に弱い方はゆっくり氷を溶かしながら味わったり、宅飲みなら味見してキツイと思ったらソーダ割りもいいでしょう。
カクテル言葉はやはりそれらしく
ゴッドファーザーのカクテル言葉は「偉大」です。フランシス・フォード・コッポラ監督の映画は、公開されると当時の興行記録を塗り替える大ヒットになりました。
同年度のアカデミー賞においても作品賞・主演男優賞・脚色賞を受賞。そんな至宝の映画を称えたのでしょうか。それとも、物語のテーマとなった首領(ドン)を意味するのでしょうか。はっきりとはわからないようです。
ゴッドファーザーのバリエーション
ゴッドファーザーのバリエーションとしては、ベースのウイスキーをウォッカに変えたものが「ゴッドマザー」になります。無臭のウォッカなので、よりアマレットの風味が強めです。
ウイスキーをブランデーに変えると「フレンチコネクション」。これもまた、1971年製作の映画「フレンチ・コネクション」にちなんで名づけられたシネマカクテルです。
第44回アカデミー賞で作品賞、 監督賞、 主演男優賞、 脚色賞、編集賞の5部門を受賞。マンハッタンの高架鉄道を疾駆する電車を追跡するカーチェイスが最大の見所の映画ですね。
スコットランドの渋いカクテルもおすすめ
ゴッドファーザーのウイスキーベースはそのままに、アマレットをドランブイに変えると「ラスティ・ネイル」。ウイスキーの種類はスコッチに指定されています。
ラスティ・ネイルとは「錆びた釘」という意味ですが、「いぶし銀」というような渋めの意味合いでも使われます。
ドランブイとはスコットランドで誕生したリキュールで、熟成された数種のモルトウイスキーに蜂蜜・ハーブ・スパイスなどが加えられたもの。
もともとはスコットランド、ステュアート王家の門外不出だった秘酒のレシピがスコットランドのスカイ島で伝えられたのが始まりだとか。
ついでに、同じゴッドのつくカクテル「ゴッドチャイルド」もありますが、レシピがまったく似ていない別系統といった印象があります。
カシスリキュール(ルジェ・クレームドカシス)30ml、レモンジュース10mlをソーダで割るレシピなんですね。甘口のカシスリキュールにレモンの酸味が爽快です。