マルスウイスキー岩井トラディションとワインカスクフィニッシュとは
「本坊マルスウイスキー岩井トラディション(Iwai Tradition)」と「ワインカスクフィニッシュ(Wine Cask Finish)」は、鹿児島県鹿児島市に本社を置く本坊酒造(ほんぼうしゅぞう)のマルス信州蒸留所が造っているブレンデッドウイスキーです。
岩井トラディションの名称は、かつて摂津酒造(現・宝ホールディングス)の常務をしていた岩井喜一郎(いわいきいちろう)氏に由来します。
昭和35年に本坊酒造マルスウイスキーのウイスキープラント設計と製造指導をしたのが岩井喜一郎氏。
1960年製のポットスティルが稼働して50年後の2010年、リスペクトをこめて発売されたのが岩井トラディションなんですね。
岩井トラディションの特徴
その後、岩井スチルは新しく入れ替えられましたが、サイズ、容量、スワンネックの角度などの変更はされず、まったくの同規格で踏襲されています。
加熱方式だけはスチル底部に設置されたコイル状のスチームパイプで加熱する方式からスチームケトル方式に変わりましたが、加熱方式の変更で風味変化が起こらないように、これまでに近づけるように精密に設計されています。
信州蒸留所のある中央アルプス駒ヶ岳山麓では、冬は氷点下15℃を下回る日も珍しくなく、適度な湿度をもたらす霧も多く、良質な軟水が生み出されます。
仕込み水は中央アルプス駒ヶ岳山麓の花崗岩質土壌で濾過された雪どけ水。グレーンウイスキーとのブレンドによって、香り豊かでありながら辛味は控え目でマイルドな風味が特徴となっています。
岩井トラディションの価格とレビューの評価
岩井トラディションはアルコール度数40度・750mlで、最安値(税込)は2,200円ほど。一般的な評価からまずはマイナスを指摘する感想。「自分には合わなかった。香りがなく、昔のニッカという感じ」「かなりまろやかな味わい。キリッとパンチのある酒が好きな方には物足りないかも」など。
高評価のレビューには「ニッカのフロムザバレルと同等か、それ以上の旨さ」というのが複数。
また、「手頃な値段でとても美味しい」「丁寧に造られている感じがします。かなりまろやかな味わい」「全体的に香りも味も濃い目のため、ハイボールでもロックでも美味しく飲めます。これで2,000円なら十分に良い出来」などが見られます。
ワインカスクフィニッシュとの違い、価格とレビューの評価
「岩井トラディションワインカスクフィニッシュ」はアルコール度数40度・750mlで、最安値(税込)は3,300円ほど。
こちらは「岩井トラディション」を、マルス山梨ワイナリーおよびマルス穂坂ワイナリーの赤ワインに使用した樽に入れて、1年以上後熟させています。
上品な口当たりの柔らかさに、シェリー樽の香りとワイン樽由来の甘いバニラ香が調和。アルコールのトゲトゲしさがなく、優しい口当たりが特徴です。
一般的な評価からまずはマイナスを指摘する感想。「自分には合わなかった」「まろやかですが渋い。せっかくワイン樽に入れていただけるのであれば、微妙な酸味なども味わえるといいのですが、苦味が先行している」「マルスのウイスキーは甘くて飲めません。好みなので仕方ありません」など。
高評価のレビューには「ワイン樽で寝かせただけあってとても香りが良く、ロックで飲むとついつい飲み過ぎてしまうほど美味しい」「ワインの香りに優しい飲み口で虜になりました」「ウイスキーの香りとワインのフルーティーな香りが共存し、普通のウイスキーとは違います」といった感想が見られます。
強めの口当たりや辛口が好きな方には口に合わないかもしれませんが、マイルドでフルーティな飲み口が好きな方には向いています。
ちなみに、スタンダードとワインカスクフィニッシュでも好みは分かれるため、興味のある方は両方試してみるのをおすすめします。