マッカランダブルカスク12年とスタンダードとの違い
「ザ・マッカラン ダブルカスク12年(The Macallan Double Cask Highland Single Malt Aged 12Years)」はスコットランド・ハイランド地方スペイサイド地域にあるザ・マッカラン蒸溜所が造っているシングルモルトウイスキーです。
スタンダードと「マッカラン12年」との違いはその名の通り、ダブルカスクにあります。種類のちがう2種類の樽を使っているという意味。
12年はアメリカンオークのシェリー樽で12年間熟成させた原酒を使用していますが、ダブルカスク12年はヨーロピアンオークとアメリカンオークのシェリー樽2種が使われています。
同じシェリー樽でも違う特徴を持つ2つの樽
マッカラン蒸溜所ではマスターディスティラーのニック・サヴェージ氏が「ウイスキーの風味の8割は樽由来」と語るだけに、シェリー樽の原木選定から製樽まで自社で徹底管理していることで知られています。
代表的な樽材は2種類で、ダブルカスクにも使われているアメリカンオークとヨーロピアンオーク。アメリカンオークはホワイトオークとも呼ばれ、主に北米で伐採されています。
木目が細かく、樽香、バニラ香を持つバリニン香が生成しやすいという特徴があり、ワインや焼酎の熟成にも多く使われているんですね。マッカランではスタンダード12年に使われます。
ヨーロピアンオークは収穫まで約100年と成長が遅く、アメリカンオークより希少な木材。タンニンがアメリカンオークの5倍あり、ウイスキーにドライフルーツ風味やジンジャーの香りを加える特徴があります。
樽の製造工程、こだわりが価格に反映
マッカランでは乾燥させたオークはスペイン・ヘレスのボデガ(樽工房)まで送られ、シェリー用の樽に加工されることに。
樽組みされると、バーボン樽でお馴染みのチャーではなく、温度、時間、湿度などが細かく規定されたトーストという焙煎方法でじっくり時間をかけて熱を加えられます。
その後、ヘレスで18カ月ほどシェリーを貯蔵してからスペイサイドまで輸送され、モルトウイスキーの原酒が樽入れされるという長い工程。熟成されている原酒の数は28万樽もあるそうです。
ダブルカスク12年の評価と価格
ダブルカスク12年はアルコール度数40度・700mlで、ここまではスタンダードと同じ。スタンダードよりも入手しやすく、700mlの最安値はどちらも6,200円ほど。
高級価格で手が出にくいので350mlの人気が高いのも、マッカランならではでしょう。今日現在、スタンダードのほうは見当たらず、ダブルカスク12年はほぼ半額のようですね。
ダブルカスクの一般的な評価でよく見かけるのが「美味しいけれど値段が高い」というマイナスポイント。ほかには「定番よりも軽い」という感想も。これは個人的な好みの差で、感覚が違えば「スッキリしたキレの良い味」という表現になるのでしょう。
マッカラン銘柄 |
使用する樽と期間 |
通販販売店の最安値価格(税込) |
スタンダード12年 (40度・700ml) |
シェリー樽12年熟成 (アメリカンオーク) |
6,200円ほど |
スタンダード12年 (40度・350ml) |
〃 |
なし(今日現在) |
ダブルカスク12年 (40度・700ml) |
シェリー樽12年熟成 (アメリカン +ヨーロピアンオーク) |
6,200円ほど |
ダブルカスク12年 (40度・350ml) |
〃 | 3,200円ほど |
350mlでもマッカランならプレゼントでOK
支持する口コミは「値段に比例した美味しさ」「お値段もするけど、とにかくまた呑みたくなるウイスキー」「シェリーオーク(定番)と比べると軽いが、甘さと飲みやすさはダブルカスク」など高評価です。
ちなみに、「いろいろ飲んでる人でないと、そこまで差は感じない」というレビューもありました。たしかにそうかも(笑)。350mlをプレゼントに購入する方も数多いですが、それでも喜ばれるのがマッカランです。