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ジョニーウォーカーダブルブラック 黒との違い、味の評価や開け方は

ジョニーウォーカーダブルブラックとジョニ黒との違いとは

「ジョニーウォーカーダブルブラック(Johnnie Walker Double Black)」とブラック(ジョニ黒)との違い、価格、味の評価、オールドボトルの開け方などについて解説します。

 

ジョニーウォーカーダブルブラックは同ブランドを所有するディアジオ社の蒸留所で造られる原酒による、ブレンデッドウイスキー。日本ではキリンが販売しています。

 

ジョニーウォーカーの上位版を系統的にたどると、「レッドラベル(通称・ジョニ赤)」→「ブラックラベル(ジョニ黒)」→「ゴールドラベル(ジョニ金)」→「プラチナラベル」→「ブルーラベル(ジョニ青)」→「キングジョージ5世」の順序になります。

 

アイラ島の画像
Islay アイラ島

 

しかし、今回紹介する「ダブルブラック」はブラックと名がついていますが、もともとこの系列には属さない限定版でした。

 

免税店などでの限定商品でしたが、好評のため数量限定での発売となったようです。 

ダブルブラックと黒・キーモルトの違いで味のバランスが違う

ダブルブラックとブラックラベル12年(黒)との違いのひとつは、ダブルブラックが熟成年数表示のないノンエイジ(NA)であること。

 

ブラックラベルのキーモルトはカーデュ(スペイサイドモルト)、タリスカー(アイランズモルト)、ラガブーリン(アイラモルト)と言われています。

 

これにたいして、ダブルブラックはアイラモルトアイランズモルトが多く使われていて、とくに燻製のようなスモーキーさからラガブーリンが多く使われているのではと推測する人もいるんですね。

ブラックラベル(黒)よりも、スモーキーでピーティーな味わいで、甘味とともに渋みやコクが感じられる仕上がりになっています。

 

つまり、同じブラックでもまったく異なる風味。

 

ブラックラベルはアルコールの刺激が強めながらも万人受けする飲みやすいブレンドになっているのにたいして、ダブルブラックはスモーキーさと酸味が強く、ややクセのある風味なので、これをおいしいと楽しめるかどうかですね。

 

いずれにしても、ブラックラベルの上位版をお探しならダブルブラックよりもゴールドラベルがおすすめです。

 

ちなみに、ダブルブラックの上位版の系統に属さないタイプもあるので、参考まで記載しておきます。

 

15年以上熟成したモルト原酒のみを使ったという「グリーンラベル(ジョニ緑)」。

 

3代目アレックス・ウォーカーが造った高級ブレンデッドで船がローリングしても倒れない特殊なボトルの「スウィング」などがあります。

ダブルブラックウイスキー・風味のテイスティングノート

あくまでも私流で恐縮ですが、ジョニーウォーカーダブルブラックのテイスティングノートを紹介します。

 

開栓してみると、しょっぱい磯の香りがします。割と重くずしりと鼻にくる香りです。ストレートで口に含んでみるとまったくピリピリ感なし。

 

ジョニーウォーカー本来のピリピリ、ガツンの力強い男性的スタイルと違うので、戸惑いがあるかもしれません。

 

また、飲んだ瞬間に代表的なアイラモルトのアードベッグラフロイグラガヴーリンボウモアや、アイランズモルトのハイランドパークタリスカーが頭をよぎり、つい比べてしまいます。

 

決定的にアイラのシングルモルトと違う点は2つ。ピート香が非常にマイルド。そして、甘い風味に寄せず、ジョニーウォーカー特有の辛味を生かした仕上がりを踏襲しているものの、主張は控えめなこと。

 

グレーンウイスキーとのブレンデッドということもあり、アイラモルトやアイランズモルトの魅力が薄まっている、悪く言ってしまえば中途半端な印象もあります。

 

ピート(泥炭)の画像
peat ピート(泥炭)

アイラモルトと比べてうまい、まずいよりも「アイラ風ブレンデット」の認識を

アイラモルトは強いピート+フルーティな甘味、あるいは強いピート+フルーティな甘辛味の組み合わせですが、そのどちらでもない感じです。

 

つまり、控え目なピート+控え目な甘辛味。脳がアイラモルトの固定観念に慣れてしまっていると、いくらかの反発があるかも。

 

アイラモルトはアルコール度数の高いものも多く、そのグレードを引きずったままでこれを口にしてしまったら、物足りなく感じてしまうのも仕方がないかという気がします。 

 

