ヘンリーマッケンナ・クセのないバーボンの飲み方はハイボールで
「ヘンリーマッケンナ(Henry Mckenna)」はアメリカ・ケンタッキー州のローレンスバーグにあるフォアローゼズ蒸溜所(キリン傘下)が造っている、バーボンウイスキーです。
ちなみに、現在でも同州のルイヴィルにあるヘブンヒル・バーンハイム蒸留所(ヘブンヒル社)でも造られています。
日本向けのヘンリーマッケンナだけがフォアローゼズ蒸溜所で造られているようですね。
そのため、日本でヘンリーマッケンナの蒸留所を調べると、この2つの蒸留所の名前が出てきます。
世界的に見たら全米でも1、2位を争う巨大な蒸留所であるヘブンヒル蒸留所のほうが有名かもしれません。
ヘンリーマッケンナの風味の特徴と価格
ヘンリーマッケンナはアルコール度数40度・750mlで。あくまでも記事アップ日の販売店での安い価格帯ですが、1,800円ほど。
同価格帯のバーボンのなかではコスパがいいという評判が多く、味わいとしてはバーボン特有のクセは軽めな仕上がりになっています。
ハイボールにするとほかのバーボンとはちがう印象の柔らかい飲み口になり、飲みすぎてしまうかもしれません。
ガツンとくる味よりも軽めのバーボンがいいというファンが多いのもヘンリーマッケンナの特徴です。
「幻のバーボンと呼ぶほどでも…」という意見もなくはないですが、入手しにくい時代の呼称なので多少割り引いて受け止めてくださいね(笑)。
ヘンリーマッケンナのレビュー評価
一般的な評価からまずはマイナス評価を指摘する感想をあげてみます。
「バーボン独特の味が好きという方には物足りなさがあるかも」
「まずまずのバーボン。可もなく不可もなし」
「注文した瓶のデザインが違う」
支持するレビューは以下の通りです。
「口に広がる香りがいい。スッキリとした飲み口で爽やかな後味」
「この値段でこの美味しさは素晴らしい」
「ボトルデザイン、液体の香り、共に高級感のある味わい。竹鶴や余市よりもこちらが好み」
「ブラントンシングルバレルより飲みやすい」
「バーボンの荒々しさや雑味がなく、スッキリとしていて後味に甘味が残る」
レビューには販売店によって「注文した瓶のデザインが違う」という感想があります。
ヘンリーマッケンナのスタンダードボトルには透明な瓶に直接ロゴが印刷されているタイプと、黒いラベルのタイプがあります。
瓶のデザインに希望がある場合には、注文前に販売店に問い合わせてみたほうが間違いなさそうです。
ヘンリーマッケンナの歴史
「ヘンリーマッケンナ」はもともとアイルランド生まれのヘンリー・マッケンナが造ったブランド。
彼は故郷の蒸溜所でウィスキー造りを学ぶと、18才で渡米してケンタッキー州のフェアフィールドでバーボン造りを始めます。
1855年の発売以来、量産による品質低下を嫌って、手作りウィスキーにこだわり続けました。
発酵が終了するたびに発酵タンクを洗浄するだけでなく、夏場は気温が上がりすぎて発酵のスピードが制御不能になるのを防ぐために作業を中止したという頑固なスタイル。
「オールドファッションド・ハンドメイドウィスキー」と称された彼のバーボンは、人気が出ると入手困難となり、「幻のバーボン」と呼ばれるようになります。
蒸留所が変わり、現在はフォアローゼズ蒸溜所で安定した生産が行われていますが、近代的な設備が整った現在でもハンドメイドの伝統は忠実に守られているとか。
サワーマッシュ製法とケンタッキーの自然を活かした貯蔵法
醗酵中、バクテリアが繁殖して酸が発生すると風味が損なれるため、一度発酵・蒸留させたもろみの残液を25%以上加え、再度発酵させるサワーマッシュ方式がとられます。
ちなみに、このサワーマッシュ製法を生み出したのは、同じケンタッキー州にあったオールドクロウ蒸溜所のジェイムズ・C・クロウ博士でした。
「ヘンリーマッケンナ」に使われる樽材は、直径16インチ以上に成長したホワイト・オーク。
樹脂分の少ない秋から冬にかけて伐採、6ケ月~1年かけて自然乾燥。
さらにオーブンに入れて樹液を除いて樽を造ったら、1回約1分ほど火を入れる樽焦がしを5回続けてやっと熟成に使われます。
風通しをよくするために、広々とした熟成庫で窓を大きくとり、ケンタッキーの自然を活かした熟成法がとられます。
ヘンリーマッケンナの種類は別記事で紹介していますので、そちらを参考にしてくださいね。