「オピーア・オリエンタルスパイスド・ロンドンドライジン(Opihr Oriental Spiced London Dry Gin)」はイングランドのウォリントンにあるG&J DISTILLERSが造っているプレミアムジンです。
ウォリントンはマンチェスターの西26km、セント・ヘレンズの南13km、マージー川沿いに位置しています。
QUINTESSENTIAL BRANDS社傘下であるG&J蒸留所では、世界で2番目に大きいという銅製ポットスティルで1761年から蒸留しています。
蒸留所の大きな特徴は華やかなボトルデザインに象徴されるように、「世界初の女性マスターディスティラー(蒸留責任者)」という点。
ジョアン・ムーア(Joanne Moore)さんがその人で、1996年にG&J蒸留所で品質管理者として働き始めてすぐに品質管理者に就任。新製品開発のためにハーブやスパイスを探索しながらボタニカルのレシピを考えてきました。
その結果、完成したのが「オピーア・オリエンタルスパイスド・ロンドンドライジン(Opihr Oriental Spiced London Dry Gin)」。
インドネシア産パイパーベリー(Piper Berry)、インド産ブラックペッパー、モロッコ産コリアンダーなど、手摘みしたエキゾチックなボタニカルから造られています。
パイパーベリーというのが珍しいので調べてみると、英語版Amazonの販売ページに「spicy Cubeb berries from Indonesia」とあったので、キュベブベリーとも呼ばれているようです。
キュベブ(Cubeb)とはクベブとも呼ばれる、インドネシアのジャワ島が原産のコショウ科の植物。亜熱帯から熱帯地方に分布しています。
キュベブの果実がキュベブベリーですが、果実と言ってもブラックペッパー(胡椒)に非常に近く、外見もよく似ていることからジャワペッパーとも呼ばれています。
変わっているのはベリーに小さな茎(花柄)が残っていること。この花柄が付いたまま利用されるので、テールペッパーやテイルドペッパーと呼ばれています。
インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは歯科疾患・咳・口臭・声がれなどの治療薬として利用され、中国医学においても生薬として利用されています。
ちなみに、このキュベブベリーは東洋ボタニカルを特徴とするジンには重要なボタニカル。「ボンベイサファイア イースト(Bombay Sapphire East)」、「ボビーズジン(Bobby's Schiedam Dry Gin)」、「ヘンドリックスジン(Hendrick's Gin)」でも使われています。
オピーア(OPIHR)とはソロモン王の時代に繁栄した伝説の地域の名。正確な場所は謎のままですが、豊かな金、銀、スパイスが運ばれた地は、古代スパイスルートに沿ったオリエントにあると考えられています。
一般的なクラフトジンとちがって、バランスが香辛料にシフトされたエキゾチックなジンです。カレー風味の刺激が味わます。