「ジンズウ ジン(Jinzu Gin)」はロンドンのJINZUディスティラリー社が販売しているクラフトジンで、スコットランド・ファイフにあるキャメロンブリッジ蒸留所で造られています。
JINZUディスティラリー社は、ギネス社とグランドメトロポリタン社の合併で誕生したイギリスの酒造メーカー「ディアジオ(Diageo plc)社」の傘下にあります。
このディアジオ社が開いたコンペである「Show Your Spirits Competition2013」のウィナー、英国人女性バーテンダー、ディー・ディヴィーズさんのアイデアから生まれたクラフトジンです。
ディーさんは16歳のときに日本を訪れて以来、日本の文化に強い影響を受けました。ジンズウとは富山県に流れる一級河川、神通川の名称からきています。
神通川を象徴するのが、神通川さくら堤と富山市塩の千本桜の美しさです。さくら堤には中洲にある西神通と中神通を囲むように、800本もの桜並木が4.8kmも続いています。
また、富山市塩では神通川の右岸、塩の堤防には約1km、200本の桜並木が続きます。昭和20年代末に2町3村の合併を記念して地域の人々が植えたものです。
神通川をはさみ、あわせて1,000本という全国有数の桜並木です。彼女がこの景色を見たのかどうかはくわしい情報がありませんが、日本文化への思いは製造方針やデザインにはっきりと示されています。
「ジンズウ ジン(Jinzu Gin)」は伝統のコッパーポットスティルを使ってグレーンスピリッツにジュニパーベリー、コリアンダー、アンジェリカが浸されたあと、柚子と桜の花が短時間だけ加えられて蒸留されます。
アルコール度数82度となった原液には、日本酒(純米酒)をブレンドすることで60度まで度数を下げます。さらにスコットランドの水が加えられて41.3%のジンに調整されます。
ボトルのガラスには正面に傘を持つ鳥と桜、背面に鳥かごが印刷されています。ボトルには鳥を象徴しているというコルクストッパーが付いていて、女性的で端正なデザインです。
ちなみに、ディー・ディヴィーズさんは「Dee Jinzu Davies」のニックネームでツイッターをやっています。幼いお子さんのママさんでもあるんですね。
ジンズウ ジンを使ったカクテルの画像などもアップされていますから、おすすめの飲み方のヒントがご本人から得られます。
ストレートやロックで試してみると、柚子からくる新鮮な柑橘風味と日本酒由来のまろやかな甘みが感じとれます。