イチローズモルトミズナラウッドリザーブMWR・リーフシリーズとは
「イチローズモルトミズナラウッドリザーブMWRリーフラベル(Ichiro's Malt Mizunara Wood Reserve Leaf Label)」は埼玉県秩父市のベンチャーウイスキー秩父蒸留所(CHICHIBU Distillery)で造られているピュアモルトウイスキーです。
モルト同士をブレンドしたモルト100%ウイスキーなので、「ピュアモルト」や「ヴァッテド・モルトウイスキー」と呼ばます。
イチローズモルトの定番商品には、木の葉ラベルが目印のリーフシリーズがあります。
ミズナラウッドリザーブはリーフシリーズのひとつで、ラベルにミズナラの葉がデザインされているんですね。
ちなみに、リーフラベルシリーズはこのほかに羽生蒸溜所と秩父蒸溜所のモルト原酒をブレンドして作った「ダブル・ディスティラリーズ」、羽生蒸溜所のモルトをキーモルトに数種のモルトをヴァッティング、フレンチオーク製の赤ワイン樽で後熟した「ワインウッドリザーブ」などがあります。
ミズナラウッドリザーブの定価と通販価格
イチローズモルトミズナラウッドリザーブMWRはアルコール度数46度で700mlとベビー200mlがあります。
もともとの定価は700mlが税抜きで6,000円、ベビー200mlが2,500円だったと思います。
販売直後には700mlが6,480円、200mlが2,700円と定価近くで購入できましたが、現在は記事アップ日の最安値で700mlが12,000円ほど、希少な200mlが7,500円くらいとプレミア価格に高騰しています。
イチローズモルトは秩父蒸留所のある秩父市の酒屋では取り扱っているものの、売り切れが多いようなので、ネット通販のほうが確実です。
ミズナラウッドリザーブのレビュー評価
一般的なレビュー評価はどの通販でも4以上と高いですが、マイナス面を指摘する感想も少数ながらあります。
「味は好みではなかった。香りも際立つものは無い」
「香りはもう少し独特でも良いかも」
「他に安くて同程度のウィスキーはいっぱいある」
支持するレビューは以下の通りです。
「美味しいのでついロックで飲み過ぎてしまう」
「深めのテイストは私が求めていたもの」
「印象的な要素も少ないと思いますが、美味しいウィスキー」
「香り、味とも申し分ない美味しさ。売り切れになるのも分かる」
「芳醇な香りで何で割ってもおいしい。少々癖があるが香り高い」
「華やかな香りが膨らみます。水割りも美味しく飲めました」
「エドラダワーに似ていて旨い」
エドラダワーに似ているという感想がありますが、秩父蒸留所の肥土社長がかつて訪問して研究していた小規模蒸溜所のなかにエドラダワー蒸溜所がありました。
しかも、秩父蒸溜所のモチーフとなったのは、昔ながらの製法で小規模にウイスキーを造っているエドラダワー蒸溜所だとか。
発酵層、ポットスチルの形、貯蔵法によっても味は違いますが、そのような背景が味に関連しているのかもしれません。
ミズナラウッドリザーブウイスキーの特徴と秩父蒸留所
ウィスキーの本場であるスコットランドでは、維持管理の手間を軽減するために原材料を発酵させる発酵槽にステンレス製を取り入れる蒸溜所が増えてきました。
秩父蒸留所ではこの発酵槽にこだわり、日本古来の木材「ミズナラ」を使っているのが特徴です。
ミズナラの丸太を肥土社長自らが北海道に買い付けに行き、樽職人がパンチョン樽に加工。自社のシングルモルトを貯蔵するのに使っています。
パンチョン樽というのは容量480L、最大径96cm、長さ107cmというずんぐりした形が特徴の樽。
ミズナラ樽で熟成させた原酒は「お香」を思わせるオリエンタルな香りが特徴で、社長の肥土さんはこれを「寺社仏閣の香り」と呼んでいます。
この独特な香りが世界のウィスキー通に評判で、秩父蒸留所はWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)でも数多く受賞、「イチローズモルトミズナラMWR」もWWA2010ベストジャパニーズブレンデッドモルト(NO AGEクラス)を獲得しています。
秩父蒸留所の前身は東亜酒造の「羽生蒸溜所」です。東亜酒造の終焉にともない、原酒の樽を福島県の「笹の川酒造」で預かってもらい、現・肥土社長が秩父蒸留所を設立しました。
のちに羽生蒸溜所時代の原酒をキーモルトの中心として、数種のモルトウイスキーをミズナラでできた桶でヴァッティング。
その後、後熟させたものが、この「イチローズモルトミズナラMWR」なんですね。
羽生蒸溜所以外のキーモルトについては非公開ですが、ピーテッドモルトを多めに使って、羽生蒸溜所のモルトの甘さを引き立てているそうです。
冷却濾過をしていないノンチルフィルタードのため、ウイスキー本来の味わいを楽しめます。