ハイボールにするとさらにその個性は消えがちで、ピートも弱まるのでとまどいます。

 

ピートを楽しめばいいのか、辛味を楽しめばいいのか‥‥これならブラックラベルの方がいいと感じる方もいらっしゃるかも。

 

ただし、濃いめのストレートやロックで飲むなら楽しめると思います。 そして、アピートのクセが強すぎる、甘すぎるウイスキーが苦手な方には合うでしょう。

 

また、アイラモルトが高すぎると感じるなら、手近な値段で楽しめる「アイラ風のブレンデットウイスキー」としての魅力はありますね。

 

ジョニーウォーカーのウイスキーボトルの画像

ジョニーウォーカーダブルブラックの価格・味の口コミ評価は

ジョニーウォーカーダブルブラックは40度で700mlと1000mlがありましたが、現在大手通販では1000mlの在庫がないようですね。

 

参考までに記事アップ日(2021年5月3日)の価格は、700mlが税込2,400円ほど。

 

ちなみに、ブラックラベル12年(黒)も40度で700mlと1000mlがあります。こちらも記事アップ日の価格が、700mlが税込2,100円ほど、1000mlが税込2,700円ほど

ジョニーウォーカー

Johnnie Walker

記事アップ日の

通販価格(税込)

特徴

ブラックラベル12年

Black Label

(40度・700ml)

2,100円ほど

・キーモルトはスペイサイドのカーデュ、ススカイ島タリスカーアイラ島ラガヴーリンなど29種類

・グレーンも含め、最低12年以上熟成の40種類によるブレンド

ブラックラベル12年

(40度・1000ml)

2,700円ほど

ダブルブラック

Double Black

(40度・700ml)

2,400円ほど

・キーモルトにはブラックよりもアイラモルトアイランズモルトが多い

・スモーキーでピーティーな個性

・ブラックよりもアルコール刺激が少ない

・渋みやコクがある

・ノンエイジボトル

一般的な評価からまずはマイナスを指摘する感想をあげてみます。

 

「ブラックラベルの濃厚版かと思い購入したが、まったくの別物。芳醇な香りはピートの臭いの裏手に回ってしまい、私の嗜好には合わなかった」

ラフロイグなどに比べると、中途半端にスモーキー」

「香りはスモーキーでよい感じだが、味わいが淡泊に感じる」

「悪くはないが積極的に飲みたいって感じでもなかった」

「スモーキーさが際立って、ジョニ黒本来の万人受けする爽やかな味わいがない」

「ブラックラベルよりも濃いものを想像していたが味はそうでもない。上品な香りがするだけに残念」

 

支持するレビューは以下の通りです。

 

「ブラックよりコクと甘みもあり、まろやかで飲みやすい。ブラックはさっぱりしているが、ダブルブラックはスモーキーフレーバーの余韻が残る」

「ジョニ黒よりもワンランク上の美味しさ。トゲトゲしさが全然なく、飲み口はスッキリしているのに余韻はとても滑らか。飲んだ後も心地よい香り」

「アイラモルトには負けるが、価格がほぼ半分だからいい」

「ダブルという名称と深い色のわりに、樽の香味やモルトなどの風味はアッサリで上品。独特のピート香も控えめで飲みやすい」

「ボトルは濃紺でお酒が琥珀色。お酒が減れば減るほど、黒だと思っていたボトルが美しい濃紺へと変化していく。見た目も楽しい一本」

 

やはり、ダブルブラックの味に疑問を感じた方は、アイラモルトが苦手だったり、やっぱりシングルモルトでなければという方だったりしますね。

 

とはいえ、価格面でも手ごろなので、アイラモルトやアイランズの入り口として一度は通ってみてはいかがでしょうか。

ジョニーウォーカーの黒・特級 オールドボトルの開け方

「ジョニーウォーカー 黒 特級」で調べてみると、オールドボトルも出ています。

 

ちなみに、並行輸入品やアウトレット品のダブルブラックを購入した人のなかには「蓋を開けたら中にビー玉のようなものが見えたけど、開け方がわからない」という人もいます。

 

これは開発途上国への輸出用につくられた「玉付き」と呼ばれるもの。これでお酒を入れ替えて売るのを防止しているのだそうです。

 

開け方は思い切ってひっくり返して注げば出てきます。一気に出ないので心配ありません。

 

あるいは、逆さの状態でボトルの底を手のひらで軽くポンポンと叩くともっと出てきますよ。