キルホーマン ロッホゴルムシェリーカスクの特徴と種類
「キルホーマン ロッホゴルム(Kilchoman Loch Gorm)」はスコットランド・アイラ島のキルホーマン蒸留所が造っているシングルモルトウイスキーです。
キルホーマン銘柄には多くの種類がありますが、ロッホゴルムはなかでも年1回しかリリースされない希少なシェリー樽熟成の限定品。
フェノール値50ppmの大麦麦芽を使ったヘビーピートであること、さらにオロロソシェリー樽だけを使った熟成年数銘柄というのが特徴です。
キルホーマン サナイグとの違い、種類の多さに注意
別記事で紹介した「キルホーマンサナイグ(Kilchoman Sanaig)」も50ppmの大麦麦芽を使っていますが、シェリー樽熟成原酒は70%で残りはバーボン樽がブレンドされています。
ロッホゴルムのほうがより濃厚で、熟成が長めの落ち着いた味わいになっています。また、リリース年によって熟成年数や使われる樽の年代、種類も違うんですね。
たとえば2015年リリースはシェリー樽とシェリーホグスヘッド樽が使われています。2009年、2010年蒸溜の比較的若い原酒だったので、シェリーホグスヘッドも併用することで熟成を早く進ませる狙いがあったようです。
ロッホゴルム銘柄は種類によって味わいも異なるわけですが、人気があるのは2017年、2018年。
そのほかに2015年物以降がわずかに残っていて流通しています。販売店によってはボトル表示に2010年と書いてあります。
これは2010年蒸溜で発売は2015年だったりするので混乱しがちです。何年のリリース物かをしっかり内容をチェックしてみてください。
ロッホゴルム2017・2018年の違いとは
ロッホゴルムの2018年リリース物に使われているのは、10年以上熟成された原酒と3つの年代(2007、2008、2011)のオロロソシェリー樽が19樽。
世界で15,000本という限定リリースで、日本でもすでに希少となっています。ちなみに、2018年物こそが欧米では「キルホーマンの最高傑作」と呼ばれて人気が高いとか。
2017リリース物は2009年に蒸溜、オロロソシェリー樽だけを使った7年熟成物。世界で13,500本が限定リリースされて、現在、日本での流通はごくわずか。
7年熟成なので、たしかに2018年リリースと比べるとちょっと若いですね。キルホーマン蒸溜所は2005年にアイラ島に設立されたばかりなので、年を経るごとにだんだん熟成年数物が充実してくるというわけです。
ロッホゴルム2017・2018年の価格とレビューの評価
ロッホゴルム2017年リリースはアルコール度数46度・700mlで、最安値価格(税込)は9,000円ほど。2018年リリース、2015年リリースを調べてみると同じ46度・700mlで、最安値価格もほぼ同じです。
通常、古いボトルほど高くなりますが、先に述べたようにキルホーマン銘柄はまだ若いので、これから流通するほうが価値があると判断されているのでしょう。
いちばん評価の高い2018年の一般的なレビューでは「アイラモルトらしいピート香とヨード香が強い。濃厚なドライフルーツの香り」「荒々しいピーティさとスモーキーさにあとから甘みが調和してくる」など、アイラ好きなら高評価の感想です。
好きな人はストレートやロックですが、ちょっとキツイと思ったら加水してみるとおだやかになって飲みやすくなります。ドライフルーツをおつまみに楽しみたいですね。