「ジムビーム(Jim Beam)」はケンタッキー州クレアモントにある、ジムビーム蒸溜所で造られているバーボンウイスキーです。ビーム サントリーが製造・販売していて、CMでもおなじみですね。
創業者の名前はジェイコブ・ボーム。1740年、ドイツ移民として初めてアメリカに足を踏み入れたボーム一家は、ドイツ語の姓を「ビーム」と変えます。
1788年にジェイコブ・ビームはケンタッキーに住まいを移すと、トウモロコシを栽培。蒸溜所を創設して、トウモロコシの一部を使ってウイスキーをつくり始めます。
ケンタッキーの石灰岩層でろ過された上質な湧き水「ライムストーンウォーター」は、トウモロコシの栽培にもバーボンづくりにも最適でした。
1795年に初めて作ったウイスキーの樽を販売すると、開拓者、農民、商人の間で人気となり、一族が経営する蒸溜所は「オールド・タブ」と呼ばれるようになります。
3代目のデイヴィッドが事業を引き継いだあと、業界の技術革新がやってきます。それが、コラムスチル(筒状の塔型連続式蒸溜器)の登場。
蒸溜能力は向上、列車や蒸気船の運搬も始めて、瓶詰めバーボン「オールド・タブ」は知名度の高いブランドに成長します。
そして、1894年、デイヴィッドから一族の蒸溜所を引き継いだのが、彼の息子である通称「ジム・ビーム」こと、ジェームズ・ボーリガード・ビーム。
彼は工場で事故があったときのために、バーボンの酵母株のサンプルを大切にしていました。酵母株が絶えないように毎週末、水差しに入れて家に持ち帰っていたんですね。
ところが、1920年に禁酒法が始まり、バーボンがつくれなくなります。再開できたのは13年後の1933年。
69歳となっていたジム・ビームは、息子のT・ジェレマイアとともに、わずか120日後に自らの手で蒸溜所を再開します。
翌年には禁酒法後初のバーボンが販売され、ブームが再燃して会社はふたたび軌道に乗ります。そして、1943年に彼に敬意を表して「オールド・タブ」から「ジムビーム」に名称が変更されたという歴史になるんですね。
ちなみに、ジムビームでは現在でも禁酒法時代につくったのと同じ酵母菌を使用しているそうです。
ジムビームの種類はとても多いのでどう違うのか、わからない方も多いですね。種類はスタンダードの「ジムビーム(ホワイト)40度」のほかに以下があります。
「ハニー 35度」
ジムビームにはちみつを加えて仕上げたハニーバーボンリキュール。リキュールなので甘めです。
「アップル 35度」
青リンゴ風味のスピリッツを加えたタイプ。ハニーバーボンほど甘くないものの、こちらもバーボンリキュールなので甘め。
「ダブルオーク 43度」
4年間バーボン樽で熟成後、さらにアメリカンホワイトオークの新樽で後熟というダブル工程。スタンダードよりも樽熟成の風味が強い。
「ブラックラベル 40度」
スタンダードの上級品。6年以上じっくりと熟成。香りが濃厚でややクセあり。
「デビルズカット 45度」
樽材にしみ込んで微量に残った原酒「デビルズカット(悪魔の取り分)」を抽出してブレンド。
「ジムビームライ 40度」
ライ麦原料のライ・ウイスキー。製造方法は他のジムビームと同じで、ライ麦風味が強いのが特徴。
「シグネチャークラフト 43度」
ジムビームの中でも最も古い、12年の樽熟成。香りが強くてまろやか。
スタンダードの「ジムビーム(ホワイト)40度」の容量は200ml、700ml、1000ml、キングサイズ1750ml、ペットボトル2.7L、ペットボトル4000ml(4L)と豊富です。
「イエローラベル」や「黄色ラベル」というのは旧ボトルです。飲み方はロック、ハイボールとありますが、おすすめなのはカクテル「ミントジュレップ」。
ジムビームに砂糖をお好みの量入れたら、水または炭酸水で割ってミントを載せるだけ。ミントの好きな方は先にミントを入れて、バー・スプーンで潰せば香りがよく出ますよ。