キルホーマンマキヤーベイの樽・風味の特徴と評価、カスクストレングス
「キルホーマン マキヤーベイ(Kilchoman Machir Bay)」のフェノール値や樽、風味の特徴と評価、さらにカスクストレングスについて紹介します。
キルホーマン マキヤーベイはスコットランド・アイラ島の北西部にあるキルホーマン蒸留所が造っている、ノンエイジのシングルモルトウイスキーです。
マキヤーベイ(Machir Bay)は蒸溜所から半マイル(約804.5m)の距離に位置する、アイラ島で最も美しいといわれるビーチの名前からつけられています。
2005年に設立された蒸留所で、アイラ島では124年ぶりという新しい蒸留所。最初のボトルは2009年にリリースされました。
農家兼蒸留所が自前の大麦を蒸留
アイラ島の蒸留所はすべて海岸に建てられていますが、同蒸留所はアイラ島の中でもいちばん海から遠くに立地しています。
その理由はマックリー湾近くのロッホサイドファームと併設されている、「ファームディスティラリー(農家兼蒸留所)」と言われる農場を持つ蒸留所だからなんですね。
使用するモルトの一部は、自前の畑で獲れた大麦を使用。いまは一部ですが、将来的には自らの麦芽だけでシングルモルトをつくる予定だそうです。
ここではスコットランドでも少なくなった自社でのフロアモルティングも一部行っています。
原料は自らフロアモルティングしたアイラ産麦芽とポートエレンにある製麦工場オーダーの麦芽の2種類。
アイラ島のファームディスティラリーやフロアモルティングなど、伝統的な製造方法にこだわりをもって造られています。
特徴はバーボン樽のバニラ香とヘビーピート
「キルホーマンマキヤーベイ」は同蒸留所の定番商品。バーボン樽での熟成年数が3年から5年間の若い原酒を主体にブレンドしています。
ノンエイジで熟成感は少ないものの、ヘビーピートが大きな特徴です。
フェノール値で40から50ppm以上がヘビーピートと言われるなか、マキヤーベイの原料の2種類はアイラ産が20ppm~30ppm、ポートエレン製麦工場産が55ppmに調整されています。
それを合わせた麦芽のフェノール値は50ppmで、アードベッグ(55から60ppm)とほぼ同程度なんですね。
キルホーマンマキヤーベイの価格と口コミ評価
「キルホーマン マキヤーベイ」はアルコール度数46度・700ml。最安値価格でも5,000円ほどとノンエイジのウイスキーにしては高価格。
タイミングがよければ、同価格で750mlというお得ボトルも販売されていますのでチェックしてみてください。
熟成年数が若いとはいえ、一般的な評価はすこぶる高く、星5つ中4.5以上です。
とくにマイナス評価を指摘するレビューはないので、支持するレビューを紹介しましょう。
「ラフロイグやボウモアに比べればややマイナー感はあるが、アイラモルトの個性はボウモアよりもしっかり出ている気がする」
「ボウモアのような万人向きの味ではないかもしれないが、フルーティーとピーティーのバランスの良さがいい」
「特徴はスモーク、ピート、フルーツ、ナッツ、そしてスモークミート。強烈な香りに圧倒されるが、飲んでいるうちに匂いがふっと消えてくる」
「ポートシャーロット10年と遜色が無く驚いた。若い原酒のバッティングでこのパフォーマンスは素晴らしい」
「若い原酒を煙と組み合わせて調和することはめったにないが、このウイスキーは完全に納得させられた(ドイツ)」
「まだ若いウイスキーだが、甘草、果物、バニラのノート、ヨウ素化されたピートの性質で、あなたの味覚の芽を喜ばせるだろう(フランス)」
おいしい飲み方としては、まずはストレートでいただきたいところですが、きついと感じるようならロック、トゥワイスアップにすると、アルコールの刺激が少し弱まって、果実感が増してきます。
ハイボールでも濃いめでじっくり飲みたいですね。
マキヤーベイカスクストレングスとは?特徴と価格
2015年後半、ヨーロッパ本土からキルホーマンの農場蒸留所10周年記念ツアーが企画されました。
そのツアー専用に製造されたのが、「キルホーマンマキヤーベイカスクストレングス(Kilchoman Machir Bay Cask Strength 2015)」です。
アルコール度数58.9度・700ml。デザインがレギュラーボトルと似ていますが、シルバーのラベルに「10th Anniversary Tour 2015」と表示されています。
全世界1500本限定ということなので、日本の大手通販にはほとんど在庫がなく、今日現在かろうじて在庫を確認したヤフーショッピングでは税込38,500円と高騰しています。
樽本来の風味を味わいたい方はお早めにどうぞ!