ジムビーム ライは黄色ラベルからのリニューアルで緑に
「ジムビーム ライ(Jim Beam Rye)」はジムビームで知られるビームサントリー社のライウイスキーです。黄色いラベルからリニューアルされて緑に変わっています。
100%ライ麦原酒ではなく、コーンなどで造った原酒とのブレンデッドウイスキーです。
アメリカの法律におけるライウイスキーの定義は、原料にライ麦を51%以上使い、アルコール度数40度以上80度以下で蒸留、内面を焼いたオーク材の新樽で熟成させたもの。ですから、ライ麦100%でなくても名乗れるわけですね。
飲み方は香りが引き立つハイボール、ライ麦パンをおつまみに
100%ライ麦原酒ではカナディアンウイスキーの「アルバータプレミアム」が知られているように、ほろ苦くてスパイシーな風味が特徴です。
ジムビーム ライではその独特の風味やクセを抑えるために、ブレンデッドウイスキーとしてやわらかい口当たりになっています。。
とはいえ、定番のジムビームと比べたら強いスパイシー風味の違いがはっきりしているので、飲み方はハイボールがおすすめです。
定番よりもキリッとしたパンチを感じ取れるはずです。おつまみにライ麦パンのサンドイッチを合わせるのもおしゃれです。
価格とテイスティングレビュー、旧ボトルは品薄に
黄色いラベル(旧ボトル)の従来品は40度で700ml、並行輸入品の750mlがあり、だんだん品薄になってきています。
かつては現行品と同じ価格でしたが、記事アップ日時点での最安値価格(税込)で1,800円ほど。
緑のラベルは700ml、アルコール度数は40度。記事アップ日時点での最安値価格(税込)で1,400円ほど。
並行輸入品、正規品で価格差はないようですね。
一般的な評価は「素のジムビームよりも癖のある香り。ハイボールに使うと特徴的香りが薄まって丁度良い」「ジムビームにない爽快感。炭酸で割ってぐびーっとのむ心地よさ」「値段も手頃でライ初心者にも優しい味」など、ハイボール押しのテイスティングレビューが多いですね。
ジムビーム ライ |
通販販売店の 最安値価格(税込) |
黄色ラベル(旧ボトル) (40度・700ml・750ml) |
1,800円ほど |
緑ラベル(現行品) (40度・700ml) |
1,400円ほど |
アメリカにおけるライウイスキーの歴史
アメリカのウイスキーづくりは不良土壌でも育つライ麦を主原料にしたライウイスキーからはじまったと言われます。
発祥はドイツ系移民がライ麦栽培が盛んに行っていたペンシルベニア州南部。ドイツには小麦やライ麦を原料にするコルン(Korn)という蒸溜酒があったため、その蒸溜技術で造られていました。
独立戦争(1775年から1783年)後にはスコットランド・アイルランド系移民も加わり、ペンシルベニア州とメリーランド州で盛んに生産されていきます。
この時代に登場するのが、ジムビーム創業者のジェイコブ・ボーム。ドイツ系移民の彼は1788年にケンタッキーに蒸溜所を創設、ライウイスキー造りとともにトウモロコシを使ってバーボンウイスキーをつくり始めます。
ライウイスキーにこだわり続けたジムビームの歴史
19世紀まではアメリカでライウイスキー全盛時代が続きます。ところが、19世紀末のライ興隆時にライ麦が高騰する事態に。ウイスキーにまわすライ麦の量が不足していきます。
さらに、1920年から1933年までの禁酒法でバーボン業界、ライ業界ともに大打撃を受けて衰退。
禁酒法撤廃後にはカナディアンウイスキーに代表される、淡泊で飲みやすいウイスキーに人々の嗜好も変化していきます。
1960~70年代にはライウイスキー製造から撤退するメーカーが相次ぎますが、ジムビーム社は市場規模とは別にライウイスキーをつくりつづけます。
のちに、ウイスキー評論家の故マイケル・ジャクソン氏は「ジムビームのライがあったからこそ、いくつかのライウイスキーメーカーも生き残ることができ、伝統の味わいが廃れなかった」とその企業姿勢に賛辞を贈っています。
低迷期に同社が守り続けたライウイスキーの歴史を知るほどに、なんだか愛着が沸いてきそうなボトルです。