リードリードジン・マーティンボロのアタランギにあるワインメーカーのジン
リードリードジンこと「リード+リードネイティヴドライジン(Reid+Reid Native Dry Gin)」はニュージーランド産ジンです。
北島南東部ウェリントンの郊外にあるマーティンボロでアシスタントワインメーカーをしているクラフト・ディスティラリー「リード+リード」の蒸留所で造られています。
マーティンボロ(Martinborough)は小さいながらもワインの街として知られていて、3キロ四方ほどの街の中に20以上のワイナリーがあります。
そのなかでも最も古いワイナリーの一つ「アタランギ」でアシスタントワインメーカーをしているのが、クリス・リードさん。
ワインを造る総責任者はワインメーカーと呼ばれ、ワインのスタイルを決定します。
その下でサポートする人がアシスタントワインメーカー、さらにホワイトワインメーカー、レッドワインメーカーと呼ばれ、組織が大きいほどワインメーカーの構成も複雑になってきます。
そんなクリス・リードさんが、2015年にスティウ・リードさんと兄弟で設立した蒸留所が「リード+リード」なんですね。
マオリハーブが特徴のニュージーランドジン
「リード+リードネイティヴドライジン」の特徴は、200Lの銅製カスタムメイドのポットスチルで、伝統的なボタニカルに3種類のニュージーランド特有のネイティヴなボタニカルを使って蒸留していること。
伝統的なボタニカルとしては、ジュニパーベリー、コリアンダー、アンジェリカ、リコリス、オレンジピール、ナツメグ、シナモン、フェネルシード、カルダモンが使われています。
そこに、3種類のニュージーランド産ボタニカルが入っています。マオリハーブとも呼ばれる「カワカワ(Kawakawa)」「ホロピト(Horopito)」「マヌカ(Manuka)」。
このボタニカルにこだわったのは、クラシックなジンにニュージーランドの自然の産物で挑戦したいという思いがあったようです。
ネイティヴドライジンの価格と特徴
ネイティヴドライジンはアルコール度数42度・700mlで、4,500円ほど。
伝統的なジュニパーを中心としたジンの風味に、マオリハーブのカワカワとホロピトが胡椒のような味わいをプラスして、マヌカリーフによるショウガのような後味が楽しめます。
地元のワイン樽で熟成した「バレルエイジドジン」
リードリードジンにはもうひとつの種類「バレルエイジドジン」もあります。バレルエイジドジンはアルコール度数42度・700mlで、今日現在の最安値(税込)は5,300円ほど。
こちらはネイティヴドライジンを3か月間、マーティンボロー産ピノノワールに使用されたフレンチオーク樽で熟成したもの。
マーティンボローのワインで熟成されたジンの風味がどんな感じになるのか、興味を持たれるワイン通の方もいらっしゃるでしょうね。
カワカワ・ホロピト・マヌカとはなにか
マオリハーブとは原住民マオリ族によって親しまれてきた薬草で、のちにヨーロッパ伝統のハーブ知識が加わったことで、一般にも知られるようになりました。
「カワカワ」はニュージーランド原産で、老若男女の万能ハーブとして、ドロドロ血液を改善、体内の血液をきれいにしてくれる効果が期待されています。胡椒のような辛みが特徴です。
「ホロピト」は別名ペッパーツリーと呼ばれ、原住民の間では葉を煎じた汁が真菌症、やけど、傷跡の治療などに利用されてきました。食べると苦いですが、白胡椒のような風味が持ち味です。
ニュージーランドだけに自生する「マヌカ」は、ミツバチが集めるマヌカハニーが有名ですね。
マヌカとはマオリ語で「復活の木」や「癒しの木」の意味があります。
ニュージーランド・ティーツリーとも呼ばれていますが、言葉の起源はイングランドのキャプテンクックが大航海をした時代にさかのぼるんですね。
船員がビタミン不足による壊血病に陥った時、マヌカの葉っぱのお茶がよく効くと知って、お茶の葉っぱにして船に大量に積み込んだことから名前がついたようです。
原住民は葉、樹皮、若い枝を煮た汁を使って、蒸気は鼻風邪のときに吸入、液体は肩や関節の痛みに摺りこんで使い、胃の不調の場合に飲むというように大切に使ってきました。
ちなみに、あいさつとして互いの鼻をくっつけ合うのが、マオリ族の風習。リードリードジンを飲みながら、親しい人といかがでしょうか(笑)。