「アイリーク(Ileach)」はグラスゴーに拠点を置く瓶詰業者(ボトラーズ)の「ザ・ハイランズ&アイランズ・スコッチ・カンパニー社」が瓶詰したシングルモルトウイスキーです。
アイリークは商品名ですが、アイリークという名の蒸留所はありません。ボトラーズがアイラ島に存在する、ある蒸留所(蒸留所名は非公開)から原酒を買い取り、独自に保存してシングルモルトとして販売しているものです。
蒸留所が瓶詰め業者に樽でウイスキーを売るときは、このように所有権の問題から「蒸留所名を名乗らない」という条件付きで販売するケースもあります。
そうでなければ、公表OKか、そもそも瓶詰業者には販売しないというパターンです。とはいえ、アイリークが美味しくないのならともかく、スモーキーなアイラモルトとして上級者にも大好評。
1999年の「インターナショナルワイン&スピリッツコンペティション」でも金賞を受賞しています。
そのために、「正体不明のアイラモルト」として話題になり、その正体について海外のウィスキー・ファン同士で激しい論争があったり、日本でも話題になったりしました。
中身の正体について、ネット上では「ラフロイグ」「ラガヴーリン」の若いものではないかと言われてきました。
現在のところ、日本ではラガヴーリン説が有力、ラフロイグ説はその次といったところでしょうか。カリラ説もわずかながらあります。
それだけ、この謎めいたスコッチは飲む人の想像を巡らせてくれます。蒸留所にもボトラーにもメリットがあるだけに、これはうまい販売戦略なのかも。
アイリークは高品質なうえに「ラガヴーリン」「ラフロイグ」よりも安いので、コストパフォーマンスの高さでも魅力的。
あくまでも記事アップ日の最安値価格ですが、スタンダードの「ラガヴーリン16年」が5,600円前後、8年でも5,000円前後、「ラフロイグ10年」が4,000円程度。
それにたいして、アイリークは最安値価格2,400円くらいでシングルモルトとして購入できるのですから、文句なしなんですね。
アイリークとは英語読み、ゲール語ではイーラッハ(アイラ島民の意味)となるので、販売店によっては両方の読みかたが記載されている場合もあります。
アイリークの種類には今回紹介するノンエイジ(40度700ml)、12年(43度700ml)、樽から取り出して加水していないノンエイジのカスクストレングス(58度700ml)の3つがあります。
素人を寄せ付けないクセも少なく、初心者でも十分楽しめます。同価格帯のほかのウイスキーと比べてもお得感がありますからおすすめです。品薄にならないうちにどうぞ。