ザ・レイクスジンの特徴・イギリス湖水地方のカンブリアンボタニカル
「ザ・レイクスジン(The Lakes Gin)」はイギリス・湖水地方のコッカーマスの町から10キロほど東、バッセンスウェイト湖のほとりにある「レイクス蒸留所」が造っています。
湖水地方(Lake District)とはユネスコ世界遺産にもなっている、イングランド北西部ウェストモーランド・カンバーランド郡・ランカシャー地方にまたがる地域です。
レイクスジンは高品質な英国産ウィート(小麦)ベースのスピリッツに、カンブリアンジュニパーのほか、ヘザー、ホーソン、ミントを中心に計14種のボタニカルが使われています。
なかでもジュニパーのほか、6種類にカンブリアの植物が使われているというのが特徴なんですね。
イギリス産の貴重な野生ジュニパーベリーを使用
カンブリアとはイングランド北西端、日本の「県」にあたる地域の名称です。
1974年に当時のカンバーランドとウェストモーランド、ランカシャーとヨークシャーの一部が合併して誕生しました。
古くはケルト系のカンブリア人が住み、カンブリア語が話されていたことにさかのぼります。
イギリス国産種のジュニパーは絶滅が危惧されています。
イギリスのジュニパーのうち4分の3を生み出すスコットランドでも、一般的なジュニパーと亜種の両方が食害や森林創出、焼畑、食害、菌により危機的な状態にあるのだとか。
その8割が「成長を終えたか、老齢に達したか、枯れている」状態にあり、イタリア産に切り替える蒸留所もあるそうです。
すでに保護活動が始まっているそうですが、イギリス産の野生ジュニパーが残るのは湖水地方のこの地域だけなんですね。
貴重なカンブリアンジュニパーを味わえるのは、皮肉にも少量生産のクラフトジンだからこそと言えるのかもしれません。
ザ・レイクスジンの価格と種類・ウイスキーも人気
ザ・レイクスジンはアルコール度数43.7度・700mlで、今日現在の最安値は5,800円前後という高級ジンです。
レイクスジンの種類にはエクスプローラーもあり、こちらは47.1%・700mlで、今日現在の最安値は7,000円前後。
レイクスジンとの違いは、ボタニカルなど13種の量を多くして、一晩浸漬して蒸留時間を長くしてより強い香りを引きだしていることにあります。
ちなみに、レイクス蒸留所では自然に恵まれた環境が生み出すウイスキーの人気も高いですね。
ブレンデッドの「レイクス ザ・ワン ウイスキー(LAKESDISTILLERY LAKES THE ONE)40度・700ml」、イングランドとスコッチのモルトを世界で初めてブレンドしたピュアモルトウイスキー「スチールボネット(Steel Bonnets)46.6度・700mlがあります。
レイクス蒸留所・レイクスディスティラリーの歴史
「レイクス蒸留所・レイクスディスティラリー」のあるダーウェント湖は、湖水地方北部の中で最も美しい湖と言われています。
ダーウェント湖観光の街、ケズウィックの南にはサプライズ・ビューと呼ばれる絶景ポイントが人気。
ピーターラビットの故郷としても知られるこの地域で、ポール・カリー氏らによる蒸留所の計画が動き出したのは2013年のことでした。
ポール・カリー氏のお父さんはシーバスブラザーズで代表を務めるなど、長年ウイスキー業界で培った経験を持つハロルド・カリー氏。
ハロルド氏は1995年、スコットランドのアラン島でアラン蒸溜所を設立しました。
150年以上ぶりにウイスキーづくりを復活させた人ですから、息子さんにもウイスキー造りの遺伝子が受け継がれているわけですね。
レイクス蒸留所は2014年12月からモルトウイスキーの製造を開始、「ザ・レイクスジン」はその後に誕生した銘柄です。
ウイスキーにも使われるハンドクラフト銅製ポットスチル
レイクスジンはハンドクラフト銅製ポットスチル「チェミー」によって最長8時間かけてゆっくりと蒸留されたあと、ダーウェント川の新鮮な水で度数調整されています。
ポットスチルの「チェミー」はポール氏の奥さんである、レイチェルさんのお名前が由来だとか。
見学もできる蒸留所は、オープンして半年ほどで5万人が訪れたという観光名所。
蒸留所内にあるレストラン兼バーでは、北イングランドで初めてミシュランの星をもらったという一流シェフが腕をふるっています。
レイクス蒸留所の敷地内ではかわいいアルパカが出迎えてくれます。