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オールドプルトニー12年をテイスティング・特徴は堅実な風味

オールドプルトニー12年700mlと50mlの価格

「オールドプルトニー12年(Old Pulteney 12 Years Old)」はスコットランド本土北端の町、ウイックにあるプルトニー蒸留所が作っているシングルモルトウイスキーです。

 

2022年12月10日の時点で価格は以下の通り。700mlは安い販売店なら税込3500円くらいが少しありますが、 4000円以上するところが多いですね。50mlは税込700円ほど。

 

ウイスキーが値上げになった状況では、3500円くらいで購入できる12年熟成のシングルモルトは貴重になってきました。

 

プルトニー蒸留所の画像
プルトニー蒸留所
photo credit: Santa Cruiser Old Pulteney Distillery via photopin (license)

オールドプルトニー12年をテイスティング。特徴・味は?

オールドプルトニー12年を私なりにテイスティングしてみました。

 

ボトルの蓋が他社のボトルに比べると小ぶりなので、がっちりした男性の手ではちょっと開けにくい感じがあります。微妙な個性。

 

後述しますが、ボトルの首のふくらみのデザインから、注ぐ時に軽快なリズムが楽しめます。ただし、つい、いい音を出そうと思って 私はドバッと注ぎすぎてしまったのでご注意ください。

 

ストレートの香りはニッカのフロムザバレルのライト版といった印象で、重く沈んだ潮気も感じます。

 

派手さ、重厚さよりも、堅実な完成度の味わいを目指した逸品

ストレートの味わいは舌の先がジーンとくる辛さのあとから、白蜜のような甘さと最後にちょっとこってりのオイリー感。 一般的に言われる潮気は、個人的にはそれほど印象的に感じません。

 

これらの個性は、飲み終わりにすっと消えていくのでしつこさもなく。スモーキー感はとくに感じませんでした。

 

ハイボールは12年熟成だけにしっかりと果実の味わい。杏風味の後ろでオレンジ系の柑橘がこっそり支えています。 複雑さと適度な重さも感じられます。

 

12年物にしては派手さも重厚さもなく、ややライトですが、完成度が高い逸品。昔ながらのハイランドモルトといった印象です。

オールドプルトニー12年のレビュー評価

以下は一一般的な評価です。まずはマイナス評価を指摘する感想をあげてみます。

 

「アイラ好きには物足りなさがある」

「以前のG&M社の8年物に比べると特徴が無くなったように感じる」

「海水でつくったのかと思うレベルで塩辛い。箱にはfaintly salty(ほんのり塩辛い)と書いてあるが相当塩辛い」

 

スコットランド北端の蒸留所なので、アイラやアイランズモルトの潮っぽさと比べる傾向があるようです。でも、ピートを重視していないので、別路線ですね。

 

とても塩辛いというコメントもありますが、現行ボトルではそんなに強く感じないので、これはオールドボトルの方を飲んだ人の感想かもしれません。支持するレビューは以下の通りです。

 

「アイランズやアイラほどクセが強くない一方、深い味わいが感じられる」

「飲んだ後、舌に残る塩味がユニーク」

「この塩辛さとオイリーさは特筆に価する。スプリングバンクやタリスカーとは違う力強い個性派」

「スモーキーと言うよりもスパイシーで、さらりとドライな印象」

スコットランド北端の蒸留所が造るハイランドウイスキー

プルトニー蒸留所のあるウイックはハイランド地域に含まれています。

 

また、ハイランドの首都インバネスから北、英国本土の北端までの東海岸で作られるスコッチウイスキーはノーザン・モルトと呼ばれています。

プルトニー蒸留所はかつて「スコットランド本土最北端の蒸留所」という称号で知られていましたが、2011年に再建されたウルフバーン蒸留所が現在の最北端です。

 

もともとウイックの町は北海でのニシン漁で栄えた港町。最盛期の19世紀後半には1万数千人が鰊産業に従事していたとか。

 

その人々の需要に応えるために建てられたのが、創業者ジェームズ・ヘンダーソンによって1826年に設立されたプルトニー蒸溜所。

 

名前の由来は港町の発展に尽力した国会議員のサー・ウィリアム・プルトニーさんからきているそうです。

 

Inverness ハイランドの首都インバネス
Inverness ハイランドの首都インバネス

 

プルトニー蒸溜所では以前はオフィシャルボトルがなく、入手困難でしたが、1995年にオーナーがインバーハウス・ディスティラーズに代わると状況が変わります。

 

シングルモルト「オールドプルトニー12年」を「海のモルト」で売り出して知名度を上げました。

 

プルトニー蒸留所の原酒を造る初溜釜のカーパー(銅製)スチルはユニークな瓢箪型。

 

中古で購入したものの、そのままでは建物に入らず大胆にも切断したという奇妙なスワン・ネック。その上部から伸びたT字型のネック。

スコットランドの海岸の画像
Scotland スコットランド

 

ボトルの特徴的な曲線、首のふくらみのデザインは、この独特のスチルをイメージして作られています。

 

海沿いの立地とポットスチルの形から、蒸溜されたスピリッツは海風とやさしい甘味を持つ男性的な風味を持った原酒となるわけですね。潮っぽさがどうかなという初めての方はミニチュア50mlがいいかもしれません。 

オールドプルトニー12年に合う料理は?

おつまみは魚介系のスモーク、オイルサーディンなどが合うとされていますが、アイラモルトほど個性が強くはありません。

 

個人的にはお刺身とか、サラダのようなものがいいと感じます。

 

肉類や香りの強いものは個性を消してしまうかも。さっぱりした和食がおすすめです。