オールドパー12年・風味の特徴や定価、レビュー評価と特級旧ボトル
オールドパー12年の風味の特徴や定価、レビュー評価、特級旧ボトル情報に関して紹介します。
「オールドパー12年(Old Parr 12 Years)」はMHDモエヘネシーディアジオ社が所有するブランドのブレンデッドスコッチウイスキーです。
スペイサイドにあるクラガンモア蒸留所の原酒がキーモルトとなっていて、オレンジ系の酸味と甘み、黒糖のような香りが特徴です。
いかめしいボトルデザインのイメージもあり、ファンが多い反面、飲んでいないという人も多いですが、コスパもいいので試してみてほしい銘柄ですね。
オールドパー12年の定価と最安値価格
2019年11月にデザインがリニューアルされ、オールドパーシルバーが銀色、12年がゴールド、18年がブラックとラベルが色分けされました。
オールドパー12年はアルコール度数40度で750mlと1000mlがあります。日本での販売元であるMHDモエヘネシーディアジオ社の希望小売価格は750mlが5,000円(税抜)。
これを定価の目安とすると、記事アップ日での通販最安値は3,000円ほどなので、かなりリーズナブルに購入できます。
1000mlは並行輸入品なので定価は不明ですが、記事アップ日での通販最安値は3,400円ほど。こちらのほうがちょっとお得になるので人気がありますね。
オールドパー12年のレビュー評価
一般的な評価からまずはマイナス評価を指摘する感想をあげてみます。
「ジョニ黒、シーバスリーガル12年やバランタイン12年の方が華やかで美味い」
「有名なので飲んでみたが、スモーキーで私には合わない」
「シーバスリーガルの華やいだ味と香りを引いて、スモークと言うよりウッド系の味と香りを足して重みを付けたという感じ」
「シーバスリーガルやグレンフィディックよりお金を払ってまで得られるものが有るとは感じない」
支持するレビューは以下の通りです。
「ピートの主張がしっかりしていて、口に含むとフルーティーさが後からやってくる。開栓後、ひと月ほどでピートが穏やかとなり、フルーティー感がわかりやすくなった」
「まろやかで甘口のウィスキーを好む人には良い」
「20年以上飲み続けてます。安定の美味しさ」
「匂いもいいですし、飲んだ後にくるスモーキーな香りも最高」
「黒糖を思わせる香りとともに、甘さとほんの少しの苦みが有りバランスがいい」
「和食にも良く合うところは日本人に愛されている所以なんでしょう」
「フルーツのような香りで、喉が焼けるような感覚がない優しい味」
「口に含んだ時に肌触りの薄いベールを掛けられたような、まったりした触覚を実感。その後、広がる味わいに至福の時を感じさせられた」
たしかに、オールドパー12年はシーバスリーガルやグレンフィディックとはちょっとタイプが違い、味わいは華やかというよりも重みがあって上品という感じでしょうか。
人気の特級旧ボトル・玉なしと玉ありの開け方は?
オールドパー12年には特級と書かれた旧ボトルも人気です。
1980年代に流通した「12年デラックス」は43度で通販最安値が6,000円ほど。
私もオールドパー12年の古酒をいただいたことがありますが、コルクがボロボロだったので茶こしで漉しながら飲みました。
ちょっと酸味を強く感じましたが、スモーキーさと甘味のバランスに深みがあって上品な味だったのを覚えています。
ちなみに、オールドパー12年のオールドボトルでは玉ありとか、玉なしと書かれた広告があります。
玉付きとも言われますが、注ぎ口の中に中蓋のようなものがついています。中のお酒を詰め替えて販売されるのを防止するために作られたものなんですね。
めんどうなので玉なしのほうがいいという方もいますが、ボトルをひっくり返して底を手のひらで軽く叩くと出てきます。
オールドパー・名前の由来とは
オールドパーの名前は152歳まで生きたと言われるイギリスの農夫、トーマス・パーに由来しています。
彼の長寿にあやかってづけられたもので、もともとラベルには彼の肖像画と生没年と言われる年号が記されていました。
現行品でもラベルの背景にパーの肖像画があり、ラベルの外周には彼についての記述が残されているので初めての方はチェックしてみてくださいね。
また、パーはワインを飲むときに四角の器を愛用したらしく、オールド・パーの角瓶はそれを模したものとなっています。
オールドパーと日本の歴史
オールドパー12年は岩倉具視遣欧使節団(明治期の1871年から1873年まで欧米に派遣)が、日本に紹介した最初のスコッチと言われるウイスキーです。
オールドパー12年といえば、日本でもシニア世代の方にとっては特別なウイスキーではないでしょうか。
関税や為替レートの関係もあり、まだ海外のウイスキーが国産よりずっと高価だった時代。
元内閣総理大臣の吉田茂さんは外交官として英国滞在が長かったため、オールドパーを愛飲していました。
やがて、次世代の田中角栄さんが吉田茂邸を訪問したとき、オールドパーをふるまわれ、角栄さんはそれから生涯、オールドパーを愛飲するようになったとか。
幼い頃、オールドパーは私の父の世代でも大切にされていて、各家庭の棚にボトルがうやうやしく鎮座していた光景が見られたものでした。