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ヘーゼルバーンの種類と特徴 10年・13年シェリーウッド・CVなど

キャンベルタウン最大規模・ヘーゼルバーン蒸留所の歴史

「ヘーゼルバーン(Hazelburn)」ウイスキーの銘柄である8年・10年・13年シェリーウッド・cvについて解説します。

 

スコットランドキャンベルタウンのヘーゼルバーン蒸留所はコルヴィル家のグリーンリース・コルヴィル社が設立、1925年に閉鎖されました。現在はスプリングバンク蒸留所によりブランドのみが継承されています。

 

ヘーゼルバーン蒸留所は1825年に操業していた記録が残っていますが、それ以前から操業していたとも考えられています。

 

キャンベルタウンに近いサウスエンドの画像
Southend キャンベルタウンに近いサウスエンド

 

1845年、ウイスキー産業が好景気になると、同蒸溜所はキャンベルタウン最大と言われる設備を拡張。ヘーゼルバーンのウイスキーはキャンベルタウンからグラスゴーまで海上輸送され、熟成されました。

 

シングルモルトだけでなく、ブレンデッドスコッチウイスキーもつくられますが、第一次世界大戦後、ウイスキー産業は厳しい時代を迎えます。

ヘーゼルバーン蒸留所で修行を積んだ竹鶴政孝氏

この時代にヘーゼルバーン蒸留所と深い関連がある人が、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝氏

 

スコットランドで修業してその技術を日本に持ち帰ったという功績は、ドラマ「マッサン」でも有名ですが、グラスゴーの大学での勉強と蒸留所の修業により、本格的な知識と技術を身につけていったんですね。

1918年12月に大阪市の摂津酒造(のちに宝酒造と合併)から派遣された彼は、1919年にスペイサイドロングモーン蒸溜所でモルトウイスキーの製造実習、ボーネスのジェームス・カルダー社工場でグレーンウイスキーの製造実習を積み重ねます。

 

そのあと、1920年の中頃、ヘーゼルバーン蒸溜所でモルトウイスキーの製造実習とブレンド技術を学びました。同蒸留所は同年にホワイトホース・ウイスキーのマッキー&Coに売却されているので、ほぼその時期なんですね。

 

1924年に社名はホワイトホース・ディスティラーズに変更され、翌1925年には蒸留所の操業が停止されることになりました。

 

ウイスキーの入ったロックグラスの画像

10年・13年シェリーウッド・CVなどの種類・特徴

「ヘーゼルバーン」のブランドは1997年からJ&Aミッチェル社のスプリングバンク蒸溜所で造られています。ピートを一切炊かずに、3回蒸溜でつくられるシングルモルトです。

 

同蒸留所のスプリングバンクやロングロウと比較すると、キャンベルタウンらしいしょっぱさも少なく、ノンピートでクセのない風味です。とはいえ、キャンベルタウンモルトらしさはちゃんと味わえるようになっています。

 

熟成年数ボトルとノンエイジを紹介していきます。熟成年数だけでなく、使われる樽の種類にも違いがあります。

 

ヘーゼルバーン銘柄

特徴

通販販売店の

最安値価格(税込)

 8年1998年-2007年

キングスバリー

シングルカスク

(46度・700ml)

バーボン樽60%、

シェリー樽40%の

原酒をバッティング

15,000円程度(希少)

 10年

(46度・700ml)

バーボン樽100%

5,500円前後

 13年シェリーウッド

(47.4度・700ml)

オロロソ・シェリーカスク100% 13,500円前後

ヘーゼルバーンcv

(46度・700ml)

数種類の樽をブレンド

13,000円程度(希少)

「8年1998年-2007年キングスバリー シングルカスク(Hazelburn 8years old Kingsbury Single Cask)」

8年は世界限定6000本のリリース、熟成樽はバーボン60%、シェリー40%の樽出し原酒によるバッテドモルトです。通販でも残りわずかです。

 

「10年(Hazelburn 10years old)」

バーボンの熟成に使用した樽のみで10年以上熟成されています。熟成表記ボトルではいちばん入手しやすいボトル。

 

「ヘーゼルバーン13年シェリーウッド(Hazelburn 13years old Sherry Wood)」

世界で12,000本の限定リリース。ファーストフィル(初めて使われた樽)とリフィル(一度スコッチの熟成に使った樽)のオロロソシェリー樽100%で熟成。13年熟成原酒同士をバッティングしています。

 

ライトな酒質にオロロソシェリー樽由来の風味が溶け込んで、濃厚で複雑な味わいです。

ヘーゼルバーンcv(Triple Distilled Hazelburn CV)

こちらはノンエイジ。CVとは「履歴書(curriculum vitae)」や「現会長のレシピを基につくられたという「会長の大樽(Chairman's Vat)」の意味があるとか。

 

明らかにされてはいませんが、いろいろなタイプのカスクを混ぜ合わせることでヘーゼルバーンの個性・魅力を最大限に表現したものと言われます。

 

甘くクリーミーなバニラ、モルティさ、潮気、イチゴジャムの香りから「もっともヘーゼルバーンらしいヘーゼルバーン」との評価もあります。