ジェムソンカスクメイツの特徴・スタウトエディションとは
アイリッシュウイスキーのジェムソンはアイルランドのコーク郊外にあるアイリッシュ・ディスティラーズ社(ペルノ・リカール社傘下)のミドルトン蒸留所が造っています。
「カスクメイツシリーズ(Jameson Irish Whiskey Caskmates)」はジェムソンのスタンダードにクラフトビールの味わいを追加したシリーズ。
クラフトビールを熟成した樽をウイスキーのフィニッシュに使うことによって、本来の持ち味にビールの清涼感がプラスされています。
その第1弾として販売され、現在も人気なのがスタウトエディション。
ミドルトン蒸留所があるコークで人気のクラフトビールのマイクロブルワリー「Franciscan Well(フランシスカン・ウェル)」のスタウトビールを貯蔵した樽が使われています。
スタウトビール(黒ビール)の樽風味をプラス
製造工程はまず、ジェムソンの熟成に使用した樽がフランシスカン・ウェルに渡され、スタウトビールが貯蔵されます。
スタウトビールとはギネスなどに代表される、しっかりとした苦味とすっきりした後味が主流の黒ビールです。
その後、ビールを取り出した樽をミドルトン蒸留所に戻して、原酒をフィニッシュ(後熟)させます。
黒ビール樽由来の味わいが、ほんのりしたホップの香り、カカオやチョコレートのような特徴ある風味を出しています。
ジェムソンスタウトエディションをテイスティング
ジェムソンスタウトエディションをテイスティングしてみました。開栓するとスタンダードよりも苦味のある香りが漂います。
ストレートではビール樽の爽やかな苦味が心地いいです。ビール樽=水っぽい?ような先入観がありましたが、そのようなことはまったくなし。
口に含んだ瞬間、アルコールの辛味がきたかと思うと、それはウイスキーの辛味にビールの苦みが混在した繊細なものでした。
爽やかな苦味の後からジェムソンならではのバニラの甘みがしっかりときます。ハイボールではストレートで感じた新鮮な印象がややぼやけるものの、飲み終わりにさっぱりした香りの良いキレがあります。
ビールの質がいいからこその味。スタンダードよりこちらの方が良いという人もいるはずです。通販なら価格も500円程度の違いなので、ジェイムソンフリークならストックもありですね。
こちらTwitterの投稿です。
ジェムソンスタウトエディション。ジェムソン熟成樽でスタウトビール(黒ビール)を造って取り出し、その樽でジェムソンを追熟。ストレートはウイスキーと爽やかなビールの苦味が混在して繊細です。水っぽさは皆無。後味で甘みも効いて美味。#ジェムソンスタウトエディション #ビール樽 #黒ビール #味 pic.twitter.com/IEKGpOaHtb
— きらきらさんさん (@Kirakira_San3) December 16, 2021
ジェムソンスタウトエディションの価格・一般レビュー評価
ジェムソンスタウトエディションはアルコール度数40度・700mlで、2022年1月8日の記事アップ日時点で税込2,200円ほど。
このブログで初めて紹介したのが2019年8月下旬ですが、当時から変わっていないので価格変動のない安定した銘柄と言えそうです。
通販の一般的な評価では星4つ以上なのでかなり高い評価です。まずはまずはマイナスを指摘する感想から。
「不味くはないけど香りが弱い」
「美味しいウイスキーだが、もっとアイリッシュの癖、味わいを期待していた。それ程個性的ではなかった」
「黒ビールの風味と言うのでそれを期待して買ったけど、普通のジェイムソンって感じ」
「後味が少し良くない。それ以外はいいウィスキー」
「ウイスキーはジンジャーハイボールで飲みます。このウイスキーにその飲み方は合いませんでした」
支持するレビューは以下の通り。
「他にもビールの樽で熟成したウイスキーがあったけど、これは確かにその風味がある。ハイボール、ロックと試しましたが、自分はとても気に入りました。美味しい」
「ジェムソンのスムースさや飲みやすさが、ビアカスクによってジェムソンの個性になった。飲みやすいのもさすが」
「スモーキーなウイスキーとは違った香り、風味が魅力的。私には新感覚の味わいで、好みなのは間違いなし」
「なめらかな味わい。決して高級品というわけではない価格帯でこれだけの味わいが楽しめるものなのかと驚いた」
マイナスの感想は「おいしいけれど少し残念」というニュアンスが多く、強い否定感はないようです。
黒ビール風味を強く期待するとがっかりするかもしれないので、ジェムソンに微妙な苦みの味付けがついていると考えたほうがいいかもしれません。
ビール風味のほんのりした苦味がウイスキーについていることが好きかどうかもあると思います。
おすすめの飲み方
おすすめの飲み方も紹介されています。個人差はありますが、ストレートで飲むととビール感が強く、氷を入れると一気にジェムソン特有の甘さが出ると評する人もいます。
私としては清涼感のあるビールの後味も楽しみたいので、濃いめのハイボールが一番合うかと思いました。
ちなみに、香りを活かすようにスイーツづくりに使う人もいるようです。
カスクメイツ第2弾IPAエディションとは
ジェムソンカスクメイツの第2弾が「IPAエディション(Jameson Caskmates IPA Edition)」です。
第1弾と同じ、フランシスカン・ウェルとの再コラボで、IPA(インディア・ペールエール)でシーズニングされたビア樽でフィニッシュしているのが特徴。
2017年12月よりアメリカ、2018年より本国アイルランドで販売されましたが、その後、日本の通販ではわずかに流通しているようですね。
アルコール度数40度・1000mlのみで、2022年1月8日の記事アップ日時点での最安値(税込)は4,300円ほど。
価格もそれなりなのでちょっとどうかなと迷う方は「ジェムソントリプルパック」が税込3,700円ほどで販売されているのでおすすめします。
スタンダード・スタウトエディション・IPAエディション各40度・200mlの3本セットです。
カスクメイツ東京エディションとは
カスクメイツには日本限定版の「ジェムソンカスクメイツ東京エディション(Jameson Caskmates Tokyo edition)」もあります。
東京エディションは2018年6月から数量限定で販売されましたが、大人気のために現在はもう在庫が見当たりません。
紹介だけしておきますと、こちらは世界的にも高く評価されている東京のクラフトビールブルワリー「DevilCraft(デビルクラフト)」とのコラボによるもの。
デビルクラフトはホームブルワーとして自家醸造を楽しんでいた3人のアメリカ人がつくった会社で、本場アメリカで学んだシェフによるシカゴスタイルピザでも知られています。
東京エディションはジェムソンの熟成樽でデビルクラフトのビール2種類(インペリアル・スタウトとインペリアル・ライ・ブラウン・エール)を別々の樽で熟成させます。
その後、ビールを取り出したら2つの樽でジェムソンを約10ヶ月間後熟。最後にブレンドすることで、2種類のビール熟成樽の特徴を併せ持った、贅沢なウイスキーに仕上げています。
ちなみに、ジャパンリミテッドという銘柄もありますが、まったく違うシリーズなのでご注意くださいね。